7(♯9)

F♯7(♯9)=G♭7(♯9)コードの押さえ方21通り、指板図(基本形・転回形)、構成音の解説

ギタコン運営者:稲垣健太
執筆者:稲垣 健太 Kenta Inagaki
(ケンタトニック)
ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)2023年入学 ギター歴25年 ドラム歴10年
中学2年の時にギターをはじめ、学生時代は軽音楽部でバンド活動に没頭し、卒業後はCDショップで働きながら多様な音楽に触れる。現在はWebディレクションの仕事をしながら、ESPギタークラフトアカデミーに通いギター製作の専門知識・技術を学んでいる。

F7(♯9)コードとは

  • F♯7(♯9)(F♯セブンス・シャープナインス)は、ドミナントセブンス(セブンスコード)のF♯7増9度の音を加えたテンションコード
  • ルート音のFから数えて♯9th(増9度)はA
    AFから数えるとm3(短3度)と同音だが、テンションノートの♯9th(増9度)として扱う
  • F♯7(♯9)の構成音は5音ありギターでは押さえにくいポジションが多いため、コードの響きへの影響が少ない完全5度の音(F♯から数えてC♯)が省略されることが多い
    ※長3度(F♯から数えてA♯)を省略するとF♯7(♯9)の特徴が損なわれるので注意
  • FGは異名同音なので、F♯7(♯9)とG♭7(♯9)は同じコード
    本記事ではF♯7(♯9)と表記する
  • 構成音は「ルート・長3度・完全5度・短7度・増9度 (R・M3・P5・m7・♯9)」
コード名ルート音長3度完全5度短7度
F7FACE
コード名ルート音長3度完全5度短7度増9度
F7(♯9)FACEA

F7(♯9)コードの特徴

  • ♯9th(増9度)は、ナチュラルテンションの9th(長9度)に♯が付いたオルタードテンション(※1)
  • F♯7(♯9)は、♯9th(増9度)のAとM3(長3度)のAが半音でぶつかるため不安定な響きになるが、♯9th(増9度)の暗い響き、M3(長3度)の明るい響きの正反対の性格の2つの音が混じり合った不思議なトーンになる
  • ♯9th(増9度)はブルーノート(※2)のm3(短3度)と同音であるため、7(♯9)はブルースなどの楽曲でよく使われる
  • 7(♯9)は、ジミ・ヘンドリックスが『Purple Haze』をはじめ、多くの楽曲で使用したことから「ジミヘン・コード」とも呼ばれている

※1:オルタードテンション
9th、11th、13thのナチュラルテンションに♯や♭が付いた♭9、♯9、♯11、♭13の4つの音

※2:ブルーノート
3rd、5th、7thをそれぞれ半音下げた♭3、♭5、♭7の3つの音

コードネームの表記

コードネームの表記は「F♯7(♯9)」

表記の種類読み方
F7(♯9)Fシャープ・セブンス・シャープナインス

F7(♯9)コードの指板図一覧

ギターコード表の見方

  • ギターのF♯7(♯9)のローコードの指板図
  • ギターのF♯7(♯9)のローコードの指板図
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(4弦4フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦13フレットをルート音とするハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦13フレットをルート音とするハイコード)

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

全国のギター教室を地域別に紹介しています。レッスン料金の安さ・特徴が一目でわかる比較表や、最寄りの教室が探しやすい地図などから、自分に合ったギター教室を探せます。

F7(♯9)コードの転回形の指板図一覧

  • 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
  • 基本形:ルート音が最低音となる形
  • 第一転回形第三音を最低音に置いた形
  • 第二転回形第五音を最低音に置いた形
  • 第三転回形第七音を最低音に置いた形
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(4弦4フレットをルート音とする転回形のコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(2弦7フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(2弦7フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(3弦11フレットをルート音とする転回形のハイコード)
  • ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦13フレットをルート音とする転回形のハイコード)

F7(♯9)の指板上の音の配置

F♯7(♯9)(Fセブンス・シャープナインス)のコードトーン表

▶ ◯7(♯9)の構成音
指板上の音の配置一覧

ローコードの押さえ方

  • ローコード(オープンコード):開放弦を含む押さえ方
  • ハイコード:開放弦を含まない押さえ方

ローコード①

1、5弦は開放弦

ギターのF♯7(♯9)のローコードの指板図

ローコード②

5弦は開放弦
1、2弦は薬指の腹、もしくは押弦していない小指で軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)のローコードの指板図

