Mastery Bridge(マスタリーブリッジ)とは
Mastery Bridgeは、アメリカのエレキギター用リプレイスメントパーツメーカー。クラフトマンであるJohn Woodland(ジョン・ウッドランド)によって、2008年にミネソタ州で設立された。
また、同社から発売されているブリッジのブランド名でもあり、中でもジャズマスターやジャガーの交換用ブリッジが弦落ち対策の定番として知られ、エルヴィス・コステロやサーストン・ムーアといったプロギタリストにも愛用されている。
OFFSET BRIDGE M1/M2
Mastery Bridgeからはいくつかのブリッジが発売されているが、その代名詞となっているのがジャズマスターやジャガータイプをはじめとしたオフセットギター用のブリッジである「M1」と「M2」。
OFFSET BRIDGEの特徴
最大の特徴はなんと言ってもジャズマスターやジャガーが抱える「弦落ち」の問題を解消してくれるという点。特許を取得している独特の形状をした「マスタリーサドル」は、純正のサドルと比べて非常に深い溝となっており、激しい演奏でも弦が落ちる心配がない。
純正のサドルでは1本の弦に対して1本の計6本のオクターブ調整ネジが用いられているところを、マスタリーブリッジでは4本となっている。これによって弦とネジやブリッジプレートが干渉する心配がない。溝の両側が扇状に開かれていることも、弦振動と干渉しない工夫になっており、弦の振動を邪魔することなく、しっかりとボディに伝えることができる。
サドルには、摩擦や摩耗の少ない硬質クロムメッキ加工されたブラスが使用されている。摩擦熱により起こるチューニングのズレや、摩耗による音詰まりや弦切れといった心配を低減している。
サウンド比較動画
M1/M2の選び方
オフセットギター用のブリッジである「M1」と「M2」の2種類が発売されており、M1はシンブル(ブリッジを挿し込む部分)の内径が.310インチ(約7.874mm)、M2は0.315インチ(約8.001mm)となっている。M2はM1に交換用のポストが付属した商品なので、そのぶんM1より少し価格が高め。どちらが正解かわからない場合は「M2」を買っておくのが無難(交換用ポストは別売りされていないため)。
基本的にはFeder USA製のモデルには「M1」が、日本製のモデルには「M2」が適している。Fender MEXICO製など、シンブルの内径が異なる場合には、「MT-THIMBLES」という別売りのシンブルに交換して「M1」を取り付ける。ボディへの木工加工が必要になる場合も。
詳しくは、Mastery Bridge公式サイトで確認を。
また、ギターに合わせてブラックやゴールドでコーディネートしたいという人のためのパーツセットも発売されている。セット内のブリッジは「M1」なのでその点は注意が必要。
その他の製品
「Mastery Bridge」=「オフセット用ブリッジ」というイメージが強いが、それ以外の製品も発売されている。オフセット用以外にも、Mastery Bridge独自の構造が活かされている。
TELE BRIDGE M3/M4
テレキャスター用のマスターブリッジ。独自機構のサドルを搭載し、弦振動をしっかりとボディへと伝えてくれる。メッキ無加工の「M3」シリーズと、硬質クロームメッキ加工が施された「M4」シリーズとがある。また、「3.2」「4.2」はそれぞれボディを通さず弦を張るトップロードタイプになっている。
スルーボディタイプの「M3」
トップロードタイプの「M3.2」
硬質クロームメッキ加工、スルーボディタイプの「M4」
硬質クロームメッキ加工、トップロードタイプの「M4.2」
「M4.1」は、ビグスビーB5用に弦を通す切り込みが入ったタイプ。
RICK BRIDGE M5
「M5」は、リッケンバッカー用のマスターブリッジ。弦高調整用のネジを両端のイモネジで固定でき、演奏中に弦高が変わったりアーミング時にブリッジが動く心配がない。
HARDTAIL BRIDGE M6/M7/M8/M9
M6〜M9は、リアにハムバッカーを搭載したテレキャスや、ハードテイル仕様のストラト用ブリッジ。「M6」「M7」はネジ穴が4つ、「M8」「M9」はネジ穴が3つのタイプとなっている。
ネジ穴4つ、メッキ加工無しの「M6」
ネジ穴4つ、クロームメッキ加工の「M7」
ネジ穴3つ、メッキ加工無しの「M8」
ネジ穴3つ、クロームメッキ加工の「M9」