Fm7(♭5)コードの押さえ方をギターの指板図で9通り紹介しています。Fm7(♭5)とFdim7の違いの解説と、Fm7(♭5)のコードトーン表(指板上の音の配置)の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。
Fm7(♭5)とは
- Fm7(♭5)は、「ルート + 短3度 + 減5度」の減三和音(ディミニッシュ・トライアド)に短7度(マイナー7th)の音を足したコード
- 表記:Fm7(♭5)、または♭を省略したFm7-5がよく使われる
- 読み方:Fm7(♭5)(Fマイナーセブンス・フラット・ファイブ)
- ディミニッシュ・トライアドのFdim / Fm(♭5)に短7度のE♭の音を足したのがFm7(♭5)
- Fm7(♭5)は、Fm7の完全5度の音を半音下げて減5度(♭5)にしたコードとも言える
- Fm7(♭5)のように「減三和音」に「短7度」を加えた和音を日本語で以下のように呼ぶ
導七の和音(どうしちのわおん)
減五短七の和音(げんごたんしちのわおん)
半減七の和音(はんげんしちのわおん)
※いずれもm7(♭5)の呼称 - Fdim / Fm(♭5)に減7度を足したFdim7(ディミニッシュ・セブンス)とは別のコード
- Fm7(♭5)は三和音の部分がディミニッシュになっていることから、Fハーフ・ディミニッシュ(略記:Fφ)と呼ばれることも
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | – |
---|---|---|---|---|
Fdim Fm(♭5) | F | A♭ | B | – |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
Fm7(♭5) | F | A♭ | B | E♭ |
Fm7(♭5)とFdim7の違い
- Fm7(♭5)は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に短7度(Fから数えてE♭の音)を加えたコード
- Fdim7は減三和音(ルート + 短3度 + 減5度)に減7度(Fから数えてDの音)を加えたコード
※減7度は短7度からさらに半音さげた音程 - Fm7(♭5)は「導七の和音(半減七の和音)」、Fdim7は「減七の和音」と呼び分ける
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Fm7(♭5) | F | A♭ | B | E♭ |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 減7度 |
Fdim7 | F | A♭ | B | D |
Fm7(♭5)とA♭m6は構成音が同じ
- Fm7(♭5)とA♭m6は構成音が同じなので、互いに転回形として使える
※転回形=最低音がルート以外の場合のコード
コード名 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
Fm7(♭5) | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | E♭ ミ♭ |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | 長6度 |
A♭m6 | A♭ ラ♭ | B シ | E♭ ミ♭ | F ファ |
コードネームの表記
- Fm7(♭5)はFm7-5やFφと表記することがある
- Fm7(♭5)の読み方は「Fマイナー・セブンス・フラットファイブ」
- Fm7-5の読み方はFm7(♭5)と同じく「Fマイナー・セブンス・フラットファイブ」
※「- (マイナス)」は「♭ (フラット)」の略記 - Fφの読み方は「Fハーフ・ディミニッシュ」
Fm7(♭5)の表記の種類 | 読み方 |
---|---|
Fm7(♭5) | Fマイナー・セブンス・フラットファイブ |
Fm7-5 | |
Fφ | Fハーフ・ディミニッシュ |
Fm7(♭5)コードの指板図一覧
Fm7(♭5)コードの指板図一覧(転回形)
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
※転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
第一転回形
第二転回形
第三転回形
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Fm7(♭5)のコードトーン表(指板上の構成音の配置)
※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音
ローコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
ローコード①
■ローコードの押さえ方
2弦は開放弦
5弦は人差し指の腹あたりで軽く触れてミュート
1弦は鳴らないように弾くか、押弦していない小指で軽く触れてミュート
ハイコードの押さえ方
6弦ルート①
■6弦1フレットをルート音とするハイコード
1フレットの1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート②
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
1弦は人差し指の腹あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート③
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
親指は6弦を押弦しながら5弦に軽く触れてミュート
5弦ルート①
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
5弦ルート②
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
5弦ルート③
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
2〜4弦を人差し指でセーハ
6弦は薬指の先で軽く触れてミュート
4弦ルート①
■4弦3フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
■1〜3弦を薬指でセーハする押さえ方
4弦ルート②
■4弦15フレットをルート音とするハイコード
5弦は小指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹でミュート
Fm7(♭5)の第一転回形
最低音はA♭だが、ルート音をFとするFm7(♭5)の転回形コード
A♭はルート音のFから見て短3度の音なので第一転回形となる
- 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
- 基本形:ルート音が最低音となる形
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
第一転回形① (4弦ルート)
■4弦3フレットをルート音とするコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は中指の腹で触れてミュート
第一転回形② (3弦ルート)
■3弦10フレットをルート音とするコード
1弦は人差し指の第一関節あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
第一転回形③ (2弦ルート)
■2弦6フレットをルート音とするコード
6フレットの1〜4弦を人差し指でセーハ
5弦はセーハしている人差し指の先で触れてミュート
6弦は鳴らさないように弾く
Fm7(♭5)の第二転回形
最低音はBだが、ルート音をFとするFm7(♭5)の転回形コード
Bはルート音のFから見て減5度の音なので第二転回形となる
第二転回形① (5弦ルート)
■5弦8フレットをルート音とするコード
1、2弦は人差し指の第一関節あたりで軽く触れてミュート
第二転回形② (4弦ルート)
■4弦3フレットをルート音とするコード
1弦は人差し指の第一関節あたりでミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
第二転回形③ (3弦ルート)
■3弦10フレットをルート音とするコード
9フレットの1〜4弦を人差し指でセーハ
5、6弦はミュート
5弦はセーハしている人差し指の先で触れてミュート
6弦は鳴らさないように弾くか、ネックを握り込む形で押さえると親指の腹で6弦をミュートできる
Fm7(♭5)の第三転回形
最低音はE♭だが、ルート音をFとするFm7(♭5)の転回形コード
E♭はルート音のFから見て短7度の音なので第三転回形となる
第三転回形① (3弦ルート)
■3弦10フレットをルート音とするコード
1、2弦は人差し指の第一関節から第二関節あたりで軽く触れてミュート
第三転回形② (3弦ルート)
■3弦10フレットをルート音とするコード
9フレットの2〜4弦を人差し指でセーハ
1弦はセーハしている人差し指の第一関節あたりで軽く触れてミュート
5弦は薬指の腹で軽く触れてミュート
第三転回形③ (2弦ルート)
■2弦6フレットをルート音とするコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
第三転回形④ (1弦ルート)
■1弦13フレットをルート音とするコード
5弦は中指の先で軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
Fm7(♭5)コードの構成音
度数 | ルート音 | 短3度 | 減5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
構成音 | F ファ | A♭ ラ♭ | B シ | E♭ ミ♭ |
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
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