D7(♯9)コードの押さえ方20通り、指板図（基本形・転回形）、構成音の解説

D7(♯9)コードの押さえ方をギターの指板図で20通り紹介しています。Dをルート音とした基本形に加え、ルート音以外が最低音になる転回形の指板図も掲載しています。D7(♯9)の構成音の解説と、D7(♯9)のコードトーン表（指板上の音の配置）の掲載もしていますので、ぜひコード学習の参考にしてください。

執筆者：稲垣 健太 Kenta Inagaki
（ケンタトニック） ESPギタークラフトアカデミー大阪校（GCA）2023年入学 ギター歴25年 ドラム歴10年

中学2年の時にギターをはじめ、学生時代は軽音楽部でバンド活動に没頭し、卒業後はCDショップで働きながら多様な音楽に触れる。現在はWebディレクションの仕事をしながら、ESPギタークラフトアカデミーに通いギター製作の専門知識・技術を学んでいる。

D7(♯9)コードとは

• D7(♯9)(Dセブンス・シャープナインス)は、ドミナントセブンス（セブンスコード）のD7に増9度の音を加えたテンションコード
• ルート音のDから数えて♯9th(増9度)はF
  ※FはDから数えるとm3(短3度)と同音だが、テンションノートの♯9th(増9度)として扱う
• D7(♯9)の構成音は5音ありギターでは押さえにくいポジションが多いため、コードの響きへの影響が少ない完全5度の音(Dから数えてA)が省略されることが多い
  ※長3度(Dから数えてF♯)を省略するとD7(♯9)の特徴が損なわれるので注意
• 構成音は「ルート・長3度・完全5度・短7度・増9度 (R・M3・P5・m7・♯9)」

D7(♯9)のテンションノートの♯9を半音下げて押さえるとD7(9)になる。
D7(9)の指板図や押さえ方は以下の記事で詳しく解説。

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D7(♯9)コードの特徴

• ♯9th(増9度)は、ナチュラルテンションの9th(長9度)に♯が付いたオルタードテンション(※1)
• D7(♯9)は、♯9th(増9度)のFとM3(長3度)のF♯が半音でぶつかるため不安定な響きになるが、♯9th(増9度)の暗い響き、M3(長3度)の明るい響きの正反対の性格の2つの音が混じり合った不思議なトーンになる
• ♯9th(増9度)はブルーノート(※2)のm3(短3度)と同音であるため、7(♯9)はブルースなどの楽曲でよく使われる
• 7(♯9)は、ジミ・ヘンドリックスが『Purple Haze』をはじめ、多くの楽曲で使用したことから「ジミヘン・コード」とも呼ばれている

コードネームの表記

コードネームの表記は「D7(♯9)」

D7(♯9)コードの指板図一覧

▶ギターコード表の見方

▶ ギターコード一覧

▶ギターコード表の見方

D7(♯9)コードの転回形の指板図一覧

D7(♯9)のコードトーン表 (指板上の音の配置)

▶ ◯7(♯9)の構成音
指板上の音の配置一覧

ハイコードの押さえ方

• ローコード(オープンコード)：開放弦を含む押さえ方
• ハイコード：開放弦を含まない押さえ方

6弦ルート①

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
1〜6弦を人差し指でセーハ

6弦ルート②

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ

6弦ルート③

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート②から1弦10フレットの押弦を省略した押さえ方
2〜4弦を薬指でセーハ
1弦は薬指の第一関節あたりで軽く触れてミュート

6弦ルート④

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
6弦ルート③から2弦10フレットの押弦を省略した押さえ方
1、2弦は人差し指の第二関節から付け根あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

6弦ルート⑤

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
1、2弦は人差し指の第一関節から第二関節の間あたりで軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

6弦ルート⑥

■6弦10フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
5弦は中指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

5弦ルート①

■5弦5フレットをルート音とするハイコード
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

5弦ルート②

■5弦5フレットをルート音とするハイコード
1弦は小指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

5弦ルート③

■5弦5フレットをルート音とするハイコード
4弦は中指の腹あたりで軽く触れてミュート
6弦は親指の腹、または中指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

5弦ルート④

■5弦5フレットをルート音とするハイコード
6弦は可能であれば小指の先で軽く触れてミュート

4弦ルート①

■4弦12フレットをルート音とするハイコード
5、6弦は親指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

D7(♯9)の第一転回形

最低音はF♯だが、ルート音をDとするD7(♯9)の転回形コード
F♯はルート音のDから見て長3度の音なので第一転回形となる

第一転回形① (4弦ルート)

■4弦12フレットをルート音とするハイコード
ルート音が4弦にある押さえ方
1弦は人差し指の第二関節あたりでミュート
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

第一転回形② (3弦ルート)

■3弦7フレットをルート音とするハイコード
ルート音が3弦にある押さえ方
1弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
6弦は薬指の先で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

第一転回形③ (2弦ルート)

■2弦3フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1弦は人差し指の付け根あたりで軽く触れてミュート
5弦は人差し指の腹で軽く触れてミュート
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

第一転回形④ (1弦ルート)

■1弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
6弦ルート②から6弦10フレットの押弦を省略した押さえ方
1〜4弦を薬指でセーハ
6弦は人差し指の先で軽く触れてミュート

第一転回形⑤ (1弦ルート)

■1弦10フレットをルート音とするハイコード
1〜4弦を人差し指でセーハ

Aの音は2弦10フレットで押弦しているので5弦12フレットは省略可
その場合は5弦を人差し指の先で軽く触れてミュート

D7(♯9)の第三転回形

最低音はCだが、ルート音をDとするD7(♯9)の転回形コード
Cはルート音のDから見て短7度の音なので第三転回形となる

第三転回形① (2弦ルート)

■2弦3フレットをルート音とするハイコード
ルート音が2弦にある押さえ方
1〜3弦を人差し指でセーハ
6弦は中指の先で軽く触れてミュート

第三転回形② (1弦ルート)

■1弦10フレットをルート音とするハイコード
ルート音が1弦にある押さえ方
5弦は中指の先で軽く触れてミュート
6弦は鳴らさないように弾く
※完全5度のAの音を省略した押さえ方

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D7(♯9)コードの構成音

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