ギタークラフト

【5作目】指板幅調整、ブロックポジション埋め込み:ギタークラフト学校日誌(232)

ブロックポジションを埋め終わったギター指板

今回は指板幅の調整とブロックポジションの埋め込みをやります。

↓前回作業

ギターのヘッド裏をルーターで削ったところ
【5作目】トラスロッドの埋め木の平面出し、ヘッドの平面出し:ギタークラフト学校日誌(231)前回、トラスロッドの埋め木とヘッドの耳材を接着しました。 今回はトラスロッドの埋め木の平面出し、ヘッドの平面出しをします。 ↓前...

今回使う指板はエボニー。
指板幅は43mmですが、1.5mmの指板バインディングを両側に巻くので、3mmを引いて40mmまで幅を落とします。
ギター指板の幅をスケールで測っているところ

豆平鉋で目標の指板幅の0.3〜0.5mmくらいまで落とし、最終的にエコノミーサンダーで仕上げます。
ギター指板を豆平鉋で削っているところ

平行になっているかスケールで確認しながら削っていきます。
ギター指板の側面が平行になっているかスケールで確認

41.2mmまで幅を落としました。
ギター指板の幅をノギスで測っているところ

作業写真を撮り忘れましたが、こちらはエコノミーサンダーで仕上げをした後の状態です。
幅は40.2mmです。
ギター指板の幅をノギスで測っているところ

次は指板にブロックポジションの埋め込みをします。
まずは指板にセンターラインを罫書きます。
ギター指板にセンターラインを罫書いたところ

ブロックポジション用の治具を貼り、トリマーで掘ります。
治具は少しずれている箇所もあるので、1フレットごとに治具の位置を調整して掘っていきます。
ギター指板にブロックポジション用の治具を貼り付けたところ

深さは3mmで掘ります。
ギター指板にブロックポジション用のザグリを掘ったところ

ここでひとつ問題が。
掘れた箇所の両サイドの幅を見てみると、右側が少し狭くなっているがわかります。
治具はズレていなかったので、別に問題があるということです。
ギター指板のブロックポジションのザグリ

犯人はトリマーのドリル刃の幅。
ビットが完全に中心に位置しておらず、右側が少し狭くなっています。
ということは、狭くなっている側(写真右側)が、広くなっている側(写真左側)よりも幅が広く掘れてしまうということです。
トリマーのドリル刃の位置はずらせないので、治具を位置を調整して掘るしかありません。
この場合だと、治具をほんの少し左側に寄せて掘るとちょうど左右のバランスが取れます。
トリマー

こちらはブロックポジションのザグリを掘り終えた状態です。
1、3、5フレットはザグリの中心が少し右にズレていますが、7フレット以降は治具の位置を修正して掘ったのでだいたい左右均等になっています。
ギター指板にブロックポジションのザグリを掘り終えたところ

トリマーで掘ると角が丸くなるので、仕上げノミで直角にします。
ギター指板のブロックポジションのザグリの角を仕上げノミで削っているところ

ブロックポジションがはまりました。
ギター指板にブロックポジションをはめ込んだところ

ザグリに瞬間接着剤(MQ)を塗ってブロックポジションを接着します。
ギター指板のブロックポジションを瞬間接着剤で接着しているところ

ザグリの端っこまで接着剤を塗ると、ブロックポジションを押し込んだときに横から接着剤がはみ出てしまうので、これくらいがちょうどいいかも。
ギター指板のブロックポジションを瞬間接着剤で接着しているところ

高さが指板表面よりも飛び出ている部分は鉄ヤスリで削って落とします。
ギター指板のブロックポジションの飛び出た部分を鉄ヤスリで削っているところ

指板に対して縦の傷は比較的修正しやすいですが、横傷は修正がしにくいので、念の為にマスキングテープで保護しながら削ります。
ギター指板のブロックポジションの飛び出た部分を鉄ヤスリで削っているところ

指板はポジションによって厚みが違うので、ポジションによって飛び出し具体が異なりますが、これくらい飛び出しています。
ギター指板のブロックポジションを横から見た写真

鉄ヤスリでこれくらいまで高さを落とします。
ほぼ指板トップと平行ですが、このあと指板すり合わせをするので、指で触って指板との段差がほぼ感じないくらいまで削れたらOKです。
ギター指板のブロックポジションを横から見た写真

高さの調整ができたら、次はブロックポジションと指板との間に隙間がある箇所をエポキシで埋めていきます。
指板の切れ端を鉄ヤスリで削って粉にし、エポキシに混ぜます。
ギター指板のブロックポジションと指板の間をエポキシで埋めているところ

塗り方は綺麗ではないですが、固まったらはみ出た部分を削り落とすので問題ありません。
それよりもしっかり隙間にエポキシを流し込むほうが大事なので、こんもりするくらい塗っておいたほうがいいです。
この状態で1日乾燥させます。
ギター指板のブロックポジションと指板の間をエポキシで埋め終わったところ

こちらが1日乾燥させた状態です。
見た目はほぼ変わっていませんが、しっかり固まっています。
ギター指板のブロックポジションと指板の間をエポキシで埋めて1日乾燥させた状態

仕上げノミではみ出た部分を削り落とします。
ギター指板のブロックポジションの隙間に塗ったエポキシの余分な部分を仕上げノミで削り落としているところ

綺麗に削り落とせました。
これでブロックポジションの埋め込み作業は終わりです。
ブロックポジションを埋め終わったギター指板

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
運営者情報
関連記事