ギタークラフト

【5作目】セットネックの中子の作成(ネック、ボディ):ギタークラフト学校日誌(236)

ギターボディに中子のザグリを掘り終えたところ

今日はセットネックのジョイント方式のひとつである中子(なかご)の形を作ります。

↓前回作業

【5作目】ボディ材加工〜配線穴、コントロールザグリ粗加工、ボディラミネート:ギタークラフト学校日誌(235)今回はボディ材の加工をします。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/guitar-craft...

前日にボディのラミネートをし、メイプルトップとマホガニーバックがくっつきました。
メイプルトップとマホガニーバックでラミネートしたギターボディ

セットネックはこんな感じでジョイントします。
ギターボディとネック材を重ねているところ

今回の中子のジョイントの幅は40mmで設計しています。
なのでセンターからそれぞれ20mmの位置が実線で、そこから2mm取って加工線を罫書きました。
ギターネックのジョイント部分に加工線を罫書き

加工線に沿ってバンドソーで切断。
ギターネックのジョイント部分をバンドソーで粗加工

ここからは手で加工していきます。
実線を超えたくないので、デザインナイフで実線に沿って切れ込みを入れます。
切れ込みのラインまで削っていきます。
ギターネックの中子の実線にデザインナイフで切れ込みを入れているところ

ではノミで実線近くまで削っていきます。
叩きノミ(大)か仕上げノミを使います。
平面を出す必要があるので、平面の面積が大きい叩きノミ(大)のほうが真っ直ぐに削りやすいですね。
ギターネックの中子をノミで削っているところ

スコヤで直角になっているか確認。
狭い場所を測るにはミニスコヤが便利。
ギターネックの中子が直角になっているかスコヤで確認

600mスケールで平面になっているかも確認。
ギターネックの中子が平面になっているかスケールで確認

スケールを斜めにもあてて、対角線上でも平面になっているか確認します。
ギターネックの中子が平面になっているかスケールで確認

ノミでおおかた平面が出たら、#150のサンドペーパーを軽くあてて表面を整えます。
ギターネックの中子をサンドペーパーで生地調整しているところ

40mmジャストくらいまで調整できました。
真ん中あたりが0.05mmくらい幅が狭くなっちゃいましたが、許容範囲内ということで、、、
ギターネックの中子の幅をノギスで測っているところ

次はボディ側の中子を作ります。
ここではネックの中子の形に合わせてボディに罫書きをする必要がします。
なので、まずはネックにセンター確認治具を貼り、センターをきっちり合わせます。
センターが合ったら、ネックの中子の形に沿ってボディに罫書きをします。
ギターネックをギターボディに合わせて中子の形を罫書き

黒い線がネックの中子に形に合わせて罫書いた実線です。
赤い線は実線から2mm内側に引いた肉抜き用の加工線です。
ギターボディに中子の形を罫書き

ルーターで掘っていく前に、ボール盤で肉抜きをします。
加工線の内側に罫書きをします。
ギターボディの中子の肉抜きの罫書き

ボディの中子の深さは44mm。
肉抜きで使う木工用ビットは先端が尖っているので、それを考慮して深さを設定します。
写真では42mmにセッティングしていますが、たしか40mmにして肉抜きしました。
ギターボディの中子をボール盤で肉抜きするためのセッティング

肉抜きなのでざっくりでOK。
ギターボディの中子をボール盤で肉抜き

ここからはルーターで掘っていきます。
実線から2mm外側の位置に加工線を罫書きします。
この加工線はかなりシビアに調整する必要があります。
実線の中心からきっちり2mm取って加工線を引きます。
ギターボディに中子の加工線の罫書き

ルーター加工用の三角治具を貼ります。
ここでもシビアなセッティングが必要です。
狭く掘れるぶんにはいいのですが(狭すぎると後で苦労しますが)、広く掘ってしまうとネックの中子がブカブカになってしまいます。
なので、加工線が治具で隠れるくらいの位置に治具を貼ります。
ギターボディの中子の加工用の治具を貼ったところ

ここからルーターで掘っていくのですが、一気に掘っていくのではなく、まずは薄く削って掘れた位置が問題ないか確認します。
0.5mmくらいの深さで試し彫り。
ギターボディの中子をルーターで試し彫りしたところ

ネックをセットして、幅が問題ないか確認します。
まだ幅が狭めなのできっちりはハマりませんが、センターを合わせて見ると、だいたい合っているか確認できます。
ギターボディの中子にネックをセットして幅を確認

0.5mmの試し掘りでは問題なさそうだったので掘り進めます。
念のためにもう一度確認したいので、2mmの深さで試し掘り。
ギターボディの中子をルーターで試し彫りしたところ

再びネックを置いて確認したところ、赤線のあたりがほんの少しだけ隙間が空いているのが見えました。
なので、治具の位置を0.1〜0.2mmくらい内側に動かして貼り直しました。
実際に掘ってみるとこういうズレが生じるので、都度確認するのは大事ですね。
ギターボディの中子にネックをセットして幅を確認

これで大丈夫だと思いますが、5mmの深さまで掘ったところでもう一度確認しました。
2mmのところに段差ができていますが、ネックの中子との幅は合っていそうなので、これで掘り進めます。
ギターボディの中子をルーターで試し彫りしたところ

中子を掘り終えました。
設定の深さは44mmでしたが、実際に掘れたのは44.5mmでした。
0.5mm深く掘ってしまいましたが、ネック側で調整できるので、一旦これでOKです。
ギターボディに中子のザグリを掘り終えたところ

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
運営者情報
関連記事