ギター用の壁美人ギター・ヒーローとは?
「壁美人」は、若林製作所が販売しているホッチキスで設置できる壁掛け収納です。ギター用の壁美人は「壁美人 GUITAR HERO(ギター・ヒーロー)」という品名で販売しています。
ホッチキスの針で壁に固定するタイプのギターハンガーで、壁に跡が残りにくいのが特徴です。賃貸の部屋の壁を傷つけたくなかったので、「壁美人ギター・ヒーロー」を試してみました。賃貸のワンルームで実際に設置した方法と、設置してみた感想を書いていきたいと思います。
「壁美人ギター・ヒーロー」を2年使った感想(レビュー)
結論から言うと、めちゃめちゃ便利で気に入ったので6個買いました!取り付けも簡単で、ホッチキスさえあれば壁に設置できるのも良いですね。
画角の関係で全部は写せないですが、こんな感じで愛器のギターを壁に掛けています。しっかりホッチキスで留めておけばグラつくことはないですし、安定感もあるので安心です。2年くらいギターを掛けっぱなしにしていますが、ホッチキスが外れてきたりとかもないですね。
※ラッカー塗装のギターの設置については記事後半で解説しています。
→ ラッカー塗装のギターを掛けるときの注意点
壁美人ギター・ヒーローを設置できる壁かを確認する方法
「壁美人ギター・ヒーロー」は石こうボード専用です。コンクリート打ちっぱなし、木壁、土壁、砂壁には設置できません。購入する前に、自宅の壁に設置できるか確認しておきましょう。
部屋の壁が石こうボードかを確認するには、押しピンを刺してみるのが手っ取り早いです。石こうボードの条件は以下の2つ。
- 1:壁に押しピンが刺さる
- 2:抜いた押しピンに白い粉が付いている
まずは壁に押しピンが刺さるか試してみます。刺さりましたね。刺さらない場合は壁がコンクリートかもしれません。
次に、刺した押しピンを抜いて針の先を見てみます。写真だとわかりづらいですが、白い粉が付いています。手で針の先を触ってみて白い粉が付いていれば、石こうボードの可能性が高いです。
壁美人ギター・ヒーローの設置方法
「壁美人ギター・ヒーロー(白)」を購入して実際に設置してみたので、設置方法や感想を書いていきたいと思います。日曜大工はあまり得意ではないですが、説明書と公式の解説動画を見ながら進めれば問題なく設置できました。
耐荷重8kgのタイプを買って設置しました。震度6相当の振動試験をクリアしているそうです。設置した感じは結構かっちり固定されるので、そうそう落ちることはないと思います。
※耐荷重4kgのタイプもあるので、購入前によく確認してください。
設置は公式動画の通りに行えば簡単にできます。動画とこの後に解説する画像解説を参考に設置してみてください。
準備するもの
必要なものは、ギター・ヒーロー本体とホッチキスだけです。ただし、180度開くタイプのホッチキスが必要なので、その点だけ注意してください。180度開くタイプであれば、100均のホッチキスでも大丈夫です。
こういうタイプのホッチキスです。パカッと180度開きました。
壁美人ギター・ヒーロー開封
パッケージはこんな感じ。
同梱物は本体、説明書、フィルム4枚、専用針2セット。専用針は市販のホッチキス針よりも硬く、錆防止が施されているそうです。市販の針でも設置はできるそうですが、錆で強度が低下する恐れがあるとのことなので、専用針を使ったほうがいいでしょう。
壁美人ギター・ヒーローの説明書
説明書を読んでいきます。180度開くタイプのホッチキスを用意してくれと書いてますね。
こういう普通のホッチキスを100均で買ってきました。パカッと開くことを確認。
説明書で設置方法を確認します。なるほど、本体にフィルムをはめ込んで、その上からホッチキスで留めていくわけですね。
壁美人ギター・ヒーローを壁に設置
写真ではわかりづらいですが、本体に4枚のフィルムをはめ込んだ状態にします。
フィルムの上からホッチキスで留めていきます。ホッチキスは180度開いた状態にして、上から押し込んで留めます。
ホッチキスの角度は、壁に対して30度くらいにすると留めやすいです。説明書にも書いてあります。
1つの窓に対して針を2本打っていきます。窓は16個あるので、合計32本の針を打つ計算です。
針の打ち方が下手くそで少し見栄えが悪いですが、設置できました。手でグッと引っ張ってみましたが、ちょっと力を加えたくらいではビクともしません。
ギターを壁美人に設置
テレキャスを設置してみました。スモールヘッドだとフックにぴったりはまらないのか、少し斜めになりますが、それほど気にならないレベルです。
テレキャスよりヘッドが少しの大きめのストラトだとぴったりです。
アコギは設置できる?
