オクターバーとは
オクターバーは、原音に対して1オクターブ下、あるいは2オクターブ下の音を重ねるエフェクター。厚みのあるサウンドを作るために用いられる。中には1オクターブ上を重ねることができるものや、和音に対応した製品もある。メーカーによって「オクターブ・ペダル」や「オクターブ・ジェネレーター」など、呼び方は様々。
オクターバーとピッチシフターの違い
オクターバーと同系統のエフェクターとして扱われるのが「ピッチシフター」。
ピッチシフターは、オクターバーと同様のオクターブ上下の音はもちろん、それ以外の音程にも自由に変化させることができるエフェクター。これだけ聞くとピッチシフターがオクターバーの上位互換のように思われるかもしれないが、機能に劣るオクターバーが存在しているのにはワケがある。
ピッチシフターは多機能な分、複雑なデジタル回路でできており、音痩せやレイテンシー(遅延)が発生しやすいといった欠点がある。オクターバーはシンプルなアナログ回路の製品が多く、音痩せやレイテンシーが起こりにくい。
また、アナログ回路のオクターバーは、ファズの原理を応用したエフェクターであることから、オクターブ音は原音に歪みを加えて作り出されている。これがデジタル回路のピッチシフターにはない独特な厚みのあるサウンドを生み出しており、そのサウンドを求めてオクターバーを使用するギタリストも多い。
定番オクターバー
Electro-Harmonix / Nano POG
プロ御用達のエフェクター「POG2」をコンパクトサイズにしたのが「Nano POG」。
原音、オクターブ下、オクターブ上、それぞれのレベル調整ノブのみというシンプルなコントロールながら、高い性能で使いやすい一台。和音にも対応している。
BOSS / OC-5 Octave
BOSSから2020年に発売された最新のオクターバー「OC-5」。
これまでのマイナス1、2オクターブに加え、+1オクターブも搭載。
「ヴィンテージ・モード(VINTAGE)」では名機と言われるOC-2のサウンドを再現、「ポリフォニック・モード(POLY)」では和音に対応している。POLYモードでRANGEノブを「LOWEST」に設定すると、和音の最低音のオクターブ・サウンドだけを出すことができる。
aguilar / OCTAMIZER(ベース用)
ニューヨークのブランド・aguliar(アギュラー)のベース用オクターバー「OCTAMISER」。
「CLEAN」と「OCTAVE」をそれぞれ独立したツマミで調整できるようになっており、幅広いサウンドメイクが可能。「Octabe Filter」のコントロールによって、様々なオクターブ・サウンドを楽しむことができる。