モデリングアンプとは
「モデリングアンプ」は、様々なアンプやギタリストのサウンドをデジタル技術で再現し収録したアンプのこと。「デジタルアンプ」や「アンプシミュレーター搭載アンプ」といった呼び方も。信号の増幅にはトランジスタを使用しており、トランジスタアンプの一種と言える。
通常のアンプは一つのアンプで一つのサウンドキャラクターしか持たないが、モデリングアンプは様々なメーカーの様々なモデルのキャラクターを再現し演奏することができる。
モデリングアンプのメリット・デメリット
メリット
- 圧倒的なコストパフォーマンスで、多彩なサウンドを楽しめる
- 軽量で持ち運びも容易
モデリングアンプは一台あれば、様々なアンプのサウンドを切り替えて楽しむことができる。何台ものアンプやエフェクターを揃える必要がないので、非常に高いコストパフォーマンスを発揮してくれる。機種によってはアップデートによって最新の機能を追加できるものも。
また、モデリングアンプはデジタル回路によって構成されていることから、チューブアンプと比べても軽量。真空管の破損のような心配がないことも含め、気軽に持ち運ぶことができる。
デメリット
- あくまでも「再現」であり、本物と完全に同じサウンドとは言い難い
デジタル技術で再現されたサウンドは、たしかに「それっぽい」音を作り出すことはできるが、本物のサウンドと完全に同じ音とまではいかないのが事実。
近年技術の進歩に伴ってその再現度も向上しているので、音質に満足できるかどうかは実際に試奏して確認してみると良い。
おすすめお手軽モデリングアンプ
Fender Mustang シリーズ
Fender社から発売されているモデリングアンプの『Mustang』シリーズ。Fenderが誇る名アンプの数々をモデリングしており、一台でいくつものフェンダーサウンドを再現することができる。
40ワット、100ワット、200ワットの3サイズが発売されている『Mustang GT』は、21種類のアンプモデルを搭載。Wi-FiやBluetoothにも対応しており、スマホアプリを使っての操作も可能となっている。
50ワットの『Champion50XL』は12種類のアンプモデルと4種類のエフェクトを搭載。
25ワットのコンパクトサイズでシンプルなインターフェースながら、20種類のアンプトーンを再現している『LT25』。手頃な価格で初心者にも最適。
YAMAHA THRシリーズ
2011年にYAMAHAから登場した『THR』シリーズは、「ステージ以外のシーンで快適な演奏環境を実現する」というコンセプトで開発されたコンパクトなモデリングアンプ。2019年には、第二世代の『THR-Ⅱ』が発売。
『THR10Ⅱ Wireless』は、Line6 G10Tトランスミッターを追加すれば、ワイヤレスでの演奏も可能。充電式のバッテリーを内蔵し、Bluetooth搭載でアプリからのリモート操作も可能で、完全ワイヤレスのストレスフリーな演奏が楽しめる。
『VCM技術(Virtual Circuitry Modeling)』によって、真空管アンプのサウンドをリアルに再現。15種類のギターアンプモデル、3種類のベースアンプモデル、3種類のアコースティックギターサウンド、フラットボイシングが選択可能となっている。
VOX Aio
VOXから2017年に発売された小型のモデリングアンプ『Adio』。コンパクトサイズながら25W×2の50Wの出力を持つ。
VOX独自のモデリング技術VET(Virtual Element Technology)によって、部品や回路図レベルの緻密なモデリングがなされており、最大23種類のアンプを再現、19種類のeffectorが搭載されている。
Positive Grid Spark
スマホやタブレット、PCで真空管アンプのサウンドを再現することにこだわったモデリングアプリ・ソフト『BIAS』シリーズで近年注目を集めたPositive Gridが、2020年に発売したのが小型モデリングアンプ『Spark』。
SparkはBIASエンジンで構築された30種類のモデルアンプを内蔵し、トーンライブラリーから10,000以上のギター/ベーストーンを自由にダウンロードでき、その数はさらに増え続けている。アプリとの連携により、楽曲のコード表示やジャムセッションなど様々な機能を備えた、現代的なデジタルアンプ。