トランストレムとは
「トランストレム(Trans-Trem)」は、Steinberger社製のギターにかつて搭載されていたトレモロ・システム。「トランスポーズ・トレモロ・システム」とも言われる。
コードを弾いた状態でアーミングしても音程を維持できる機能と、アーム操作だけでチューニングを変更できる機能が特徴的。
ギターリペアあるある
続く時は続くんです
トランストレム pic.twitter.com/1C7Rc6x7Nm— YANAGI SHINYA // ワルツギターズ (@waltzyanagi) May 27, 2019
トランストレムの特徴
アーミング時にコードの並行移動が可能
最大の特徴となるのが、アーミング時に各弦の音程変化を一定にできる機能。
通常のギターの場合、コードなど複数の音を弾いてアーミングをすると、それぞれの音程の変化量を一定に保てないため、響きがバラバラになってしまう。例えば1弦の開放弦のEと2弦の5フレットのEを同時に出してアーミングをした場合、それぞれの音程の変化量が異なり、別々の音になってしまうことがわかる。
トランストレムの場合は、弦ごとにアーミング時の音程の変化量を調整することができ、コードを弾いてアーミングをした際にキーボードのピッチベンドのように全体の音程を並行移動させることができる。例えばCのコードを弾いてアーミングで音程を下げ、BやB♭へと移動することが可能ということになる。
トランスポーズ機能
前述の和音の並行移動を活かして、チューニングをロックする『トランスポーズ機能』。
アームに付いたロックピンによって、プリセットされた位置にチューニングを固定することができる。これにより、半音下げや一音下げ、一音上げといったチューニングへとアームの操作だけで瞬時に切り替えることが可能となっている。
ただし、この機能を有効にするには、専用のダブルボール弦を使用する必要がある。通常の弦でもアダプターを装着して演奏することは可能だが、この機能は使えなくなってしまう。
こちらの動画で、トランストレムの機能が実際にどういうものかがよくわかる。
ピッチを保ったままアーミング、チューニングのトランスポーズができるスタインバーガーのトランストレム
3時間くらいかかってなんとか納得のいくセッティングが出た。。。
ワーミー使えばいいじゃんって話なんだけどこれはロマンなのです。 pic.twitter.com/BjvJax0Wk6— 松田直也(ギター屋) (@Adustam708) September 2, 2019
トランストレムが搭載されていたギター
Steinberger社のトランストレムは現在では製造されていないため、基本的に過去のモデルとなる。
定番のGLシリーズ
【#ロックイン難波】激レア品!グラファイトボディ時代の #スタインバーガー 「GL7TA Elite」の中古!創業者の直筆の証明書付き。#トランストレム ユニットにEMGピックアップ搭載。
♪デジマート⇒https://t.co/jgLv8GGqQA pic.twitter.com/UpfylD4NZe— 山野楽器 ロックイン難波 (@ROCKINN_namba) June 23, 2020
Transtrem-3を搭載していたZT-3
キタ~!!スタインバーガーZT3!!
トランストレム!トランストレム!トランスとレム!
こちらUSEDになりますが、ネックコンディション良好・電装系異常無しで即戦力としてお使い頂けます。早い者勝ちです!!岡村。https://t.co/7vjwGhakoD pic.twitter.com/1tiMIfBbUh
— クロサワ楽器名古屋店 (@kurosawa_ngyLM) September 30, 2017
エディ・ヴァン・ヘイレンは、『Summer Nights』や『Get Up』などでトランストレム搭載のSteinbergerを使用していた。