A♯m7(B♭m7)コードとは
- 読み方:
A♯m7 → エー・シャープ・マイナー・セブンス (セブン)
B♭m7 → ビー・フラット・マイナー・セブンス (セブン) - A♯m7は、短三和音のA♯マイナーに短7度(マイナー7th)の音を加えた四和音のコード
- ルート音のA♯(ラ♯)から見て短7度はG♯(ソ♯)
※短7度:ルート音から数えて半音10個分の距離にある音 - A♯とB♭は異名同音(※)なので、A♯m7とB♭m7は同じコード
本記事ではA♯m7と表記する - A♯m7の構成音はA♯(ラ♯)・C♯(ド♯)・F(ファ)・G♯(ソ♯)
=ルート音・短3度・完全5度・短7度 (R・m3・P5・m7)
※異名同音=音名は異なるが実際の音が同じ音
コード名 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | – |
---|---|---|---|---|
A♯マイナー (B♭マイナー) | A♯ (B♭) | C♯ | F | – |
コード名 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | 短7度 |
A♯m7 (B♭m7) | A♯ (B♭) | C♯ | F | G♯ |
コードネームの表記
A♯m7のほか、A♯min7、A♯mi7、A♯-7といった表記が使われる
「m」「min」「min」「-」は「minor」を省略した記号
いずれも「マイナー」と読む
省略記号として「- (マイナス)」がよく使われる
A♯マイナーセブンスの表記の種類 |
---|
A♯m7 |
A♯min7 |
A♯mi7 |
A♯-7 |
A♯m7とA♯7の違い
- A♯m7とA♯7は、3度の音が短3度(マイナー3rd)か長3度(メジャー3rd)かが異なる
- 7度の音はA♯m7もA♯7も同じ短7度(マイナー7th)だが、3度の音がマイナーかメジャーかで音の響きが変わる
- A♯m7:
A♯マイナートライアド=A♯・C♯・Fに短7度のG♯を足したコード - A♯7:
A♯メジャートライアド=A♯・D・Fに短7度のG♯を足したコード
コード名 | ルート音 | 長3度 | 完全5度 | 長7度 |
---|---|---|---|---|
A♯m7 | A♯ | C♯ | F | G♯ |
コード名 | ルート音 | 長3度 | 完全5度 | 短7度 |
A♯7 | A♯ | D | F | G♯ |
A♯7コードは以下の記事で詳しく解説
A♯m7(B♭m7)コードの指板図一覧
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A♯m7コードの指板図一覧(転回形)
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
※転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
第一転回形
第二転回形
第三転回形
A♯m7(B♭m7)のコードトーン表(指板上の構成音の配置)
※コードトーン:三和音、四和音のコードの構成音
ハイコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
6弦ルート①
■6弦6フレットをルート音とするハイコード
6フレットの1〜6弦を人指し指でセーハ
(セーハ…1本の指で複数弦を同時に押さえる)
6弦ルート②
上記の押さえ方に2弦9フレットのG♯の音(短7度)を足したバージョン
6弦ルート③
■6弦6フレットをルート音とするハイコード(省略形)
6弦ルート①の押さえ方を省略した形
ジャズなどでよく使われる押さえ方
2、3、4弦を人差し指でセーハ
1弦は人差し指の第二関節あたりで、5弦は中指の腹あたりでミュート
6弦を親指で押さえる方法もある
5弦は親指の腹か、人差し指の先で触れてミュートする
6弦ルート④
■6弦6フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第二関節あたりでミュート
※完全5度の音(Fの音)を省略した押さえ方
5弦ルート①
■5弦1フレットをルート音とするハイコード
1フレットの1〜5弦を人差し指でセーハ
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
5弦ルート②
5弦ルート①の押さえ方を省略した形、ジャズなどでよく使われる
1、2、3弦を人差し指でセーハ
4弦は中指の腹でミュート、6弦は中指の先でミュート
(中指は5弦を押さえながら、4弦と6弦をミュートする)
5弦ルート③
■5弦13フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりでミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度の音(Fの音)を省略した押さえ方
5弦ルート④
■5弦13フレットをルート音とするハイコード
2、3、4弦を人差し指でセーハ
6弦は親指の腹で軽く触れてミュートするか、人差し指の先で触れてミュート
5弦ルート⑤
■5弦13フレットをルート音とするハイコード
5弦ルート④から1弦13フレットの押弦を省略した押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりでミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度の音(Fの音)を省略した押さえ方
5弦ルート⑥
■5弦13フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
6弦は小指の先で軽く触れてミュート
4弦ルート①
■4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で触れてミュート、6弦は鳴らさないように弾く
※完全5度の音(Fの音)を省略した押さえ方
4弦ルート②
■4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は人差し指の先で、6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
4弦ルート③
■4弦8フレットをルート音とするハイコード
5弦は可能であれば小指の先で軽く触れてミュート
6弦は可能であれば親指の腹でミュート
A♯m7の第一転回形
最低音はC♯だが、ルート音をA♯とするA♯m7の転回形コード
C♯はルート音のA♯から見て短3度の音なので第一転回形となる
- 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
- 基本形:ルート音が最低音となる形
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
第一転回形① (4弦ルート)
■4弦8フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第一関節と第二関節の間あたりで軽く触れてミュート
第一転回形② (3弦ルート)
■3弦3フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の第一関節あたりで軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
第一転回形③ (2弦ルート)
■2弦11フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ
5、6弦は押弦していない中指で軽く触れてミュート
A♯m7の第二転回形
最低音はFだが、ルート音をA♯とするA♯m7の転回形コード
Fはルート音のA♯から見て完全5度の音なので第二転回形となる
第二転回形① (5弦ルート)
■5弦13フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第一関節と第二関節の間あたりで軽く触れてミュート
第二転回形② (4弦ルート)
■4弦8フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の第二関節あたりでミュート
6弦は親指の腹か、中指の先で軽く触れてミュート
第二転回形③ (3弦ルート)
■3弦3フレットをルート音とするハイコード
5弦と6弦を親指の腹でミュート
A♯m7の第三転回形
最低音はG♯だが、ルート音をA♯とするA♯m7の転回形コード
G♯はルート音のA♯から見て短7度の音なので第三転回形となる
第三転回形① (2弦ルート)
■3弦3フレットをルート音とするハイコード
3、4弦を人差し指でセーハ
1、2弦は人差し指の第一関節から第二関節あたりで軽く触れてミュート
第三転回形② (2弦ルート)
■2弦11フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
第三転回形③ (1弦ルート)
■1弦6フレットをルート音とするハイコード
5、6弦は押弦していない中指で軽く触れてミュート
A♯m7(B♭m7)コードの構成音
度数 | ルート音 | 短3度 | 完全5度 | 短7度 |
---|---|---|---|---|
構成音 | A♯ ラ♯ | C♯ ド♯ | F ファ | G♯ ソ♯ |
A♯m7(B♭m7)のピアノコード
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
画像(指板図やスケール表)は当サイトへリンクを張ってもらえれば転載OKです。