バレーコードとは、1本の指で複数本の弦を押さえるコードフォームを指す。本記事では、バレーコードを理解するために欠かせないセーハについてもあわせて解説する。セーハとバレーの違いも解説しているので、そちらもぜひ参考にしてほしい。
セーハ(バレー)とは
「セーハ」は、ギターやウクレレなどの弦楽器において、1本の指で複数本の弦を押さえる奏法を指す。「バレー」とも言う。厳密には、同一フレット上の複数弦を1本の指で同時に押弦する奏法。
バレーコードとは
バレーコードとは、セーハ(バレー)を用いるコードを指す。前述のセーハという押さえ方を使ったコードがバレーコードにあたる。
たとえば、ギターの「Fメジャーコード」や「Bメジャーコード」など、1本の指で複数本の弦を押さえるコードフォームを「バレーコード」と呼ぶ。ただし、「セーハコード」とは言わない(後述)。
セーハには、人差し指か薬指を使うことが多い。たとえば、ギターの「Fメジャーコード」は人差し指でセーハ、「Bメジャーコード」は薬指でセーハする押さえ方がよく使われる。また、バレーコードは、ハイコード(開放弦を使わない押さえ方)になる場合が多い。
「Cメジャーコード」や「Dメジャーコード」といったローコード(開放弦を含む押さえ方)を使うコードでも、押さえるポジションが変わったときにバレーコードとなる押さえ方も存在する。
Gメジャー・ギターコードの押さえ方・指板図・構成音
Gメジャーコードは開放弦を含むローコードで押さえることが多いが、Fメジャーコードと同じようにバレーコードで押さえることもある。
セーハとバレーの違い
セーハもバレーも、「1本の指で複数本の弦を押さえる」という点では同じ。ただし、それそれ言語が異なる。
「セーハ(ceja)」はスペイン語、「バレー(barre)」は英語。言葉としては、スペイン語の「セーハ(ceja)」は「眉(まゆ)」という意味、英語の「バレー(barre)」は「バレー練習用手すり」といった意味を持つ。
ギター用語としての意味の違いはないが、「バレーコード」と表現する一方、「セーハコード」とは言わない(「セーハする」と動詞的に使う)。「バレーする」も用例として間違いではないが、「バレーコード(名詞)をセーハする(動詞)」と使い分けることが多い。
海外では「Barre chord(バレーコード)」を解説するWikipediaはあるが、「Ceja chord」のページはない。音楽のジャンルや国によるが、英語では「Barre chord」と呼ぶのが主流のようだ。
指板図でのバレーコードの表記・読み方
ギターの指板図では、バレーコードは以下のように表記する(指板図によって表記が異なる)。以下の指板図であれば、人差し指で1フレットの1〜6弦をセーハすると読む。
「人」=「人差し指で押さえる」という意味。
※人…人差し指/中…中指/薬…薬指/小…小指
以下のように表記する場合も。人差し指の押弦指示が複数ある場合、セーハで押さえると解釈する。