ギタークラフト

3作目の指板マスキング剥がし、フレットすり合わせ:ギタークラフト学校日誌(179)

塗装が終わったので、指板保護用のマスキングを剥がします。

マスキングの上に塗装が乗っていて、このままでは剥がせないので、スクレイパーで塗装を削ってから剥がします。

ボディ側には新聞紙を貼って保護します。
スクレイパーで指板の端に乗っている塗装を削ってから剥がしていきます。
塗装の剥がしが甘かったり、無理やり剥がそうとすると、指板サイドの塗装が「剥離」してしまうので注意。

こちらが剥離した状態でございます、、、
後で先生にリカバリーしてもらいます、、、

こんな感じで順にマスキングを剥がしていきます。

フレットサイドに乗っている塗装は後で剥がしていくので、マスキングだけ剥がします。

マスキングが剥がれたら、指板の端に残っている塗装を削っていきます。
細かく削るのではなく、フレット間を一息で削ったほうが綺麗に削れます。

フレットの角に残った塗装は切るように落とします。

フレットサイドに残った塗装は、デザインナイフで切って落とします。
フレットと指板の境目にデザインナイフで切り込みを入れると、塗装がポロッと取れます。

フレッドサイドの塗装は、ボディを立てたほうが切りやすいとのことです。

えー、フレットサイドの塗装を切るのが下手で剥離させてしまいました、、、
これも後で先生にリカバリーを、、、

剥離した箇所のリカバリーです。
瞬間接着剤シアノンSをデザインナイフに付けて剥離した箇所に流し込みます。

剥離した箇所の奥のほうまでは瞬間接着剤を流し込めないので、完全な修復は難しいとのことです。

ここは剥離で塗装が欠けてしまっていた箇所です。
ここも瞬間接着剤シアノンSを塗って補修。
瞬間接着剤が乾いたら#1200のサンドペーパーで軽く磨きます。
フレットすり合わせが終わったらコンパウンドを塗って表面を綺麗にします。

指板マスキング剥がしが終わったので、フレットすり合わせをします。

指板にマスキングテープを貼って保護をし、600mmスケールで反りとフレットの状態を確認します。
600mmスケールで確認するときは、以下のようにネック枕を敷くと、ネック枕が支点になってネックがたわんでしまうとのことです。

以下のようにネック枕は敷かず、手を軽く添えて600mmスケールを当てて測るほうがよいそうです。

ただ、ボディを寝かした状態だと、上記の測り方でも多少はネックがたわむので、一番いいのはボディを立てて測る方法だそうです。

ボディ正面から見て右側の8〜10フレットあたりが浮いているっぽかったので、玄能で叩いて出来るだけ埋め込みます。

反りの状態としては、ボディ正面から見て右側が少し逆反り、左側が順反りでした。
この場合、左右で反りの方向が異なるので、左右の隙間がちょうど同じくらいなるようにロッド調整をしてからすり合わせをします。

フレット全体をフラットな状態まですり合わせができたら、ハイポジを少し削って高さを落とします。
ローポジよりもハイポジが高いと音づまりするので、ハイポジはフレット高を少し低めにします。

次はフレットファイルで削って頂点を出すのですが、削る目印のために、フレットの上面をマジックで塗りつぶします。

フレットファイルは4面あり、それぞれ削れる深さが異なります。
フレットの状態に合わせて、どの面で削るかを決めます。

削る範囲は、マジックが真ん中に残るくらいが目安です。
マジックが完全に消えてしまうと削りすぎです。

フレットファイルでの削りが終わったら、フレット用のゴムパッドにサンドペーパーを巻いて傷を取っていきます。
番手は#320→#600→#800→#1000→#1200まで上げます。

1フレットに大きめの傷が残っているので、ここだけ#240のペーパーで磨きます。
1フレットはすり板でのすり合わせのときに削らないのですが、大きめの傷があるときは、すり板で1フレットの傷も取っておいたほうが
よいとのことです。
今回はゴムパッドで傷を取ります。

#1200のペーパー。フレットの根本までしっかりペーパーを当てます。

フレットすり合わせが出来たので、コンパウンドで軽く磨いてフレットに光沢を出します。

ウェスにコンパウンドを付けてフレットをピカピカに。

指板のマスキングを剥がすときは、指板サイドの塗装まで一緒に剥がしてしまわないように、指板の両サイドから内側に向かって剥がします。
多足の虫みたいで気持ち悪い、、、

指板サイドの塗装剥離を瞬間接着剤で埋めた箇所も、コンパウンドで軽く磨きます。

うっすら剥離の跡は見えますが、だいぶ馴染みました。

今日はここまで。
フレットすり合わせは明日はナット調整やチューン・オー・マチックの設置などをします。

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
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