今日からいよいよボディ材の加工の実習。まだ道具の仕立てが終わっていないので、加工の実習は40分くらいでしたが、めちゃくちゃ楽しいです。罫書きという線を引く作業だけでも楽しい。1作目はボディの外周加工はしないので途中からの加工になりますが、自分の作品を手掛けるワクワク感があります。
今日は講師によるボディ材のバックカット加工の実演を見た後、実際に自分で罫書きとノコで切り込みを入れていきました。用語を解説しつつ、手順を紹介していきます。
バックカット加工
「バックカット加工」は、ギターのボディ裏面を削ってくびれをつくる加工のことです。「ウエストカット加工」とも呼びます。ボディ裏面の体が当たる側にバックカット加工を施します。ストラトキャスターなら、バックカット加工を施すのはホーンが長い方(コントロールキャビティがないほう)の面ですね。
その他、ボディ表面の肘が当たる部分を削ることを「エルボーカット加工」、ボディの外周にR(アール)=円の半径状に丸みをつけることを「R加工」と呼びます。バックカット加工、エルボーカット加工、R加工など、ボディの一部を削って演奏性を高める加工を「コンター加工」と呼びます。
バックカットの罫書き
「罫書き(けがき)」というのは、製作する物の表面に加工基準となる線や穴位置を書いていく作業のことです。「治具(じぐ)」と呼ばれる、部品や工具の作業位置を指示・誘導するための道具を使い、バックカットの罫書きをしていきます。バックカット用に形を作ってある治具があるので、それをボディ材に当ててペンで罫書きをします。
バックカットの罫書きをする前に、ボディの中心に「センターライン」を引いておきます。ボディを縦にして見た時に、材の中心となる線をセンターラインと呼びます。
次に、バックカット用の実線と加工線を引いていきます。「実線(じっせん)」は実際の仕上がりになる実寸の線、「加工線(かこうせん)」は実線の内側に引く加工用の線です。加工線まで鉋やノミで削っていき、最終的に実線に合わせて仕上げていきます。
こちらはバックカット用の治具を使って実線と加工線を引いた状態です。黒い線が実線、赤い線が加工線です。加工線は実線の内側2mmの位置に引いています。
次は、切り込み用の罫書きをしていきます。後ほど写真で紹介しますが、ノコギリで縦に切り込みを入れていくための罫書きです。切り込みを入れておくのは、ノミで削りやすくするためです。
切り込み用の加工線はセンターラインに対して直角になるように20mm間隔で引いていきます。
側面も実線、加工線、切り込み用の線を罫書きしていきます。
ノコで切り込み
罫書きが終わったら、ノコで切り込みをしていきます。実習では、廻し挽きノコ(引き回しノコ)という小型のノコギリを使います。作業台にボディを固定して作業をするのですが、ボディを傷つけないように当て木を挟んでいます(下記写真右上)。
バックカットの加工線はボディ側面の半分くらいまで引いてあるので、そこのラインまで切り込みをしていきます。加工線まで切り込みを入れていくわけですが、実線まで切り込まないように注意しながら作業します。
注意点としては、切り口が真っ直ぐになるように切り込みを入れていくこと。切り口が楕円になっているとノミで削る労力が増えるので、真っ直ぐに。切り込みができたら切り口にスケールを当てて真っ直ぐ切れているか確認します。
今日の作業はここまで。明日もバックカット加工の続きと道具の仕立てをする予定です。
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