ボディのバックカットを鉋を使って削っていくのですが、その前に鉋を快適に使える状態にしないといけません。今日の実習は、鉋台の表馴染みの調整と鉋身の耳取りをしました。
表馴染みというのは、鉋台(木でできている部分)に鉋身(刃物)を差し込んだ時に刃表が当たる傾斜面です。ここの傾斜がきついと鉋身が刃口から出づらい=削りにくくなるので、表馴染みをヤスリで削って少しゆるくします。反対に、表馴染みの傾斜がゆるいと簡単に刃口から刃先が出てしまい調整がしづらいので、マスキングテープなどで硬くします。
こちらは豆平鉋の鉋台です。表馴染みが少しゆるく、鉋身の刃先が出すぎてしまうため、マスキングテープを貼って調整しています。この鉋台では不要でしたが、表馴染みの両側にある押し溝(鉋身の側面が当たる部分)の傾斜が左右で違っていると刃先が傾いてしまうので、ヤスリで削って調整する場合もあります。
表馴染みの調整ができたら、鉋身の耳取りをします。耳取りというのは、切れ刃の両端にある角を落としている部分を刃口に合わせて調整する作業です。買った状態でも耳はあるのですが、そのままだと押し溝に当たってしまい、鉋クズが詰まる原因になります。なので、押し溝に当たらないように耳を削ります。
これは別の鉋(反鉋)ですが、耳取りをし終わった状態です。上記と違って、耳が押し溝に当たっていないのがわかるでしょうか。耳をグラインダーで削った後、砥石で綺麗に丸く整えたので見栄えも良くなりました。
今日はこの他に鉋台の下端(削る時に材と接地する面)の調整もしました。「三所当たり(みどころあたり)」と呼ばれる作業なのですが、これはまた明日解説します。