Fdim7コードの押さえ方をギターの指板図で16通り紹介しています。FdimとFdim7の違い、Fdim7とFm7(♭5)の違いの解説と、Fdim7のコードトーン表(指板上の音の配置)の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。
Fdim7コードとは
- Fdim7は、「ルート + 短3度 + 減5度 + 減7度」で構成される減七の和音(ディミニッシュ・セブンス)のコード
※減7度は=短7度からさらに半音下げた音(減7度は長6度と異名同音) - dim7は短3度(1音半の音程)を積み重ねた四和音
- Ddim7の読み方は「エフ・ディミニッシュ・セブンス」
「dim」=「diminished(ディミニッシュト)」の略で、「減少した」という意味
日本語では「ディミニッシュ」と表記・発音をする - 減三和音のFdimコードに減7度の音(Fから数えてD)を足すとFdim7になる
- 各構成音はすべて短3度(1音半)の音程になっており、ギターの指板上で1音半ずらす=フレット3個分移動すれば簡単に転回できる
同じ構成音を持つ4つのdim7
- Fdim7、A♭dim7、Bdim7、Ddim7の4つのdim7コードは、
「F、A♭、B、D」という同じ構成音を持つ
つまり、Fdim7 = A♭dim7 = Bdim7 = Ddim7という関係になる - 同じ構成音を持つFdim7、A♭dim7、Bdim7、Ddim7は、
どれをルート音をするかでコード名が変わる
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
---|---|---|---|---|
Fdim7 | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | D レ |
A♭dim7 | A♭ ラ♭ | B シ | D レ | F ファ |
Bdim7 | B シ♭ | D レ | F ファ | A♭ ラ♭ |
Ddim7 | D レ | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ |
FdimとFdim7の違い
- Fdimは三和音、Fdim7は四和音
- Fdimに減7度を加えたのがFdim7
- ギターコードではFdim7をFdimと表記することがあるが、構成音が異なるので厳密には別のコードである
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | – |
---|---|---|---|---|
Fdim | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | – |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
Fdim7 | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | D レ |
Fdim7とFm7(♭5)の違い
- Fdim7は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に減7度(Fから数えてDの音)を加えたコード
- Fm7(♭5)は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に短7度(Fから数えてE♭の音)を加えたコード
- Fdim7は「減七の和音」、Fm7(♭5)は「導七の和音(半減七の和音)」
- Fm7(♭5)はFm7-5と表記されることも。「- (マイナス)」は「♭ (フラット)」の略記
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
---|---|---|---|---|
Fdim7 | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | D レ |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
Fm7(♭5) | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | E♭ ミ♭ |
Fm7(♭5)はこちらの記事で詳しく解説
コードネームの表記
- Fdim7は「F○7」と表記することがある
- F○7の読み方は「Fディミニッシュセブンス」
「○ (まる)」 → 「dim」の略記
Fディミニッシュセブンスの表記の種類 | 読み方 |
---|---|
Fdim7 | Fディミニッシュセブンス |
F○7 |
Fdim7コードの指板図一覧
押さえ方を変えない転回形
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Fdim7のコードトーン表(指板上の構成音の配置)
※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音
ローコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
ローコード①
2、4弦は開放弦
1弦は押弦していない薬指か小指で軽く触れてミュート
5弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
ローコード②
ローコード①の押さえ方に1弦1フレット(Fの音)の押弦を足したバージョン
ハイコードの押さえ方
6弦ルート①
■6弦1フレットをルート音とするハイコード
1フレットの1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート②
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は薬指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート③
6弦ルート②と同じポジションを別の押さえ方をしたバージョン
2〜4弦は人差し指でセーハ
1弦は人差し指の第二関節あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート④
6弦ルート③の押さえ方に1弦13フレット(Fの音)の押弦を足したバージョン
6弦ルート⑤
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第二関節あたりで軽く触れてミュート
5弦ルート①
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
5弦ルート②
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
6フレットの1〜3弦を人差し指でセーハ
4弦は中指の腹で軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
(中指は5弦を押弦しつつ4弦と6弦をミュートする)
または、2弦9フレットのA♭を小指で押さえる
この押さえ方なら6弦を親指の腹でミュートできる
4弦ルート①
■4弦3フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
押さえ方を変えない転回形①
基本形
第一転回形: 第3音が最低音になったコード
第二転回形: 第5音が最低音になったコード
第三転回形: 第7音が最低音になったコード
第一転回形
■3弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方(下記図の人差し指の位置)
押さえ方は5弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第一転回形
この押さえ方の最低音は5弦11フレットのA♭であるが、
ルート音を3弦10フレットのFとするとFdim7の第一転回形の押さえ方となる
5弦11フレットのA♭をルート音とするとA♭dim7になるが、
A♭dim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
第二転回形
■4弦3フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
押さえ方は5弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は5弦2フレットのBであるが、
ルート音を4弦3フレットのFとするとFdim7の第二転回形の押さえ方となる
5弦2フレットのBをルート音とするとBdim7になるが、
Bdim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
第三転回形
■2弦6フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方(下記図の小指の位置)
押さえ方は5弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第三転回形
この押さえ方の最低音は5弦5フレットのDであるが、
ルート音を2弦6フレットのFとするとFdim7の第三転回形の押さえ方となる
5弦5フレットのDをルート音とするとDdim7になるが、
Ddim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
押さえ方を変えない転回形②
基本形
第一転回形: 第3音が最低音になったコード
第二転回形: 第5音が最低音になったコード
第三転回形: 第7音が最低音になったコード
第一転回形
■2弦6フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方(下記図の薬指の位置)
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第一転回形
この押さえ方の最低音は4弦6フレットのA♭であるが、
ルート音を2弦6フレットのFとするとFdim7の第一転回形の押さえ方となる
4弦6フレットのA♭をルート音とするとA♭dim7になるが、
A♭dim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
第二転回形
■3弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方(下記図の中指の位置)
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第二転回形
この押さえ方の最低音は4弦9フレットのBであるが、
ルート音を3弦10フレットのFとするとFdim7の第二転回形の押さえ方となる
4弦9フレットのBをルート音とするとBdim7になるが、
Bdim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
第三転回形
■1弦13フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方(下記図の小指の位置)
押さえ方は4弦ルート①と同じ
※Fdim7コードの第三転回形
この押さえ方の最低音は4弦12フレットのDであるが、
ルート音を1弦13フレットのFとするとFdim7の第三転回形の押さえ方となる
4弦12フレットのDをルート音とするとDdim7になるが、
Ddim7とFdim7は構成音が同じなので、Fdim7の転回形としても使える
Fdim7コードの構成音
- 減7度(♭♭7)は、厳密には「♭♭ (ダブルフラット)」で表すのが正しいが、読みやすさを考慮して実音で表記
- 減7度は長6度と異名同音だが、dim7は短3度を積み重ねたコードであるため、減7度と表記する
度数 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
---|---|---|---|---|
構成音 | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | D レ |
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
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