ギタークラフト

3作目のドットポジションの埋め込み、指板接着:ギタークラフト学校日誌(147)

ドットポジションの埋め込みと指板接着をします。

昨日にドットポジションの穴あけをしたので、貝セルを埋め込んでいきます。

木工用の瞬間接着剤を穴に少し垂らし、そのままドットポジションを埋め込みます。

しっかり埋まってなさそうなときは玄能で軽く叩きますが、完全に埋まってしまうとこのあと指板まで削らないといけなくなるので、少し出ているくらいが理想です。

指板の位置によって厚みが異なるのでドットポジションの出具合にバラツキがありますが、表面を削れるくらい出ていればOK。

まずは半丸ヤスリや平ヤスリなどでざっくり表面の凸を削っていきます。

次は小さいヤスリで表面の凸ができるだけなくなるように削ります。
指板は削りたくないので、わずかに凸が残っているくらいで止めておきます。
このあとペーパーで指板すり合わせでドットポジションごと磨くので、少し凸が残っていても大丈夫です。

手前はヤスリで削り終わっていて、奥側はまだ削っていないです。

ヤスリでドットポジションの表面を削り終えました。

Rのついた指板用のすり板+#150のペーパーで指板すり合わせをします。
今回は305Rなので、すり板も305Rのほうで。

がっつり削る必要はないので、ドットポジションの凸が取れて、指板全体に#150のキズがつけばOKです。

指板裏面も#150のペーパーで軽く磨きます。

指板裏面も凸凹が取れていて、#150のキズがついていればOKです。

次はサイドポジションマークを埋め込みます。
指板の厚みがヘッド側とエンド側で均一ではないので、フレット溝の下部同士を直線で結んだところを縦位置とします

目打ちをし、2.0mmのビットをセッティングしたハンドドリルで深さ4.0mmの穴をあけます。

木工用の瞬間接着剤をマスキングテープに出し、千枚通しにつけてドットポジションに穴に塗りつけます。

サイドポジションマークの素材を穴に入れ、上から玄能で軽く叩きます。

表面から1mmくらい出た位置でニッパーで切ります。

素材を埋め込んだら、ノミで削って表面を平らにします。
柔らかい素材なので簡単に削れる。

ドットポジション職人。

ドットポジションの表面を削り終えたら、小さいパッドで軽く表面を磨きます。

ドットポジションが仕上がりました。

次は指板接着の準備をします。
指板面の平面出しをするのですが、平面出しをする際は、トラスロッドを逆反り方向にした状態で行います。
逆反りにし、反った部分を削り取ることで、トラスロッドをゆるめることができる、つまり順反り方向に回すことができます。
弦を張ったときに生じる反りの補正の役割もあります。
また、フレットを打つとスタッドによって外側に力がかかり、逆反っていくので、その補正の役割もあるわけです。
フレットは20数個も打つので、スタッドによってネックによってかかる反る力は大きくなります。

まずはトラスロッドを締めてロッドエンドの隙間をなくします。
ロッドエンドの隙間がなくなったら、ロッドをフラットに戻します。

ロッドをフラットにしたら、その状態でどれくらい反っているかを確認します。

どれくらい逆反りにさせて平面出しするかは個体によるので明確な基準はないのですが、ヘッド側でこれくらいの隙間がある状態まで反らせます。

ここから豆平鉋で平面出しをしていくのですが、全体を一気に削ってしまうと平面にならないので、山なりになっている箇所から部分的に削っていきます。
650mmスケールで山なりの部分を確認し、シャーペンで印をつけて削ります。
ただし、豆平鉋では完全には平面にできないので、このあとエコノミーサンダーで調整することを想定して、だいたい平面になっていればOKです。

次はここを削る。というように部分的に削って平面にしていきます。

写真がないですが、豆平鉋とエコノミーサンダーでの平面出しが終わったので、指板接着の準備をします。
ネックの表面と指板の裏面を接着するので、それぞれ濡れ雑巾で拭いて表面のゴミを取り除きます。

指板の裏面に木工用ボンドを塗ります。

ちょっとボンドの量が多かったので、拭き取って減らしました。

指板の上にRのついた当て木をし、Fクランプで固定。

Fクランプを回すとボンドの粘着で位置がズレるので、あらかじめ罫書いておいた指板のセンターラインと埋木のセンターラインがぴったり合っているかを必ず確認します。
もちろん指板エンド側もセンターラインからズレていないか確認。

グリップ側は基本的に当て木は不要ですが、ジョイント部分だけ当て木をしています。

今日はここまで。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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