レイクプラシッドブルーとは
レイクプラシッドブルー(Lake-Placid-Blue)は、ギターやベースの塗装に用いられる青系カラーの名称。「LPB」と略して表記されることも多い。
Fenderのストラトキャスターに古くから見られるカラーの一つであり、それに似せて他のメーカーでも広く使われている。光の当たり具合で見え方が変化するのが特徴の一つ。
Fender社のカラーチャートでは「02」で掲載されている。
レイクプラシッドブルーのストラトキャスターを使用したギタリストと言えば、ジミー・ペイジが有名。
レイクプラシッドブルーの由来
「レイクプラシッド」とは、アメリカのニューヨーク州にある「プラシッド湖(Lake Placid)」という湖の名前が由来となっている。その湖から名前をとった同じくレイクプラシッドという名前の村があり、1932年と1980年に冬季オリンピックが開催されたことでも有名。ちなみに「placid」は英語で「落ち着いた」を意味する言葉なので、「落ち着いた湖」という意味になる。
そんなプラシッド湖の青さをイメージしたカラーが「レイクプラシッドブルー」というわけである。
Hello from Lake Placid, NY! pic.twitter.com/J90OcwqmJY
— Joshua Joseph (@JoshuaGJoseph) October 24, 2021
Beautiful day to drive to #lakeplacid and walk around Mirror Lake. pic.twitter.com/fEM8Jj0gdZ
— Anne in NY (@nymcmoo) October 28, 2021
1960年代のカラーネームは「Lake Placid Blue Metallic」
1960年代のFenderのカスタム・カラーチャート(正式名称は「セレクション・チャート・フォー・カスタム・フィニッシーズ」)では、「Lake Placid Blue Metallic(レイク・プラシッド・ブルー・メタリック)」というカラーネームで掲載されていた。1970年代のカタログから「Lake Placid Blue」に変わっている(おそらく、CBSへの売却に伴って1960年後半から塗装が変わったため)。
1961年、Fenderはプロ用モデルで採用していた特別なカラーを「カスタム・カラーチャート」として発表。15色のカラーフィニッシュ(発表当時)は、スタンダード・フィニッシュ料金に5%追加すると施すことができた。「Lake Placid Blue Metallic」はカスタム・カラーチャート発表当初からあった。
下記カラーチャートに「METALLC」と表記のあるものは、「メタリック塗料」を指す。メタリック塗料は、金属粉を塗料にまぜたもので、塗料の中にブルーなどの着色料を入れて色の付いたメタリックとする。着色メタリックには「ノン・リーフィング・タイプ」と呼ばれる一液型のアルミ粉が使われており、色ムラを防ぐためにカラーリングを2回に分けていた。「Lake Placid Blue Metallic」はホワイトのアンダーコート(下地塗装)を使うケースが多かったようだ。
参考:THE GALAXY OF STRATS
こちらは1963〜1964年のカスタム・カラーチャート。1961年の最初のカラーチャートにあった「SHell Pink(シェル・ピンク)」が抜け、替わりに「Candy Apple Red(キャンディ・アップル。レッド)」が加わっている。
1962年と1964年のLake Placid Blue(Metallic)のストラトキャスター。経年変化で緑がかった色になっている。
レイクプラシッドブルーのギター
Fender Made in Japan Traditional 60s Stratocaster
Fender Vintera '60s Telecaster
Fender American Performerシリーズ
上記2点と違い、こちらのシリーズではカラーが『Satin Lake Placid blue』となっている。その名の通りサテンフィニッシュのレイクプラシッドブルーで、見た目の印象も少し異なる。
Fenderからは、レイクプラシッドブルーのウクレレも発売されている。