バスウッドとは
バスウッド(basswood)は、ギターやベースのボディ材として用いられることの多い木材。安価なギターからハイエンドギターまで幅広く使われている。
主に北アメリカ東部が原産地となっている木材で、日本ではバスウッドの端材が割り箸やアイスの棒として利用されることも多い。
バスウッドの特徴
木材の特徴
バスウッドは安価で入手がしやすく、木材としては非常に軽くて狂いが少ないことや、柔らかくて加工が容易であることなどから、低価格帯のギターやベースに広く用いられている。
薄い色味に杢目もほとんどないため、フィギュアド・メイプルトップのバック材としてや塗りつぶしの塗装をされることが多い。
バスウッドボディのFender製ジャズマスター。裏面を見るとほとんど杢目がないのがわかる。
安価なギターに使われていることから「安物」のイメージを持つかもしれないが、安いからといって音が悪いというわけではなく、以前は高級材として使われ、現在でもハイエンドを扱うブランドや各メーカーの高級モデルに使用されることも少なくない。
例えば代表的なハイエンドギター・ブランドの「Suhr」でも、バスウッドを用いたモデルは多く見られる。代表であるジョン・サー自身もキルト/フレイム・メイプルトップにバスウッドバックの組み合わせを「Holy Grail of Tone(音の聖杯)」と評している。
樹木特性
樹高:20〜37m
直径:1〜1.2m
平均感想重量:425kg/㎡
比重(全乾/含水率12%):0.32/0.42
ジャンカ硬度:1,824N
破断係数:60.0MPa
弾性率:10.07GPa
粉砕強度:32.6Mpa
収縮率:直径方向(R):6.6%、接続方法(T):9.3%、体積:15.8%、T/R比:1.4
木理:通直木理。繊細な質感で、材はとても柔らかい。
導管:散孔材。年齢は不明瞭。
引用:エレクトリック・ギター・メカニズム-New Edition-(リットーミュージック・ムック)
サウンドの特徴
バスウッドは数ある木材の中でも特に軽量であり、サウンドの特性も軽量のボディ材らしい傾向がある。
- 中音域が強く出る
- タイトな低音は期待できない
- サスティーンが短い
サウンドは、アルダーほどではないものの中音域が強く温かみのある音が特徴。一方で、非常に軽量であることから、低音域の締まりは悪く、ボヤケたサウンドになりやすい。
また、軽量であることからボディの振動が大きくなりやすく、弦振動を奪ってしまうためサスティーンが短くなってしまう傾向にある。