ハイコードの押さえ方

6弦ルート①

6弦2フレットをルート音とするハイコード
1〜6弦を人差し指でセーハ

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート②

6弦2フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート③

6弦2フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート②から1弦2フレットの押弦を省略した押さえ方
2〜4弦を人差し指で軽く触れてミュート
1弦は人差し指の第一関節あたりで軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート④

6弦2フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート③から2弦2フレットの押弦を省略した押さえ方
1、2弦は人差し指の第二関節から付け根あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦2フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート⑤

6弦13フレットをルート音とするハイコード
ローコード①の1オクターブ上(12音上)の押さえ方
1、2弦は人差し指の第一関節から第二関節の間あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦13フレットをルート音とするハイコード)

6弦ルート⑥

6弦13フレットをルート音とするハイコード
1は人差し指の腹で軽く触れてミュート
5弦は中指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(6弦13フレットをルート音とするハイコード)

5弦ルート①

5弦9フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)

5弦ルート②

5弦9フレットをルート音とするハイコード
1弦は小指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)

5弦ルート③

5弦9フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹、または中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)

5弦ルート④

5弦9フレットをルート音とするハイコード
6弦は可能であれば小指の先で軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(5弦9フレットをルート音とするハイコード)

4弦ルート①

4弦4フレットをルート音とするハイコード
5、6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(4弦4フレットをルート音とするハイコード)

F7(♯9)の第一転回形

最低音はA♯だが、ルート音をF♯とするF♯7(♯9)の転回形コード
A♯はルート音のF♯から見て長3度の音なので第一転回形となる

  • 転回形:ルート音以外が最低音となるコードの押さえ方
  • 基本形:ルート音が最低音となる形
  • 第一転回形第三音を最低音に置いた形
  • 第二転回形第五音を最低音に置いた形
  • 第三転回形第七音を最低音に置いた形

第一転回形① (4弦ルート)

4弦4フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方
1弦は人差し指の第二関節あたりでミュート
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(4弦4フレットをルート音とする転回形のコード)

第一転回形② (3弦ルート)

3弦11フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
6弦は薬指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(3弦11フレットをルート音とする転回形のハイコード)

第一転回形③ (2弦ルート)

2弦7フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(2弦7フレットをルート音とする転回形のハイコード)

第一転回形④ (1弦ルート)

1弦2フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)

C♯の音は2弦2フレットで押弦しているので5弦4フレットは省略可
その場合は5弦を人差し指の先で軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)

第一転回形⑤ (1弦ルート)

1弦2フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
6弦ルート②から6弦2フレットの押弦を省略した押さえ方
1〜4弦を薬指でセーハ
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦2フレットをルート音とする転回形のハイコード)

F7(♯9)の第三転回形

最低音はEだが、ルート音をF♯とするF♯7(♯9)の転回形コード
Eはルート音のF♯から見て短7度の音なので第三転回形となる

第三転回形① (2弦ルート)

2弦7フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1〜3弦を人差し指でセーハ
6弦は中指の先で軽く触れてミュート

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(2弦7フレットをルート音とする転回形のハイコード)

第三転回形② (1弦ルート)

1弦13フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
5弦は中指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らさないように弾く
※完全5度のC♯の音を省略した押さえ方

ギターのF♯7(♯9)コードの指板図(1弦13フレットをルート音とする転回形のハイコード)

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

F7(♯9)コードの構成音

音程ルート音長3度完全5度短7度増9度
構成音F
ファ
A
C
E
A
♯7(♯9)コードの構成音を鍵盤で表記
度数表記の読み方
R
P1
ルート音
完全1度
M2長2度m2短2度
M3長3度m3短3度
P4完全4度
♯4増4度
P5完全5度
♯5増5度♭5減5度
M6長6度m6短6度
M7長7度m7短7度
♭♭7減7度
P8完全8度
M9長9度
♯9増9度♭9短9度
P11完全11度
♯11増11度
M13長13度♭13短13度

▶ ギターコード一覧

ギターコード表の見方

画像(指板図やスケール表)は当サイトへリンクを張ってもらえれば転載OKです。

ABOUT ME
執筆者:稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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