ラミネートネックとは
ラミネートネック(laminate-neck)は、複数の木材を重ねて貼り合わせたネックのこと。主に強度を高めるのが目的で、反りや捻じれ、衝撃に強くなる。貼り合わせた枚数によって「3プライ(ply=層)」「5プライ」「7プライ」「11プライ」などと呼ばれる。
メイプルをベースにウォルナット、ブビンガ、パドゥク、ウェンジといった強度の高い木材を組み合わせることが多い。
ラミネートネックのメリット
- 強度を高め、反りや捻じれに強くなる
- コストダウン
- 独特なルックス
強度を高め、反りや捻じれに強くなる
ラミネートネックの主なメリットが強度の向上。同一の木材を貼り合わせる場合と、異なる種類の木材を貼り合わせる場合とがある。前者は、木材には反りやすい方向があることから、逆方向に貼り合わせることで反りに強くするもの。後者は、強度が低い木材に強度の強い木材を挟んで補強するもの。
特に弦のテンションが強くネックに強い負担のかかりやすい多弦ベースではラミネートネックが採用されていることが多い。
Ibanezの6弦ベース。こちらは5枚の木材を貼り合わせた5プライ・ネック。
コストダウン
複数の木材を貼り合わせるので、1ピースネックのように1枚の木材で1本分の幅がなくてもネックを作ることができる。木材が余るのを減らすことができるので、メーカーのコストダウンに繋がる。直接プレイヤーのメリットではないが、メーカーのコストダウンが価格にも還元されると考えることもできる。
独特なルックス
これは好みの問題なのでメリットにもデメリットにもなり得るが、白っぽいメイプルと色の濃い木材とのラミネートネックはインパクトのあるルックスになるため、好きな人にはたまらないだろう。
ラミネートネックのデメリット
サステインが低下しやすい
複数の木材を接着して貼り合わせているということを考えると、ワンピースのネックと比べると振動の邪魔になりサステインが低下しやすいと考えられる。
ラミネートネックのギター
Jacksonのプロシリーズ、ディンキータイプ。メイプルにウェンジを挟んだ3プライネック。
Ibanezのヘッドレス・ギターQシリーズ。7弦のモデルではローステッド・メイプルとブビンガの5プライネックとなっている。
IbanezのRG・プレミアムシリーズ。メイプルとウォルナットを組み合わせた7プライのラミネートネック。
同じくIbanezのプレミアムシリーズ。こちらはメイプルにウォルナットとパープルハートを組み合わせた11プライのラミネートネック。
Gibsonのレスポールでもかつてラミネートネックが採用されていた時期がある。1970年代はマホガニー3ピースや、メイプル3ピースの時代もあったが、その後マホガニー1ピースに戻っている。
うっすらとラインが入っていることがわかる。
ボリュート付き、3ピースの、あ!これはマホガニーネック! pic.twitter.com/i6Z79Om7SK
— YANAGI SHINYA // ワルツギターズ (@waltzyanagi) July 18, 2016