レビュー

Martin Neck Rest(ネックレスト)の使い勝手をレビュー

ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にナイロン弦ギターのネックを置いた状態

本記事は一部PRを含みます

ギターメンテナンス用にMartinが出しているNeck Rest(ネックレスト) 18A0076を購入しました。実際に使用する際の写真とともに使い勝手をレビューします。

Martin Neck Restの仕様(素材、形状)

外観はこんな感じ。Martin Neck Restは、外装にマイクロファイバー、中材にポリエステルペレットを使用したネックレストです。
※ペレット:粒状の合成樹脂(プラスチック)
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」

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▶ Martin Neck Rest 18A0076

上部は猫耳のような形になっていて、ギターのネックを窪みの中に置いて使います。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」

底面が少し広がっていて、台形のような形をしています。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の底面

横から見ると少し膨らんだ形にしているのがわかります。ネックを置くと重みで中材のポリエステルペレットが外側に押し広げられるため、少し膨らんだ形になります。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」を横側

Martin Neck Restのサイズ・重さ

ポリエステルペレットによって形が変わるので、サイズはギターを置いたときで変わりますが、参考までに全体のサイズを測りました。

耳の部分を含めた高さは約16cm。
物差しでギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の高さを測っているところ

ネックを置く部分の高さは約14cm。
物差しでギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の高さを測っているところ

横幅は約16.5cm。
物差しでギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の横幅を測っているところ

奥行きは12.5cm。
物差しでギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の奥行きを測っているところ

重さは1299g(1.29kg)、だいたい1.3kgですね。
スケールでギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」の重さを測っているところ

Martin Neck Restの使い勝手(アコースティックギター)

Martin製のギターは所有していないので、代わりにMorrisを置いてみます。ネックの重みで中材のポリエステルペレットが外側に押し広げられ、でっぷりとした形になることで安定感が増します。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にアコースティックギターのネックを置いた状態

外装がマイクロファイバークロスなので、ネックグリップを傷つけず優しく支えてくれます。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にアコースティックギターのネックを置いた状態

この角度から見ると横幅が結構あるのがわかります。詰められたペレットが安定感を高めることで、メンテナンス中にギターが横に倒れにくい構造になっています。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にアコースティックギターのネックを置いた状態

指板側を下にして置くこともできます。マイクロファイバークロスなので弦や指板に負担がかかりにくいです。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にアコースティックギターのネックを置いた状態

Martin Neck Restの使い勝手(ナイロン弦ギター)

こちらはTaylor製のナイロン弦ギター。ボディは大きめ、指板幅は広め(ナット幅が47mm)です。ネックレストの高さがあるので、ペグは回しやすいです。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にナイロン弦ギターのネックを置いた状態

ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にナイロン弦ギターのネックを置いた状態

ネックレスとのトップは指板幅に合わせて変わるので、ホールド感が高いです。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にナイロン弦ギターのネックを置いた状態

指板側を下にして置いた状態。スロテッドヘッドのペグはこの向きのほうが回しやすいですね。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にナイロン弦ギターのネックを置いた状態

Herculesのネックレスト「HA206」と比べてみましょう。「HA206」は横幅が広くないため、横方向に倒れることがあるのがデメリットです。その点、Martin Neck Restは横幅が広めで柔軟性があるので、横方向に倒れにくく安心できます。
ギターネックレスト「HERCULES HA206」にナイロン弦ギターを置いた状態

Herculesのネックレスト「HA206」は点でネックグリップを支えるため、上から力が加わったときに少し心配です。Martin Neck Restはポリエステルペレットが横に広がって面で支える形になり、上からの力が分散されるという点でも安心できます。
ギターネックレスト「HERCULES HA206」にナイロン弦ギターを置いた状態

Martin Neck Restの使い勝手(エレキギター)

Vシェイプのネックのストラトキャスターを置いてみました。ポリエステルペレットがネックの形に合わせてくれるので、しっかりフィットします。所有していないですが、strandbergの台形型のEndur Neck(エンデュアー・ネック)でもフィットしそうです。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にVシェイプネックのストラトキャスターを置いた状態

ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にVシェイプネックのストラトキャスターを置いた状態 ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にVシェイプネックのストラトキャスターを置いた状態

