スラントフレットとは
スラントフレットは、斜めに配置されたフレットのこと。フレットごとに角度の異なるファンフレットとは違い、全てのフレットに同じ角度の傾斜が付けられている。
スラント(slant)は英語で、「傾斜」「斜め」を意味する。そのため、ファンフレットもスラントフレットの一種と言えなくもない。
スラントフレットのメリット
全てのフレットに同じ角度が付けられているスラントフレットは、人間工学に基づいてデザインされている。実際にギターを持ち適当なフレットでバレーしてみるとわかるが、左手の指はフレットと平行ではなく、若干内側に傾いているはず。
この指の角度に合わせて付けられたのがスラントフレットの傾斜で、バレーをした際に自然な角度で心地よく押さえることができるというわけである。
これは特に立って演奏する際にその効果が高く、演奏者の目線から見てまっすぐにフレットが並ぶことも合わせて演奏性が高まるとされている。ただし、ハイポジションに行くにつれて斜めになっていると感じやすいため、慣れが必要となる。
ファンフレットとの違い
フレットが扇状に並んでいるファンフレットの場合は、演奏性を高めるというよりも全ての弦での響きを均一にする目的で設計されている。ローポジションではスラントフレットとは逆方向の傾斜が付いており、慣れていないとバレーコードはむしろ弾きづらくなる。
Ibanezのファンフレット7弦ギター「RGMS7」
スラントフレットのギター
Rickenbacker 481
スラントフレットが誕生したのは1974年、リッケンバッカーによって製作された。
Rickenbacker 481 Autumnglo💯🔥 pic.twitter.com/uLZO7qtlGz
— Undercover Indie ® (@UndercoverIndi) November 20, 2019
Ibanez QX52
2021年、Ibanezから登場したヘッドレスギター『Qシリーズ』には、通常のモデルに加えスラントフレットのモデルがラインナップされた。
こちらがスラントフレットの『QX52』
スラントフレットで7弦の『QX527』
Ibanez公式によるQX52デモ動画