Adim7コードの押さえ方をギターの指板図で14通り紹介しています。AdimとAdim7の違い、Adim7とAm7(♭5)の違いの解説と、Adim7のコードトーン表（指板上の音の配置）の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。
Adim7コードとは
- 「ルート + 短3度 + 減5度 + 減7度」で構成される減七の和音(ディミニッシュ・セブンス)のコード
※減7度は=短7度からさらに半音下げた音(減7度は長6度と異名同音) - dim7は短3度(1音半の音程)を積み重ねた四和音
- Adim7の読み方は「エー・ディミニッシュ・セブンス」
「dim」=「diminished(ディミニッシュト)」の略で、「減少した」という意味
日本語では「ディミニッシュ」と表記・発音をする - 減三和音のAdimコードに減7度の音(Aから数えてG♭)を足すとAdim7になる
- 各構成音はすべて短3度(1音半)の音程になっており、ギターの指板上で1音半ずらす＝フレット3個分移動すれば簡単に転回できる
同じ構成音を持つ4つのdim7
- Adim7、Cdim7、E♭dim7、G♭dim7の4つのdim7コードは、
「A、C、E♭、G♭」という同じ構成音を持つ
つまり、Adim7 = Cdim7 = E♭dim7 = G♭dim7という関係になる - 同じ構成音を持つAdim7、Cdim7、E♭dim7、G♭dim7は、
どれをルート音をするかでコード名が変わる
| コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
|---|---|---|---|---|
| Adim7 | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ |
| Cdim7 | C ド | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ | A ラ |
| E♭dim7 | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ | A ラ | C ド |
| G♭dim7 | G♭ ソ♭ | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ |
AdimとAdim7の違い
- Adimは三和音、Adim7は四和音
- Adimに減7度を加えたのがAdim7
- ギターコードではAdim7をAdimと表記することがあるが、構成音が異なるので厳密には別のコードである
| コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | – |
|---|---|---|---|---|
| Adim | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | – |
| コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
| Adim7 | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ |
Adim7とAm7(♭5)の違い
- Adim7は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に減7度(Aから数えてG♭の音)を加えたコード
- Am7(♭5)は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に短7度(Aから数えてGの音)を加えたコード
- Adim7は「減七の和音」、Am7(♭5)は「導七の和音(半減七の和音)」
- Am7(♭5)はAm7-5と表記されることも。「- (マイナス)」は「♭ (フラット)」の略記
| コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
|---|---|---|---|---|
| Adim7 | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ |
| コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
| Am7(♭5) | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G ソ |
Am7(♭5)は以下の記事で詳しく解説
コードネームの表記
- Adim7は「A○7」と表記することがある
- A○7の読み方は「Aディミニッシュ・セブンス」
「○ (まる)」 → 「dim」の略記
| Aディミニッシュ・セブンスの表記の種類 | 読み方 |
|---|---|
| Adim7 | Aディミニッシュ・セブンス |
| A○7 |
Adim7コードの指板図一覧
押さえ方を変えない転回形
基本形
基本形
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Adim7のコードトーン表（指板上の構成音の配置）
※コードトーン：三和音、四和音のコードの構成音
ハイコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード)：開放弦を含む押さえ方
- ハイコード：開放弦を含まない押さえ方
6弦ルート①
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は薬指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート②
6弦ルート①と同じポジションを別の押さえ方をしたバージョン
2〜4弦は人差し指でセーハ
1弦は人差し指の第二関節あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート③
6弦ルート②の押さえ方に1弦5フレット（Aの音）の押弦を足したバージョン
6弦ルート④
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
5フレットの1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート⑤
■6弦5フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第二関節あたりで軽く触れてミュート
5弦ルート①
■5弦12フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
5弦ルート②
■5弦12フレットをルート音とするハイコード
11フレットの1〜3弦を人差し指でセーハ
4弦は中指の腹で軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
（中指は5弦を押弦しつつ4弦と6弦をミュートする）
4弦ルート①
■4弦7フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
押さえ方を変えない転回形①
基本形
第一転回形： 第3音が最低音になったコード
第二転回形： 第5音が最低音になったコード
第三転回形： 第7音が最低音になったコード
第一転回形
■3弦2フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方（下記図の人差し指の位置）
押さえ方は#5弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第一転回形
この押さえ方の最低音は5弦3フレットのCであるが、
ルート音を3弦2フレットのAとするとAdim7の第一転回形の押さえ方となる
5弦3フレットのCをルート音とするとCdim7になるが、
Cdim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
第二転回形
■4弦7フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方（下記図の薬指の位置）
押さえ方は#5弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は5弦6フレットのE♭であるが、
ルート音を4弦7フレットのAとするとAdim7の第二転回形の押さえ方となる
5弦6フレットのE♭をルート音とするとE♭dim7になるが、
E♭dim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
第三転回形
■2弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方（下記図の小指の位置）
押さえ方は#5弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第三転回形
この押さえ方の最低音は5弦9フレットのG♭であるが、
ルート音を2弦10フレットのAとするとAdim7の第三転回形の押さえ方となる
5弦9フレットのG♭をルート音とするとG♭dim7になるが、
G♭dim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
押さえ方を変えない転回形②
基本形
第一転回形： 第3音が最低音になったコード
第二転回形： 第5音が最低音になったコード
第三転回形： 第7音が最低音になったコード
第一転回形
■2弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方（下記図の薬指の位置）
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第一転回形
この押さえ方の最低音は4弦10フレットのCであるが、
ルート音を2弦10フレットのAとするとAdim7の第一転回形の押さえ方となる
4弦10フレットのCをルート音とするとCdim7になるが、
Cdim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
第二転回形
■3弦2フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方（下記図の中指の位置）
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は4弦1フレットのE♭であるが、
ルート音を3弦2フレットのAとするとAdim7の第二転回形の押さえ方となる
4弦1フレットのE♭をルート音とするとE♭dim7になるが、
E♭dim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
第三転回形
■1弦5フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方（下記図の小指の位置）
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Adim7コードの第三転回形
この押さえ方の最低音は4弦4フレットのG♭であるが、
ルート音を1弦5フレットのAとするとAdim7の第三転回形の押さえ方となる
4弦4フレットのG♭をルート音とするとG♭dim7になるが、
G♭dim7とAdim7は構成音が同じなので、Adim7の転回形としても使える
Adim7コードの構成音
- 減7度(♭♭7)は、厳密には「♭♭ (ダブルフラット)」で表すのが正しいが、読みやすさを考慮して実音で表記
- 減7度は長6度と異名同音だが、dim7は短3度を積み重ねたコードであるため、減7度と表記する
| 度数 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
|---|---|---|---|---|
| 構成音 | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G♭ ソ♭ |
| 度数表記の読み方 | |||
|---|---|---|---|
| R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
| M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
| M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
| P4 | 完全4度 | – | – |
| ♯4 | 増4度 | – | – |
| P5 | 完全5度 | – | – |
| ♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
| M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
| M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
| – | – | ♭♭7 | 減7度 |
| P8 | 完全8度 | – | – |
| M9 | 長9度 | – | – |
| ♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
| P11 | 完全11度 | – | – |
| ♯11 | 増11度 | – | – |
| M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
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