F7(♯9)コードの押さえ方をギターの指板図で21通り紹介しています。Fをルート音とした基本形に加え、ルート音以外が最低音になる転回形の指板図も掲載しています。F7(♯9)の構成音の解説と、F7(♯9)とのコードトーン表(指板上の音の配置)の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。
F7(♯9)コードとは
- F7(♯9)(Fセブンス・シャープナインス)は、ドミナントセブンス(セブンスコード)のF7に増9度の音を加えたテンションコード
- ルート音のFから数えて♯9th(増9度)はG♯
※G♯はFから数えるとm3(短3度)と同音だが、テンションノートの♯9th(増9度)として扱う - F7(♯9)の構成音は5音ありギターでは押さえにくいポジションが多いため、コードの響きへの影響が少ない完全5度の音(Fから数えてC)が省略されることが多い
※長3度(Fから数えてA)を省略するとF7(♯9)の特徴が損なわれるので注意 - 構成音は「ルート・長3度・完全5度・短7度・増9度 (R・M3・P5・m7・♯9)」
コード名 | ルート音 | 長3度 | 完全5度 | 短7度 | – |
---|---|---|---|---|---|
F7 | F | A | C | E♭ | – |
コード名 | ルート音 | 長3度 | 完全5度 | 短7度 | 増9度 |
F7(♯9) | F | A | C | E♭ | G♯ |
F7(♯9)のテンションノートの♯9を半音下げて押さえるとF7(9)になる。
F7(9)の指板図や押さえ方は以下の記事で詳しく解説。
F7(♯9)コードの特徴
- ♯9th(増9度)は、ナチュラルテンションの9th(長9度)に♯が付いたオルタードテンション(※1)
- F7(♯9)は、♯9th(増9度)のG♯とM3(長3度)のAが半音でぶつかるため不安定な響きになるが、♯9th(増9度)の暗い響き、M3(長3度)の明るい響きの正反対の性格の2つの音が混じり合った不思議なトーンになる
- ♯9th(増9度)はブルーノート(※2)のm3(短3度)と同音であるため、7(♯9)はブルースなどの楽曲でよく使われる
- 7(♯9)は、ジミ・ヘンドリックスが『Purple Haze』をはじめ、多くの楽曲で使用したことから「ジミヘン・コード」とも呼ばれている
※1:オルタードテンション
9th、11th、13thのナチュラルテンションに♯や♭が付いた♭9、♯9、♯11、♭13の4つの音
※2:ブルーノート
3rd、5th、7thをそれぞれ半音下げた♭3、♭5、♭7の3つの音
コードネームの表記
コードネームの表記は「F7(♯9)」
表記の種類 | 読み方 |
---|---|
F7(♯9) | Fセブンス・シャープナインス |
F7(♯9)コードの指板図一覧
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F7(♯9)コードの転回形の指板図一覧
- 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
- 基本形:ルート音が最低音となる形
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
F7(♯9)のコードトーン表 (指板上の音の配置)
ローコードの押さえ方
- ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
- ハイコード:開放弦を含まない押さえ方
ローコード①
5弦は開放弦
1〜4弦はセーハ
6弦は親指で押弦する
ハイコードの押さえ方
6弦ルート①
■6弦1フレットをルート音とするハイコード
1〜6弦を人差し指でセーハ
6弦ルート②
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
1〜4弦を人差し指でセーハ
6弦ルート③
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート②から1弦13フレットの押弦を省略した押さえ方
2〜4弦を薬指でセーハ
1弦は薬指の第一関節あたりで軽く触れてミュート
6弦ルート④
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート③から2弦13フレットの押弦を省略した押さえ方
1、2弦は人差し指の第二関節から付け根あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
6弦ルート⑤
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第一関節から第二関節の間あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
6弦ルート⑥
■6弦13フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
5弦は中指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
5弦ルート①
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
5弦ルート②
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
1弦は小指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
5弦ルート③
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹、または中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
5弦ルート④
■5弦8フレットをルート音とするハイコード
6弦は可能であれば小指の先で軽く触れてミュート
4弦ルート①
■4弦3フレットをルート音とするハイコード
5、6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
F7(♯9)の第一転回形
最低音はAだが、ルート音をFとするF7(♯9)の転回形コード
Aはルート音のFから見て長3度の音なので第一転回形となる
- 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
- 基本形:ルート音が最低音となる形
- 第一転回形:第三音を最低音に置いた形
- 第二転回形:第五音を最低音に置いた形
- 第三転回形:第七音を最低音に置いた形
第一転回形① (4弦ルート)
■4弦3フレットをルート音とするローコード
ルート音が4弦にある押さえ方
5弦は開放弦
1弦は人差し指の腹あたりでミュート
6弦は親指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
第一転回形② (3弦ルート)
■3弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
6弦は薬指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
第一転回形③ (2弦ルート)
■2弦6フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
第一転回形④ (1弦ルート)
■1弦1フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
ローコード①から6弦1フレットの押弦を省略した押さえ方
1〜4弦を薬指でセーハ
6弦は親指で軽く触れてミュート
第一転回形⑤ (1弦ルート)
■1弦1フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ
F7(♯9)の第三転回形
最低音はE♭だが、ルート音をFとするF7(♯9)の転回形コード
E♭はルート音のFから見て短7度の音なので第三転回形となる
第三転回形① (2弦ルート)
■2弦6フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1〜3弦を人差し指でセーハ
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
第三転回形② (1弦ルート)
■1弦13フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
5弦は中指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らさないように弾く
※完全5度のCの音を省略した押さえ方
F7(♯9)コードの構成音
音程 | ルート音 | 長3度 | 完全5度 | 短7度 | 増9度 |
---|---|---|---|---|---|
構成音 | F ファ | A ラ | C ド | E♭ ミ♭ | G♯ ソ♯ |
度数表記の読み方 | |||
---|---|---|---|
R P1 | ルート音 完全1度 | – | – |
M2 | 長2度 | m2 | 短2度 |
M3 | 長3度 | m3 | 短3度 |
P4 | 完全4度 | – | – |
♯4 | 増4度 | – | – |
P5 | 完全5度 | – | – |
♯5 | 増5度 | ♭5 | 減5度 |
M6 | 長6度 | m6 | 短6度 |
M7 | 長7度 | m7 | 短7度 |
– | – | ♭♭7 | 減7度 |
P8 | 完全8度 | – | – |
M9 | 長9度 | – | – |
♯9 | 増9度 | ♭9 | 短9度 |
P11 | 完全11度 | – | – |
♯11 | 増11度 | – | – |
M13 | 長13度 | ♭13 | 短13度 |
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