Am7(♭5)コードの押さえ方をギターの指板図で11通り紹介しています。Am7(♭5)とAdim7の違いの解説と、Am7(♭5)のコードトーン表(指板上の音の配置)の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。
Am7(♭5)とは
- Am7(♭5)は、「ルート + 短3度 + 減5度」の減三和音(ディミニッシュ・トライアド)に短7度(マイナー7th)の音を足したコード
- 表記:Am7(♭5)、または♭を省略したAm7-5がよく使われる
- 読み方:Am7(♭5)(Aマイナーセブンス・フラット・ファイブ)
- ディミニッシュ・トライアドのAdim / Am(♭5)に短7度のGの音を足したのがAm7(♭5)
- Am7(♭5)は、Am7の完全5度の音を半音下げて減5度(♭5)にしたコードとも言える
- Am7(♭5)のように「減三和音」に「短7度」を加えた和音を日本語で以下のように呼ぶ
導七の和音(どうしちのわおん)
減五短七の和音(げんごたんしちのわおん)
半減七の和音(はんげんしちのわおん)
※いずれもm7(♭5)の呼称 - Adim / Am(♭5)に減7度を足したAdim7(ディミニッシュ・セブンス)とは別のコード
- Am7(♭5)は三和音の部分がディミニッシュになっていることから、Aハーフ・ディミニッシュ(略記:Aφ)と呼ばれることも
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | – |
---|---|---|---|---|
Adim Am(♭5) | A | C | E♭ | – |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
Am7(♭5) | A | C | E♭ | G |
Am7(♭5)とAdim7の違い
- Am7(♭5)は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に短7度(Aから数えてGの音)を加えたコード
- Adim7は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に減7度(Aから数えてG♭の音)を加えたコード
※減7度は短7度からさらに半音さげた音程 - Am7(♭5)は「導七の和音(半減七の和音)」、Adim7は「減七の和音」と呼び分ける
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Am7(♭5) | A | C | E♭ | G |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
Adim7 | A | C | E♭ | G♭ |
Am7(♭5)とCm6は構成音が同じ
- Am7(♭5)とCm6は構成音が同じなので、互いに転回形として使える
※転回形=最低音がルート以外の場合のコード
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Am7(♭5) | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G ソ |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | 長6度 |
Cm6 | C ド | E♭ ミ♭ | G ソ | A ラ |
コードネームの表記
- Am7(♭5)はAm7-5やAφと表記することがある
- Am7(♭5)の読み方は「Aマイナー・セブンス・フラットファイブ」
- Am7-5の読み方はAm7(♭5)と同じく「Aマイナー・セブンス・フラットファイブ」
※「- (マイナス)」は「♭ (フラット)」の略記 - Aφの読み方は「Aハーフ・ディミニッシュ」
Am7(♭5)の表記の種類 | 読み方 |
---|---|
Am7(♭5) | Aマイナー・セブンス・フラットファイブ |
Am7-5 | |
Aφ | Aハーフ・ディミニッシュ |
Am7(♭5)コードの指板図一覧
全国のギター教室を地域別に紹介しています。レッスン料金の安さ・特徴が一目でわかる比較表や、最寄りの教室が探しやすい地図などから、自分に合ったギター教室を探せます。
Am7(♭5)のコードトーン表(指板上の構成音の配置)
※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音
ローコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
ローコード①
■ローコードの押さえ方
3弦、5弦は開放弦
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
ローコード②
ローコード①に1弦3フレットのGを加えた押さえ方
3弦、5弦は開放弦
6弦はミュートが難しいので鳴らないように弾く
ハイコードの押さえ方
6弦ルート①
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート②
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
5フレットの1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート③
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
親指は6弦を押弦しながら5弦に軽く触れてミュート
※親指での押弦が難しい場合は5弦開放弦のAをルート音としても良い
5弦ルート①
■5弦12フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
5弦ルート②
■5弦12フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
5弦ルート③
■5弦12フレットをルート音とするハイコード
2〜4弦を人差し指でセーハ
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
4弦ルート①
■4弦7フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
■1〜3弦を薬指でセーハする押さえ方
4弦ルート②(第二転回形)
■4弦7フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
1弦は人差し指の付け根あたりでミュート
6弦は親指の腹、または中指の先で軽く触れてミュート
※Am7(♭5)コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は5弦6フレットのE♭であるが、
ルート音を4弦7フレットのAとする転回形のコード
E♭はルート音のAから見て減5度の音なので第二転回形となる
3弦ルート①(第二転回形)
■3弦2フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らないように弾く
※Am7(♭5)コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は4弦1フレットのE♭であるが、
ルート音を3弦2フレットのAとする転回形のコード
E♭はルート音のAから見て減5度の音なので第二転回形となる
■1弦の2〜4弦を人差し指でセーハする押さえ方
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らないように弾く
Am7(♭5)コードの構成音
度数 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
構成音 | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G ソ |
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
画像(指板図やスケール表)は当サイトへリンクを張ってもらえれば転載OKです。