ギタークラフト

【5弦ベース】トラスロッド溝掘り&埋め木作り:ギタークラフト学校日誌(274)

ベースギターのトラスロッドの埋め木を接着

前回はメイプルネック材の粗加工をしました。
今回はトラスロッドの埋め込みをします。

↓前回作業

5弦ベースのネック材の指板接着面をエコノミーサンダーで平面出し
【5弦ベース】メイプルネック材の粗加工:ギタークラフト学校日誌(273)5弦ベースの製図ができたので、木工加工に入ります。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/gu...

↓今回はベースのロッド溝なので、ギターのロッド溝の場合はこちらの記事で解説。

トラスロッド溝掘り治具が平行になっているか150mmスケールで確認
【4作目】トラスロッド溝加工:ギタークラフト学校日誌(186)今日はトラスロッド溝の加工をします。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/guitar-cr...

センターラインを罫書きし、トラスロッドのエンド部用の治具をセッティング。
0フレットを中心に前後3mmの幅でザグリます。
トリマーは2mm内側に掘れるので、治具は0フレットから前後5mmの幅があります。
ベースのメイプルネック材

アジャスト側の治具のセッティング。
今回は指板をツバ出しにしてホイールナットを設置するので、アジャスト溝はそれを考慮した位置に掘ります。
ベースのメイプルネック材

ロッド溝の罫書きをします。
センターラインから左右3mmの位置がロッド溝の実線です。
ロッド溝の実線から2mm外側に加工線を罫書きしています。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の罫書き

ロッド溝の左右に高さ3mmのスペーサーを貼ります。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の準備

ギターの場合は7フレットが最深の13mmになるように掘りますが、ベースは8フレットが最深13mmになるように掘ります。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の準備

ビス止めする位置に千枚通しで目打ちをします。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の準備

ハンドドリルでビス穴開け。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の準備

ビスの締め具合で治具の傾きが変わるので、スケールを当てて左右で均等な隙間になっているか確認します。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の準備

写真を取り忘れましたが、トリマーをロッド溝の治具の左右どちらかに寄せてみて、実線(仕上げ線)に収まるか確認します。
左右どちらに寄せるか決めたら、そちら側にトリマーを寄せて溝を掘ります。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝をトリマーで掘っているところ

8フレットで深さ13mmになっているかチェック。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝の深さをノギスで測っているところ

ロッド溝掘り治具を外す前に埋め木を置き、ロッド溝の形状に沿って罫書きをしておきます。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝に埋め木を当てているところ

トリマーでエンド溝を掘ると角が丸くなっているので、ノミやマイクロチゼルで角を作ります。
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝にロッドを設置

ロッド溝の形に合わせてロッドを曲げます。
ベースはスケールが長いのでロッドが溝の形になかなか合わない、、、
ベースのメイプルネック材にトラスロッド溝を曲げているところ

次はロッドの長さを調整します。
ロッドナットから5mm残して切断します。

ボルトクリッパーを使ってマスキングで印をした位置で切断。
ベース用のロッドとボルトクリッパー

グライダーでロッドの先端を整えます。
ベースギター用のトラスロッドの先端をグラインダーで削っているところ

ダイスを使ってネジ山を作ります。
ロッド溝のネジ山を作るためのダイス

kure5-56をダイスとネジ山の間に吹き付けてダイスを回します。
ロッド溝のネジ山を作るためのダイス

ダイスは一周くらい回したら、半周くらい反対回しをします。
削れた鉄くずがネジ山に挟まってしまうので反対に回して取り除きます。
回していて硬さを感じたらkure5-56を吹き付けて滑らかにします。
ロッド溝のネジ山を作るためのダイス

ピンボケしていますがネジ山ができました。
トラスロッドのネジ山

ネック材のエンドにホイールナットを差し込むための穴を開けておきます。
ネックの厚みの中心ではなく、指板トップ面から7mmに位置を中心にします。

ネック材を縦にセッティングしてボール盤で穴を開けます。
ベース用のメイプルネック材のエンド部にホイールナット用の穴を開けているところ

トラスロッドの埋め木を罫描きした曲線に沿ってバンドソーで粗加工します。
ベースギターのトラスロッドの埋め木をバンドソーで粗加工

エコノミーサンダーで形を整えます。
ベースギターのトラスロッドの埋め木をエコノミーサンダーで削っているところ

埋め木の厚さを豆平鉋で削ってロッド溝に合うように調整します。
ベースギターのトラスロッドの埋め木を豆平鉋で削っているところ

細かい調整はスクレイパーを使います。
ベースギターのトラスロッドの埋め木をスクレイパーで削っているところ

ノギスで厚みを確認。
ベースギターのトラスロッドの埋め木

だいたい合いましたが、エンド側を少し削りすぎたので新聞紙を挟んで隙間を埋めます。
ベースギターのトラスロッドの埋め木

少し工程の説明を端折りますが、埋め木の接着です。
これで一日置きます。
ベースギターのトラスロッドの埋め木を接着

こちらが一日置いた状態。
しっかり接着できているので、埋め木の余分な部分を削っていきます。
ベースギターのトラスロッドの埋め木

叩きノミ(小)でざっくり削ります。
叩きノミ(大)だと刃の角が指板面に当たって傷つく可能性があるので、(小)のほうを使います。
ベースギターのトラスロッドの埋め木の余分な部分を削っているところ

叩きノミで削っていると指板面より下まで削れてしまった箇所があったので、切れ込みを何箇所か追加します。
ベースギターのトラスロッドの埋め木の余分な部分を削っているところ

切れ込みがあると下まで削れにくくなるので安心。
ベースギターのトラスロッドの埋め木の余分な部分を削っているところ

荒削りできたら豆平鉋で平らにします。
ベースギターのトラスロッドの埋め木の余分な部分を豆平鉋で削っているところ

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中(2023年〜現在)
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder
ギタークラフトアカデミー第4作目:
Focus Point
ギタークラフトアカデミー第5作目:
Uroboros LP

■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
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