ギタークラフト

【5弦ベース製作】フレットプレスを使ったフレット打ち:ギタークラフト学校日誌(285)

5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

前回は指板すり合わせをしました。
今回は指板にフレットを打っていきます。

↓前回作業

5弦ベースの指板をすり板ですり合わせ
【5弦ベース製作】指板すり合わせ:ギタークラフト学校日誌(284)前回はネックのボリュ0と部分の成形をしました。 今回は指板すり合わせをします。 ↓前回作業 https://guita...

フレットを打つ前に、フレット溝の深さをチェックします。
フレット溝の深さは2mmはほしいところですが、1.5mmくらいの箇所もあります。
5弦ベースのフレット溝の深さを150mmスケールで測っているところ

フレット溝の深さが足りないときは、プラカッター(プラスチックカッター)や溝切り用のノコギリを使って深さを足します。
プラスチックカッターで5弦ベースのフレット溝を切っているところ

フレット溝が2mmくらいになりました。
5弦ベースのフレット溝の深さを150mmスケールで測っているところ

フレットは#214Hを使います。
フレットの幅を指板に合わせて切っていきます。
フレットは指板の端から2mmほど出るくらいの長さで切ります。
5弦ベースの指板に打つフレットを準備しているところ

タングニッパーで切った跡にバリがあるとバインディングにめり込んで形が変わってしまうので、精密ヤスリで軽く削って平面にします。
ベースギター用のフレットのエッジを精密ヤスリで削っているところ

ヤスリで磨きすぎるとフレットが薄くなってしまうので、軽く磨いてバリが取れればOK。
ベースギター用のフレットのエッジを精密ヤスリで削っているところ

今回はフレットプレスでフレットを埋めていきます。
305Rのフレットプレスのカウルを使います。
フレットプレス用のカウル

カウルでプレスする前に、フレットを軽く溝に埋め込みます(仮打ち)。
フレットのRを潰さないように気をつけながら、フレットの端が埋まるくらいまで玄能で打ち込みます。
ただし、仮打ちの深さは指板材によります。
今回使っているエボニー材であれば両端が軽く埋まる程度でOKです。
5弦ベースの指板のフレット溝にフレットを軽く打ち込んだ状態

フレットの曲げ具合はRによりますが、今回の305Rならこれくらいで。
5弦ベースの指板のフレット溝にフレットを軽く打ち込んだ状態

という感じで仮打ち。
ここまで打ったなら玄能で打ったほうが早いのでは?と思うかもしれませんが、フレットプレスで打ったほうが早いですし、綺麗に埋められます。
それに、玄能で打つとフレットに打痕がついてしまいますが、フレットプレスなら打痕がつくのを避けられます。
5弦ベースの指板のフレット溝にフレットを軽く打ち込んだ状態

ネックの下に長いすり板などの平面の当て木をします。
真ん中がくぼんでいて指板がしっかりホールドされる当て木でもいいのですが、上からカウルで押さえたときに掛かる力が分散されやすいので、平面の当て木のほうが安定して埋められるそうです。
5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

ボール盤にカウルをセットし、上からぎゅっと押さえ込んでフレットを埋めていきます。
フレットプレスは、フレットの両端と真ん中の3箇所をそれぞれ押さえ込んで埋めます。
先に真ん中を埋めて両端を埋めるやり方もありますが、今回は左端→真ん中→右端の順番で埋めます。
まずは左端から。
5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

次は真ん中。
5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

最後に右端。
5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

真ん中が浮いているときは追加で押さえます。
それでも埋まらないときは玄能で叩いて埋めます。
5弦ベースの指板にフレットプレスでフレットを埋め込んでいるところ

全フレットを埋められたら、600mmスケールをあてて埋まりきってないところがないかチェックします。
5弦ベースのフレットがしっかり溝に高さが揃っているかを600mmスケールと使ってチェックしているところ

埋まりきっていないところがあったので、当て木の上から玄能で叩いてしっかり埋めます。
5弦ベース用の指板にフレットを打ち込んでいるところ

フレットを打ち終わりました。
フレットプレスをしたのでフレットに打痕がなくて綺麗ですね。
5弦ベース用の指板にフレットを打ち終わった状態

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中(2023年〜現在)
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder
ギタークラフトアカデミー第4作目:
Focus Point
ギタークラフトアカデミー第5作目:
Uroboros LP

■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

■ブログ
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■運営会社
株式会社ケタケタ
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