フレットラップとは
フレットラップは、ギターやベースのネックに巻きつけることで弦に軽く触れ、余計なノイズを抑えるなどの演奏を補助する効果が得られる便利アイテム。アメリカの音楽グッズメーカー・Gruv Gear社が開発したもので、近年プロのミュージシャンやYouTubeのギタリストなど、使用するプレーヤーが増えている。
フレットラップの使い方
フレットラップは一見カポタストのような見た目をしているが、マジックテープでネックに巻きつける形状となっている。カポタストのように完全に弦を押さえつけるわけではなく、弦に触れる部分はパイル状になっているので、優しく包むようなイメージ。マジックテープで巻きつける強さを調整でき、それによって効果も変化する。
装着する位置はナット付近、あるいは任意のフレット上で、使用する目的によって変わってくる。フレットラップやネックの形状・サイズと締付け具合にもよるが、取り外さなくてもスライドして移動ができる。
フレットラップの効果・メリット
- 不要な音をミュートできる
- 開放弦の響きを調整できる
- 倍音を抑え、タイトなサウンドに
不要な音をミュートできる
フレットラップの大きなメリットの一つが、触れていない弦をミュートしてくれるという点。
特に、ライトハンドやタッピング、ボスハンドといった奏法の際にはどうしてもミュートが難しい場面も多々ある。不要な弦が共振することによって発するノイズに悩まされるギタリストも少なくないかと思うが、フレットラップを装着することでそのノイズを抑えることができる。
開放弦の響きを調整できる
ギターやベースは、押弦時には弦がフレットに触れているが、開放弦では弦に触れているのはナットなので、その素材の違いなどから押弦時と開放弦時とで音色や音量にも微妙な差が出てしまう。
これをフレットラップによって開放弦の音を調整することによって、押弦時と開放弦の音の差を小さくすることができる。フレットラップを軽く弦に触れる程度に調整すると、この効果を得やすい。
ちなみに、これと同様の効果を得るパーツにゼロフレットがある。
倍音を抑え、タイトなサウンドに
フレットラップを使うことで、サウンドをタイトにして音を引き締めてくれる効果も得ることができる。これは、倍音成分を抑えることによって生まれる効果。
特にダウンチューニングや多弦ギターや多弦ベースといった低音がボヤケやすい場合に、音粒を明確にする効果を期待して使われることが多いようだ。
ただし、倍音が抑えられるのは必ずしもメリットとは言えず、ジャンルや好みによってはデメリットとなる場合があるので注意が必要。
Gruv Gear社の公式YouTubeチャンネルによるデモ動画
フレットラップのデメリット
- ミュートが身につかない?
- 見た目が気になる
ミュートが身につかない?
フレットラップを装着していると、自分で不要な弦をミュートする必要が無くなる。フレットラップを装着している時はそれで良いが、外して演奏した時に自分でミュートする技術が身についていないと、フレットラップ無しでは演奏ができなくなってしまう恐れがある。
ただこの点については、フレットラップ装着時と外した時との違いで「ミュートの大切さを知ることができる」という意味では、むしろメリットにもなり得るという考え方もある。
見た目が気になる
これは完全に好みの問題になるが、ルックス的に余計な物を付けたくないという人もいるだろう。特にヴィンテージなルックスのギターに現代的なデザインのこのアイテムはミスマッチと感じる人も少なくないだろう。
ただ、フレットラップは主にレコーディング等の際に活躍してくれるアイテムということを考えれば、この点はさほど気にする必要はないのかもしれない。また、様々なデザインで発売されているので、ある程度自分のギターに合わせたコーディネートも可能となっている。
フレットラップの種類
サイズ
フレットラップは、「Small(SM)」、「Medium(MD)」、「Large(LG)」、「XL」の4つのサイズが発売されている。
- 「Small」 − 一般的な6弦ギターや4弦ベース用。
- 「Medium」 − クラシックギターや5弦ベース用。
- 「Large」 − 7/8弦ギターや6弦ベース用。
- 「XL」 − 8弦/12弦ベースやコントラバス用。
ヘッド部分に挟んで装着し、同様の効果を得ることができる「フレットウェッジ」というアイテムも、後に発売されている。
併せて使うと効果バツグン。
まとめ
ギターやベースのネックに巻きつけることで弦に軽く触れ、余計なノイズを抑えるなどの演奏を補助する効果が得られる便利アイテムです。
・触れていない弦をミュートすることができ、タッピングなどミュートが難しい奏法時の不要な共振などのノイズを抑えることができる。
・通常は開放弦で弾いた際と押弦して弾いた際とでは音色や音量に差が出てしまうが、フレットラップを使うことでその差を小さくすることができる。
・ダウンチューニング時や多弦ギター・ベースなどで倍音成分を抑えることによってサウンドをタイトにする効果が得られる。
・ミュートをフレットラップに頼りすぎると、自身の手でミュートする技術が身につかないという恐れがある。
・目立つアイテムになるため、見た目が気になるという方も多い。
・「Small」 − 一般的な6弦ギターや4弦ベース用。
・「Medium」 − クラシックギターや5弦ベース用。
・「Large」 − 7/8弦ギターや6弦ベース用。
・「XL」 − 8弦/12弦ベースやコントラバス用。