ネック痩せとは
ネック痩せは、乾燥によってネック材や指板材が収縮してしまい、フレットの端が指板から飛び出してしまう状態のこと。ひどい状態になると演奏時に引っかかり、指を怪我する場合もある。「フレットバリ」などと呼ばれることも。
ネック痩せの原因
基本的にギターやベースに使われる木材はシーズニングという工程によって水分を抜き、含水率が調節された状態になってから使用される。しかし、いかに長期間をかけてシーズニングが行われた木材であっても、完璧に湿度の影響を受けなくさせることは不可能で、多くのギタリストは湿度を管理して楽器を守る必要がある。特に日本の気候は、湿度の変化も大きい。
冬場になると空気は乾燥しやすく、木材も同様に乾燥が進み、水分を失ったネックや指板は縮んでしまう。その一方で金属製であるフレットは湿度で形状が変化することはないため、縮んだネックからフレットが飛び出してしまうという現象が起きる。これがネック痩せ。
指板とネックの木材が異なる場合、収縮率も異なることから、ネックと指板材に段差が付いてしまったり、指板が剥がれてしまうといったトラブルになる場合もある。
( 'ω')茨城県からのご依頼です。遠いところからわざわざ。有り難い限りです。フレットの摩耗で弦高を上げないとビビりツマリで弾けないということです。他チェックすると乾燥する冬にありがちなネック痩せでフレットの端が飛び出ていて痛いです。PUのゴムチューブが劣化して高さ調整が出来ませんね。 pic.twitter.com/06m4UUit9i
— ギターリペア工房 CROWD SURF (@crowd_surf) April 1, 2020
ネック痩せってやつかな。
フレットの角がz少し出っ張って来て、左手をスライドすると手のひらが傷だらけになるようになってしまった娘のギター。
所詮は中国製SYairiの安物かw pic.twitter.com/g4B8Wkqlle— AiPAPA (@bass44randy) March 7, 2017
今年の冬はかなり乾燥してたのか、ガットギター を3月くらいに開けたら「ネック痩せ」してました😢長い事ギター弾いてるけど「ネック痩せ」は初めて。フレットの端が飛び出して指を傷つけちゃうんだよね。リペア行きと思いつつ、タイミングを逃す。。今日開けてみたら湿気でちょっと戻ってた(笑) pic.twitter.com/Ztdc7XkB74
— 保刈久明 (@garihoga) May 21, 2021
ネック痩せの対処、予防
ネック痩せは乾燥が原因なので、それを解消することで対処、予防ができる。つまりは加湿器などを用いて湿度を管理するか、あるいは湿度の上がる夏場になれば自然と元に戻っていくと考えられる。
演奏に支障があり夏場まで待てない、すぐになんとかしたいという場合には、フレットの端を削って、痩せたネックに合わせていくことになる。やすりやサンドペーパーで削っていく作業になるが、指板を削ってしまうような危険もあるため、リペアショップなどに依頼するのが無難。
フレットを削った場合など、夏場になって湿度が高まると、今度は逆にネックが太って指板の方がフレットの端よりも外に出る場合もある。この状態からは修正のしようがないのと、演奏には支障が出ないため特に気になるようでなければ放置しても問題ない。
参考:エレクトリック・ギター・メカニズム