ギタークラフト

【5作目】P-90のピックアップザグリ:ギタークラフト学校日誌(237)

ギターボディにピックアップザグリを掘り終えたところ

前回はボディ側の中子のザグリを掘りました。
今回はピックアップザグリを掘ります。

↓前回作業

ギターボディに中子のザグリを掘り終えたところ
【5作目】セットネックの中子の作成(ネック、ボディ):ギタークラフト学校日誌(236)今日はセットネックのジョイント方式のひとつである中子(なかご)の形を作ります。 ↓前回作業 https://guitar-c...

今回使うのはP-90タイプのピックアップ。
フロントピックアップは指板エンドぴったりでザグります。
指板エンドのラインを横に引き、それをピックアップの上面ぴったり合わせて罫書きをします。
ギターボディにP-90のフロントピックアップの位置を罫書き

P-90ピックアップを置いてみるとこんな感じ。
実際にピックアップを設置する際は、ピックアップ周りに1mmほど隙間が空きますが、ザグリは指板エンドから隙間なく掘ります。
ギターボディにP-90のフロントピックアップを置いて位置決め

実線から2mm外側に加工線を罫書き。
ギターボディにP-90のフロントピックアップのザグリの加工線の罫書き

ルーターでザグる前に肉抜きをします。
今回はアーチトップなので、フロントピックアップとリアピックアップのザグリの深さが異なります。
今回はフロントピックアップが深さ24mm、リアピックアップの深さが17mmです。

P-90の厚み(ポールピースの高さ、今回は21mm)+スポンジの厚み(今回は8mmで計算)から、それぞれ弦高3mmとボディトップ面の距離(今回はフロントピックアップは5mm、リアピックアップは12mm)を引いた数値がザグリの深さになります。
ギターボディにP-90のフロントピックアップのザグリの肉抜きの罫書き

P-90はポールピースがピックアップの真ん中にあり、かつピックアップカバーから飛び出ているので、ポールピースの上面でピックアップの高さを測ります。
P-90ピックアップのポールピースの高さをノギスで測定

これをふまえ、フロントピックアップのザグリの深さを計算すると以下になります。

・P-90ピックアップの高さ→21mm(ポールピースの高さ)
+ピックアップの下に敷くスポンジの厚み→8mm
-弦高3mmからボディトップ面の距離→5mm(ここがポールピースの上面の位置)
--------------------
21mm + 8mm - 5mm = 24mm(ザグリの深さ)

ギターの側面図

リアピックアップのザグリの深さを計算すると以下になります。

・P-90ピックアップの高さ→21mm(ポールピースの高さ)
+ピックアップの下に敷くスポンジの厚み→8mm
-弦高3mmからボディトップ面の距離→12mm(ここがポールピースの上面の位置)
--------------------
21mm + 8mm - 12mm = 17mm(ザグリの深さ)

アーチトップ&ネック角があるため、リアピックアップはフロントよりもザグリから飛び出る範囲が多いです。
なのでザグリはフロントより浅めです。
ギターの側面図

というわけで、フロントとリアで深さを変えて肉抜きをしました。
ギターボディにP-90のフロントピックアップのザグリの肉抜き

ルーターで掘る前に、P-90のRを確認したところ、6Rでした。
Φ12のビットで掘るのでRはぴったりです。
R確認治具でP-90ピックアップのRを確認

治具をセッティング。
ピックアップザグリを掘るための治具を設置

0.5mmくらいの深さで試し掘り。
罫書き通りに掘れているのでこのまま掘り進めます。
ピックアップザグリの試し掘り

リアピックアップのザグリの治具の位置も問題なかったので、掘り進めました。
ギターボディにピックアップザグリを掘り終えたところ

フロントピックアップのザグリの位置も問題なさそうです。
ギターボディに指板を置いて確認

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
運営者情報
関連記事