レスポールを置くとこんな感じ。レスポールのような角度付きヘッドの場合、ネックレストに高さがほしいので、Martin Neck Restはちょうどいいですね。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にレスポールのネックを置いた状態

ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にレスポールのネックを置いた状態 ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にレスポールのネックを置いた状態 ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にレスポールのネックを置いた状態

Martin Neck Restの使い勝手(エレキベース)

4弦ベースを置くとこんな感じです。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にエレキベースのネックを置いた状態

ネックが長いぶん、ネックレストの上面が斜めになりますが、それもポリエステルペレットがネックの形と傾斜に合わせてくれるのでしっかりフィットします。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にエレキベースのネックを置いた状態

指板面を下にして置くと、めり込んでいる感(フィット感)がよくわかりますね。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」にエレキベースのネックを置いた状態

メンテナンス時の使用感

指板のクリーニングをするために、ナイロンギターの弦を外した状態でMartin Neck Restに置いてみました。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」に弦を外したナイロン弦ギターのネックを置いた状態

安定感は高いのですが、耳がある部分は手があたるので指板を磨きにくいですね。少しズラせばいいのですが、一気に指板全体を磨きたいときは少し不便かもしれません。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」に弦を外したナイロン弦ギターのネックを置いてクロスで指板を拭いているところ

そういうときは耳の部分にネックを置くといいかもです。耳の部分もポリエステルペレットが入っていて柔軟に形が変わるので、ネックを置くとほぼ平らな形になってくれます。安定性も悪くないです。極端に左右に力を加えなければ倒れないと思います。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」に弦を外したナイロン弦ギターのネックを置いた状態

もちろん手前の耳でも同じように使えます。
ギター用ネックレスト「Martin Neck Rest」に弦を外したナイロン弦ギターのネックを置いた状態

Martin Neck Restのメリット・デメリット

Martin Neck Restを使ってみて感じたメリットは以下の4つ。

  • 素材が優しいのでネックを傷つけない
  • 中材のポリエステルペレットが柔軟に形を変えて面でしっかり支えてくれる
  • Vシェイプや台形などのネックシェイプでもフィットする
  • 横幅があるので左右に倒れにくい

素材が優しくてネックを傷つけない点、ポリエステルペレットが横に広がるのでネックをしっかり支えてくれる点がすごくいいですね。

横幅があるので安定性が高い点も他のネックレストの欠点をカバーしています。Herculesのネックレスト「HA206」などはコンパクトで便利な反面、横方向の力に弱いのでギターごと倒れてしまうという難点がありますが、Martin Neck Restはその心配がないので安心して使えます。

Vシェイプや台形などのネックシェイプでも、どんな形のネックにもフィットするのも他のネックレストやネックピローにはない良さです。あと、木製のネックレストだと、うっかりギターをぶつけるとギターに傷がつく恐れがありますが、Martin Neck Restはぶつけてもその心配がないのがいいですね。

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その反面、Martin Neck Restには以下の3つのデメリットがあると感じました。

  • 外装のマイクロファイバーにホコリや粉が付きやすい
  • 耳の部分が邪魔になることがある
    (耳の部分にネックを置くことで解決はできる)
  • ネックレストにしては大きめなので持ち運びには少し不便

外装のマイクロファイバーはホコリや毛くず、粉などが付きやすく、汚れが目立ちやすいです。汚れは取ればいいですし、機能には影響はないので、そこまでのデメリットではないかもしれないですが、外装が黒いので結構ホコリが目立ちます。

耳の部分が邪魔になる問題については、耳の部分にネックを置くことで解決はできるので、使い方次第かなと思います。耳の部分にネックを置いてメンテナンスをしていると、ネックが横方向にズルっと滑ってネックレストから落ちてしまう恐れがあるので、その点は注意が必要です。

Martin Neck Restはの幅は約16.5cm、高さは約16cm、奥行きは約12.5cmあるので、持ち運びがしやすいとは言い難いです。あと、置き場所も取ります。その2点は製品の機能上、仕方ないので、ある程度大きさがあるものだとして購入するか決めるといいかもしれません。

ABOUT ME
監修・執筆:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中(2023年〜現在)
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛器
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
J.W.BLACK Guitars JWB JP-T THINLINE
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder
ギタークラフトアカデミー第4作目:
Focus Point
ギタークラフトアカデミー第5作目:
Uroboros LP

■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
運営者情報

■運営会社
株式会社ケタケタ
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