Amazonのレビューなどでアコギは設置できないというコメントを見かけたので、設置してみました。うん、問題なく設置できます。レビューを見てみると、アコギのヘッドの形状やボディの厚さによっては設置が難しいようですね。
ベースは設置できる?
ベースも設置してみました。いけますね。ベースの重さは約4kg、ギター・ヒーローの耐荷重は8kgなので、スペック的にも大丈夫そうです。
壁に鉢の跡はどれくらい付く?
ギター・ヒーローの設置後にフィルムを1枚剥がしてみました。壁に針を刺しているので、よく見ると穴が開いているのはわかります。でも遠目からだと目立たないレベルです。
賃貸住宅に壁美人を設置してもいいのか?
賃貸住宅を退去する際、「通常の使用を超えるような使用」をすると貸主に対して原状回復費の支払いを要求される場合があります。国土交通省のガイドラインでは、壁に大きな穴を開けて収納家具を取り付けたり、ペットが壁を引っかいてボロボロになったりした場合は、借り主が修繕費用を負担するものとしています。
一方、経年劣化による壁の色褪せや、通常の生活でつく壁の傷や汚れなどは「通常の損耗」とみなされるため、原状回復の対象外です。たとえば、壁にポスターを貼るために押しピンで留めた場合は、「通常の損耗」の範囲内とみなされます。
ガイドラインを確認したところ、下地ボードの張替えが必要なレベルかどうかがひとつの判断の基準となりそうです。ただし、タバコのヤニなどで壁が変色した場合は借主負担となるので注意してください。
【賃貸人の負担となるもの】
壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)
では、壁美人ギター・ヒーローを賃貸の壁に設置した場合はどうでしょうか?
貸主によって判断が異なるので難しいですが、壁にポスターを押しピンで留めるのと同様に、「通常の損耗」とみなされる可能性が高いと思われます。ホッチキスの針ていどの大きさの穴なら目立たないですし、押しピンの使用と同じで通常の使用の範囲と言えるでしょう。
ただ、こちらが通常の使用の範囲内と思っていても、貸主が原状回復費を負担してくれと言ってくる場合があります。原状回復費の負担をめぐって貸主とトラブルになることもあるので、退去前に国土交通省のガイドラインを確認しておきましょう。
ラッカー塗装のギターを掛けるときの注意点
壁美人はラッカー塗装に対応していません。ギターネックを掛けるゴムの部分がラッカー塗装と化学反応を起こし、塗装が融解する場合があります。ヴィンテージギターやレリックギターはラッカー塗装を使用している個体が多いので要注意です。
これは壁美人に限らず、通常のギタースタンドでも起こります。ラッカー塗装のギターをスタンドやハンガーに掛ける場合は、融解反応を防ぐために、ゴムの部分にカバーや綿製の布などをかぶせておくのが一般的です。
ただし、ラッカー塗装対応カバーや綿製の布であっても、長期間同じ状態で保存していた場合(ギタースタンドに掛けっぱなし)、痕がついてしまうことがあります。ラッカー塗装のギターは定期的にスタンドから外し、ネックの根元などスタンドに触れる部分はクロスで拭くようにしたほうがよいでしょう。
ちなみに、壁美人はラッカー塗装対応カバーは販売していないようです。公式販売ページにラッカー塗装について以下のように書かれています。
よくお客様から、「オプションで良いのでカバーが欲しいです。」というようなご意見をいただくのですが素材選定が困難なため、あえて弊社としては販売していないのが実情です。
引用:石膏ボード用固定金具 GUITAR HERO(ギター・ヒーロー)
以下のPDFにもラッカー塗装について詳しく書かれています。
追記:
ラッカー塗装対応のギターハンガー用カバーを買って装着してみました。「DRESS UP HANGER COVER」というカバーで、マイクロストレッチスエード(ポリエステル)というラッカー塗装対応の素材を使っているそうです。別記事で壁美人に装着した様子をレビューで書いているので、こちらも参考に。
余談ですが、壁美人ギター・ヒーロー以外に、HERCULES(ハーキュレス)のギタースタンドも使っています。気になるのはラッカー塗装に対応しているか?という点。
HERCULESのギタースタンドは、「SFF(スペシャル・フォームレイテッド・フォーム)」と呼ばれるラッカー塗装のギターも変化しにくい柔らかいゴムが採用されています。ただし、メーカーでは「ラッカー非対応」としているので、あくまでも"変化しにくい素材"である点を理解した上でご使用ください。
上述のように、ギターハンガーやギタースタンドを使う際は、定期的にゴムが触れる部分をクロスで拭くなどのメンテナンスをしておきましょう。
HERCULESのギタースタンドの特徴は以下の記事で詳しく紹介しています。ギターハンガーやギタースタンドを探している方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
HERCULESのギターハンガーの解説はこちら。壁美人と違ってネジで壁に取り付けるタイプです。こちらもおすすめ。