ギタークラフト

【4作目】2スタッドのシンクロナイズドトレモロのアンカー穴:ギタークラフト学校日誌(209)

ギターボディに2スタッドシンクロナイズドトレモロをセッティング

今日は2スタッドのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジのアンカー穴を開けます。

↓前回作業

#240のサンドペーパーでギターボディのRを生地調整
【4作目】生地調整(#150、#240、#320):ギタークラフト学校日誌(208)今日は生地調整です。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/guitar-craft/diar...

生地調整が出来たので、次は塗装に入るのですが、その前に2スタッドのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジのアンカー穴を開けておく必要があります。
6点支持のシンクロトレモロのビス穴は塗装後に開けますが、2スタッドは塗装前に開けます。

注意したいのは、2スタッドのアンカー穴の位置はものすごくシビアという点です。
スタッド穴の位置がずれるとトレモロブロックの貫通ザグリが見えてしまったり、ブリッジの裏側のナットがトレモロブロックに当たってしまったりするので、細かく測定して位置を決めます。
トレモロブロックの貫通ザグリを広げたり、位置をズラしたりもできないので、開けた貫通ザグリの位置に合わせてセッティングしなければなりません。

下記のように貫通ザグリが見えてしまう位置はもちろんダメです。
仮に、スケールエンドからブリッジの位置をしっかり割り出したとしても、トレモロブロックの貫通ザグリが見える位置はNG
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロを仮で設置

下記の位置なら貫通ザグリが見えていないのでOKです。
ただし、これでも貫通ザグリがギリギリ見えない位置なので、かなりシビアに微調整しなければなりません。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロを仮で設置

というのも、トップ側だけでなく、貫通ザグリ内のブリッジの動きも想定して位置を決める必要があるからです。
下記は仮で置いた時の写真なので位置は微妙ですが、トレモロブロックがスプリングキャビティ側に干渉しない位置である必要があります。
スプリングキャビティからトレモロブロックの距離は1mmほどあればよいとのことなので、下記の写真だと、もう少しボディエンド側に寄せたほうがいいですね。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロを貫通ザグリの裏から見たところ

ということで、アンカー穴の位置を決めましょう。
アンカー穴の位置決めですが、ブリッジ本体やアンカーの現物で合わせます
罫書きの段階ではスケールエンドからブリッジの位置を割り出しましたが、実際に2スタッドトレモロを設置する際は多少位置がズレます。
ただ、多少スケールエンドの位置とズレてもサドルで調整できるので、数mmのズレであれば問題ありません。

まずは現物のアンカーのクビレ部分の直径を測ってみます。
Φ4.8mmですね。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロブリッジのアンカーの直径をノギスで計測

このアンカーのクビレが、ブリッジ本体のスタッドに接触する部分です。
実際のアンカーの向きは上下逆ですが、こんな感じでスタッドにアンカーをはめ込んだ状態でブリッジを固定&アーミングで上下することになります。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロを仮置き

学校で配られた寸法図ではブリッジプレート前面からアンカー穴の中心は3mmとなっていますが、現物のアンカーのクビレはΦ4.8mmなので、その半分の2.4mmで位置決めをしたいと思います。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴の位置をノギスで計測

アンカー穴の位置が決まったので、目打ちをします。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴の位置の目打ち

ボール盤でアンカー穴を開けます。
アンカーの直径がΦ10なので、Φ9.8のビットを使います。
アンカーの長さが22.5mmなのですが、アンカーが少し埋まるくらいの穴にするので、深さは23mmに設定します。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴をボール盤で開けているところ

Φ9.8、深さ23mmのアンカー穴が開きました。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴の深さをノギスで測定

ピックアップザグリの中になんかおるけど、まあ気にせず。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴

アンカーを打ち込みます。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴にアンカーを打ち込んでいるところ

ストップテイルピースのアンカーと同じで、トップ面からわずかに沈み込む位置まで打ち込みます。
アンカーの長さ22.5mmに対して、アンカー穴は23mmの深さで掘っているので、底まで打ち込めばOKです。
コンコンという打音がカンカンに変わったら底まで打ち込めた合図です。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴にアンカーを打ち込んでいるところ

スタッドをセッティング。
謎のキャラクターたちも喜んでいる。
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロのアンカー穴にスタッドをセッティング

ブリッジもセッティング。
位置は問題なさそう。
ギターボディに2スタッドシンクロナイズドトレモロをセッティング

貫通ザグリの裏側から見ると、、、ナットがギリギリ干渉して、、、いない!
セーフ、、、
ギターの2スタッドシンクロナイズドトレモロの貫通ザグリ内の様子

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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