前回はボディのアーチトップの粗加工をしました。
今回はネックをボディの中子の形に合うように整形します。
↓前回作業
まずはネックジョイントの角丸を作ります。
ネックジョイントの形を罫書きし、バンドソーで粗加工します。
底面はまだ切らず、ネックエンド(矢印の部分)のみ切り落とします。
ネックエンドが角張っているので、ボディの中子のエンド部分の角丸に合わせます。
ネックエンドの角丸は先生にエコノミーサンダーで削ってもらいました。
次はネックジョイントの幅をボディの中子の幅に合わせます。
ネックエンドはボディの中子より少し広めに作ってあるので、今の時点ではすっぽり入りません。
なので、センター確認治具を貼ってボディの中子に合わせてみて、ネックジョイント側の削る部分を確認します。
ヒール周りはまだ余分に長さを残しているので、この時点ではまだボディの中子との間には隙間があります。
次はネックジョイントの底面を仕上げます。
バンドソーで粗加工した後、ノミで仕上げ線の手前まで削っていきます。
ネックジョイントの底面があるていど仕上がったら、弦高を確認します。
チューン・O・マチックのブリッジ高は18mm。
まだ指板を貼っていないので指板厚6mm + 弦高3mm = 9mm足りない状態です。
なので、現状でチューン・O・マチックのブリッジ高18mm - 9mm(指板厚6mm+弦高3mm) = 9mmになっていればOKです。
写真の状態では13mmくらいなので、まだ高いですね。
ブリッジ弦高の他に、バインディング溝(外セルの溝)から指板トップまでの距離も測ってみます。
現状で7mmくらいあります。
外セルの高さが6mmなので、あと1mm弱は落としておきたいところ。
なので、ネックジョイントの底面をもう少し削ります。
ネックジョイントの底面を削って少しネックの高さが下がりました。
ある程度までブリッジ高と外セルと指板トップまでの距離が合ったら、ボディのアーチトップの削り残した部分の粗加工をします。
ネックをはめてみるとジョイント周りがかなり出っ張っているのがわかります。
赤枠の部分をエコノミーサンダーで削るのですが、難しい角度なので今回は先生にやってもらいます。
エコノミーサンダーで削り終わった状態。
これもまだ粗加工なので仕上げ線まではいってません。
ネックを合わせてみるとちょっと段差が残っているのがわかります。
とりあえずはこの状態で他の加工を進めます。
ブリッジ高はこんな感じ。
まだ9mmまで下げていないですが、これもこの状態で次の加工に進むとします。
次はジョイント周りの余分な部分を落としていきます。
赤枠の部分を削るのですが、左右で削り残した幅が異なります。
左右それぞれ、ジョイント部分とボディとの距離を測り、どちらに合わせて削るべきか確認します。
罫書きをし直したら、仕上げ線にデザインナイフで切れ込みを入れます。
切れ込みを最終ラインとして、ノミ(今回は叩きノミ大を使用)で余分な部分を削り取ります。
削る範囲が広く残っている場合は、ノミで削る前にノコギリで切ってもOK。
これも仕上げ線にデザインナイフで切れ込みを入れてからノミで削ります。
写真ではわかりにくいですが、ジョイント周りが全体的に少し隙間があります。
一箇所だけ接触していて他の箇所が浮いていれば、接触している箇所を削ればよいのですが、全体に浮いている場合は目に見えない箇所(内側)が当たっている可能性があります。
なので、そういうときは内側(下側)だけ削ります。
平行に削っているようでも外側は削れやすく、内側(下側)は削れにくいので。
ジョイント周りを削っていくと、ボディの中子との距離(赤枠の部分)が狭まっていきます。
まだ少し余裕がありますが、削りすぎると中子のエンドにネックが当たってしまい、ジョイント周りを削っても隙間が埋まらなくなります。
なので、ボディの中子との距離も見ながらジョイント周りを削っていきます。
ほんの少しジョイント周りの角に隙間がありますが、先生には合格点をもらったので、これでOKとします。
次は先程エコノミーサンダーで削ったボディ上面あたりを加工します。
指板の側面に沿って指板のラインを罫書きします。
赤枠の部分が罫書きをした部分です。
この罫書きの内側は指板が乗る箇所、つまり平面を維持しなければならない箇所です。
下記写真の赤枠の部分を反鉋で削ります。
上側の赤枠はピックアップ周りに少し角が残っているので、少し削って角を取ります。
下側の赤枠は段差になっている部分をなくすのと、スイッチ穴周りにある角を取ってしまいます。