ギタークラフトの学校の授業がスタートしました。授業は平日の月〜金の午前中で、講義と実習があります。学校で学んだことの備忘録と復習を兼ねて、日誌で綴っていきたいと思います。
鉋について
ギター製作ではよく使う「鉋(かんな)」をよく使います。鉋はボディのエルボーカットやウエストカットなどのコンター加工や、ボディの外周に曲線をつけるR加工などで使う重要な道具。鉋の刃のキレが悪いと思い通りに木材を削れないし、傷を付けてしまうかもしれないので、研いで調整していきます。
鉋を研ぐ前に、鉋の構造を知っておく必要があります。授業でも鉋の構造を教えてもらいましたが、鉋の専門書である『新版 鉋大全』を購入して学んだことを合わせて解説します。
鉋の構造
こちらは「平鉋(ひらがんな)」の刃物を取り外したところです。鉋刃(かんなば)が2つあり、大きいほうは「鉋身(かんなみ)」、小さいほうは「裏金(うらがね)」と呼びます。
■鉋刃(かんなば)
・鉋身(かんなみ)
└ 大きいほうの刃物。木を削る。切れ刃の両端にある角を落としている部分は「耳(みみ)」という。木材を削った時に鉋クズが詰まらないように角を落とす。
・裏透(うらすき)
└ 鉋身の裏面の凹んでいる部分。平面を維持する役割がある。
・裏金(うらがね)
└ 小さいほうの刃物。逆目(さかめ:木目に逆らって削ること)を防止する。刃先の反対側の両端にある角度が付いている部分を「耳(みみ)」という。耳は鉋身の刃先と裏金の刃先と密着させる役割を持つ。
■鉋台(かんなだい)
・台頭(だいがしら)
└ 鉋身の頭が傾斜している側。ここを玄能などで叩いて鉋身を取り外す。
・台尻(だいじり)
└ 台頭の対面側。
・上端(うわば)
└ 鉋身を差し込む面。
・下端(したば)
└ 削る時に材と接地する面。
・木端(こば)
└ 鉋台の側面。
刃口(はぐち)
└ 鉋刃と鉋台の隙間。鉋刃で木材を削る時の隙間であり、木材を削った時に鉋クズが出ていく場所でもある。
・表馴染(おもてなじみ)
└ 鉋身を差し込んだ時に刃表が当たる傾斜面。削ったりマスキングテープなどで刃の仕込みの硬さを調整する。
・鏡(かがみ)
└ 表馴染みの対面にある傾斜面。
・木端返し(こっぱがえし)
└ 鏡の刃口側にある傾斜している部分。裏金とともに逆目を防止する役割がある。
・押溝(おしみぞ)
└ 表馴染みの上端側の両側にある溝。ここに鉋身を差し込む。
・押え棒(おさえぼう)
└ 裏金を押さえる棒。