オートワウとは
オートワウは、足で効果量を操作するワウペダルとは違い、足元の操作を必要とせず、自動的に効果量を変化させるワウ・エフェクター。ペダル操作では難しい細かくリズミカルなワウを得ることができる。
「オートワウ」という呼び方以外に、「エンベロープ・フィルター」と呼ばれることも多い。「エンベロープ」は「時間的音量変化」を意味しており、音量の変化に応じてフィルターがかかり、強調する周波数が変化するエフェクターであることを表している。つまり、ピッキングの強弱によってワウのかかり具合も変化させることができる。このことから、「タッチワウ」とも呼ばれている。
また、演奏による信号の入力に関わらず、設定したBPMにより一定の周期でワウがかかるタイプもある。こちらは「エンベロープフィルター」や「タッチワウ」とは異なるため、呼び方としては「オートワウ」とだけ呼ばれる。
オートワウとワウペダルの違い
オートワウと足で操作するワウ・ペダルとでは、どのような違いがあるのか。
オートワウはワウペダルのように足で操作をする必要がないため、ステージ上でのパフォーマンスもしやすく、手軽(足軽?)に使うことができる。また、ペダル操作ではできないような細かい音の変化も、オートワウなら簡単に表現することができる。
ワウペダルはサイズも重量も大きくなりがちなので、オートワウであればコンパクトに収められる点もメリットと言えるかもしれない。
オートワウを接続する順番
オートワウは、接続する順番によってその効果も変わってくる。
ポイントとなるのは歪み系の前か後のどちらに接続するかで、歪みの前に接続した場合にはナチュラルなワウの効果、歪みのあとに接続した場合にはかかり方が強くなり、より強烈な印象のサウンドを作りだすことができる。
- 歪みの前 → 効果弱め
- 歪みの後 → 効果強め
定番オートワウ
BOSS / AW-3 Dynamic Wah
多彩なモードが魅力的なBOSSのオートワウ。演奏の強弱に合わせたタッチワウの機能はもちろん、設定したテンポで周期的に変化するモードなど5つのモードを搭載。中でもヒトの声のようなワウ効果が得られる「ヒューマナイザー」モードは個性的なサウンドを演出するにはもってこい。
また、AW-3は外部ペダルを接続することで、ワウペダルとして使用することもできる。
ELECTRO-HARMONIX / Micro Q-Tron
エレクトロハーモニクスから発売されているエンベロープ・フィルター。1970年代にミュージトロニクス社から発売されていた伝説とも言われるペダル『MU-TRON』を再現した『Q-Tron』のコンパクトサイズ版がこの『Micro Q-Tron』。シンプルな操作とわかりやすい効果で、初心者から上級者まで、またギタリストにもベーシストにも幅広く愛用されている。
LP(ローパスフィルター)、BP(バンドパスフィルター)、HP(ハイパスフィルター)の3つのモードを搭載。それぞれ原音を残す帯域が低音域、中音域、高音域となるため、ベースならLPモード、ギターならBPかHPモードで使うのが適している。
2021年、さらにコンパクト化された『Nano Q-Tron』が登場。よりペダルボードに組み込みやすくなった。
ELECTRO-HARMONIX / Bassballs(Nano)
ベース用の定番エンベロープ・フィルター『Bassballs』をコンパクトサイズにした『Nano Bassballs』。ディストーション・スイッチがあり、歪みを加えることでその効果をさらに強調することができる。ベースだけでなく、ギター用としても使うことが可能。