シェラック塗装(セラック塗装)とは
「シェラック塗装(セラック塗装)」は、ラックカイガラムシという虫が分泌した樹脂状の物質を使った塗装方法。高級なアコースティックギターなど、ギターではごく一部で用いられる。
塗装に用いられる「シェラック」という物質は、樹木に寄生したラックカイガラムシが樹液を吸うことで体外に分泌する樹脂状物質。樹木に棒状に現れたシェラックを粉砕し、不要な物質を取り除いたものがシードラックと呼ばれる。これをアルコールで溶かし塗りつけるのがシェラック塗装。
シェラックフレーク
シェラックは古くからヴァイオリン等の弦楽器や管楽器の塗装に使われてきた他、木製の家具に塗るニスやワックス、さらには人体に無害な物質であることから、錠剤やチョコレートなどお菓子のコーティング材にも用いられている。
シェラック塗装の特徴
サウンド面では有利だが、非常にデリケートなのがシェラック塗装の特徴。
- 最大の特徴は塗膜の薄さで、一般的なポリ塗装の10分の1程度の厚さと言われている。塗膜が厚くなればなるほど、楽器の振動を阻害することになるため、塗膜が薄いということはそれだけ鳴りの良さにつながることになる。
- 摩耗には強いが、物理的な衝撃に弱く、傷が付きやすい。スタンドに長時間置いておくと跡が付くことも。
- 水分や熱に弱く、夏場など温度や湿度が高い場所では塗装が溶け出してしまうことも。
シェラック塗装のギター例
先日訪れたイベント会場にて、Eastmanの新作(勿論レフティ)をオーダーしてまいりました。本モデルのポイントは“シェラック塗装”。リアルな風合いもさることながら、とにかくサウンドが素晴らしい。≪予価税別18万円/10月入荷予定≫ pic.twitter.com/6rrvnJocbH
— 谷口楽器-左利き用ギター&ベース専門店- (@lefty_taniguchi) May 31, 2016
ベースは今この一本だけです。シェラック塗装。ラッカーより薄いです。 pic.twitter.com/0EVUXNwCmD
— マツナミヒロキ (@matsunamihr) March 29, 2017
ワンマスターのボディをせっせと作っております。木地着色→シェラック塗装のみという薄い塗装です。手間はかかりますがあまりシンナー臭くないので嫌いな作業ではないです。左が前回も作った通称アールグレイ、右が新色ぶどう色もしくは小豆色です。 pic.twitter.com/Wb9LiMQ9Pv
— ラッキーサウンド (@LUCKYSOUND) January 22, 2016