貼りメイプルとは
「貼りメイプル」は、メイプル材のネックに貼られたメイプルの指板、あるいはそのギターのこと。Fenderのストラトキャスターについて言われることが多いが、一般的なギターの仕様としても使われる言葉。
Fenderストラトキャスターと貼りメイプル
Fender社のストラトキャスターは、1954年の発売当初はメイプルネックに直接フレットを打った、一体成形の「メイプルワンピース」が主な仕様だった。
1959年頃にメイプルワンピースネックから、メイプルネックにローズウッドの指板を貼った仕様へと変更された。これは当時、メイプルの指板が使い込むことで汚れが染み込み、見た目が良くなかったため、汚れの目立たない色のローズウッドになったと言われている。
しかし、メイプル指板の見た目や手触りを求めるプレイヤーがいたことから、1960年代後半頃にはメイプルのネックにメイプル指板を貼る「貼りメイプル」仕様がカスタムオーダー専用のオプションとして存在していた。
すぐにメイプルワンピースが復活しなかったのは、すでにネックと指板を別々に成形するという生産体制をとっていたことから、コストがかからないように指板材を選択するという仕様にしたのだと考えられている。その後、1971年にメイプルワンピースネックが復活している。
貼りメイプルとメイプルワンピースの違い
- ネック強度は貼りメイプルの方が高い
- スカンクストライプの有無
ネック強度は貼りメイプルの方が強い
メイプルワンピースと貼りメイプルとを比較すると、貼りメイプルの方がややネックの強度が高く、反りや捻じれに強いと言われている。これは、一つの木材で成形されるワンピースに対し、貼りメイプルはネックと指板で木目の向き等が変わることで抵抗力が生じるからだと考えられる。
スカンクストライプの有無
メイプルワンピースの場合、ネック裏にスカンクストライプと呼ばれる色違いのラインが入ることになる。これは、トラスロッドを裏側から仕込むことによって生まれるもので、指板を貼る前に表側からトラスロッドを仕込む貼りメイプルには基本的にスカンクストライプが無い。
貼りメイプルとジミ・ヘンドリックス
貼りメイプルが重宝される理由の一つとして、ジミ・ヘンドリックスの存在が挙げられる。1969年のウッドストックでのパフォーマンスでジミ・ヘンドリックスが弾いていたのが1968年製の貼りメイプル・ストラトキャスター(通称:イザベラ)で、その姿に憧れたファンの間で特に人気が高くなっている。
2019年に世界限定250本で生産された『FENDER Limited Edition Jimi Hendrix Stratocaster』。もちろん貼りメイプル仕様。
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