ギタークラフト

【4作目】トラスロッド溝加工:ギタークラフト学校日誌(186)

トラスロッド溝掘り治具が平行になっているか150mmスケールで確認

今日はトラスロッド溝の加工をします。

↓前回作業

ギターネック材に加工線を罫書き
【4作目】ネック材の加工(エコノミーサンダー、プレーナー):ギタークラフト学校日誌(185)今日はネック材の加工の続きです。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/guitar-craf...

今作はネックエンド側にアジャストを設置するので、ヘッド側にトラスロッドのエンドの溝を掘ります。
0Fから前後3mmの位置にエンドのロッド溝が掘れるようにセッティングし、縦幅6mmの溝を掘ります。
トリマーは2mm内側に掘れるので、治具の穴の縦幅は10mmになっています。
溝の深さは12mm。
ギターネック材のエンド側のトラスロッド溝掘り用の治具をセッティング

トリマーで深さ13mmの溝を掘れるようにセッティング。
ギターネック材のトラスロッド用の溝を掘る準備

ちゃんと掘れた。
ギターネック材のエンド側のトラスロッド溝の深さを測定

次はアジャスト側のロッド溝です。
アジャストの位置は、ネックエンドから7mmの位置に22mm幅の溝を掘ります。
なので、ネックエンドから25mm+2mm=27mmの位置に治具の穴の内径が来るようにセッティングします。
溝の深さは14mm。
ギターネック材のトラスロッド用の溝を掘る準備

ちゃんと掘れた。
ギターネック材のアジャスト側のトラスロッド溝

深さもOK。
ギターネック材のアジャスト側のトラスロッド溝の深さを測定

次はトラスロッド溝を掘ります。
センターラインの左右に、3mm(青の線)と5mm(赤の線)を引きました。
3mmが実線で、5mmが加工線です。
スペーサは、アジャスト側とエンド側ともに3mmのものを使います。
ギターネック材にトラスロッド溝を掘るためのスペーサーをセッティング

溝掘り治具をビスでネックに固定するために、穴を開ける必要があります。
2フレット、7フレット、13フレットあたりで固定するので、その3箇所の穴に千枚通しで目打ちします。
トラスロッド溝掘り治具の穴に千枚通しで目打ち

溝掘り治具は、センターの左右に引いた加工線(赤の線)のどちらかに寄せてセッティングします。
トラスロッド溝掘り治具の穴に千枚通しで目打ち

ハンドドリルで深さ5mmの穴を開けます。
ビットはΦ2。

開けた穴にビスを埋め込み、治具を固定します。
左右均等になっているか150mmスケールで確認。
トラスロッド溝掘り治具が平行になっているか150mmスケールで確認

次は実際に彫る時のトリマーの位置を確認します。
溝掘り治具の左右どちらかにトリマーを寄せて掘っていきます。
今回は、右側に寄せるとちょうど仕上がり線に収まるようなので、右寄せで掘ります。
トラスロッド溝時のトリマーの位置を確認

次は掘る深さのセッティングです。
ロッドは湾曲して埋め込むので、1フレットと最終フレット側と、中心になる7フレットでは掘る深さが異なります。
ロッドの溝掘り治具は1フレットと最終フレット側は高く、7フレットで最も低くなるように取り付けています。
なので、最深部となる7フレットで13mm掘れるようにセッティングすればOKです。
掘り過ぎたらネック材が使い物にならなくなる恐れがあるので、掘り過ぎに注意。
トリマーでトラスロッド溝を掘る深さをセッティング

上述したように、トリマーは溝掘り治具の左右のどちらかに寄せて掘ります。
今回は写真で見て下側に寄せた状態で、左右に往復して掘っていきます。
トリマーが寄せた反対側に動くと溝が大きくなってしまうので、終始片側に寄せて掘ります。
トラスロッド溝をトリマーで掘る準備

7フレットの位置で13mm掘れました。OK。
トラスロッド溝の掘れた深さを150mmスケールで確認

溝掘り治具を取り外す前に、溝の形に合わせて埋木に罫書きをしておきます。
この時点ではまで埋木は切らなくてもOK。長いままで罫書きします。
トラスロッドの埋木の形をシャーペンで罫書き

写真では位置がずれていますが、アジャスト溝とエンド溝の内側の位置も埋木に罫書きしておきます。
トラスロッドの埋木の形をシャーペンで罫書き

次は、溝の内側の丸みを削って角を作ります。
叩きノミとマイクロチゼルを使います。

あまりきれいじゃないけど、まあ、いいか、、、
トラスロッドのアジャスト側の溝の加工

エンド側の角丸も削るよ。
トラスロッドのエンド側の溝の加工

こっちもあんまりきれいじゃないけど、まあ、うん、、、
トラスロッドのエンド側の溝の加工

今日はここまで。
明日はトラスロッドの溝切りと埋め込みをします。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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