前回は指板すり合わせをしました。
今回は指板にフレットを打っていきます。
↓前回作業

フレットを打つ前に、フレット溝の深さをチェックします。
フレット溝の深さは2mmはほしいところですが、1.5mmくらいの箇所もあります。
フレット溝の深さが足りないときは、プラカッター(プラスチックカッター)や溝切り用のノコギリを使って深さを足します。
フレットは#214Hを使います。
フレットの幅を指板に合わせて切っていきます。
フレットは指板の端から2mmほど出るくらいの長さで切ります。
タングニッパーで切った跡にバリがあるとバインディングにめり込んで形が変わってしまうので、精密ヤスリで軽く削って平面にします。
ヤスリで磨きすぎるとフレットが薄くなってしまうので、軽く磨いてバリが取れればOK。
今回はフレットプレスでフレットを埋めていきます。
305Rのフレットプレスのカウルを使います。
カウルでプレスする前に、フレットを軽く溝に埋め込みます(仮打ち)。
フレットのRを潰さないように気をつけながら、フレットの端が埋まるくらいまで玄能で打ち込みます。
ただし、仮打ちの深さは指板材によります。
今回使っているエボニー材であれば両端が軽く埋まる程度でOKです。
フレットの曲げ具合はRによりますが、今回の305Rならこれくらいで。
という感じで仮打ち。
ここまで打ったなら玄能で打ったほうが早いのでは?と思うかもしれませんが、フレットプレスで打ったほうが早いですし、綺麗に埋められます。
それに、玄能で打つとフレットに打痕がついてしまいますが、フレットプレスなら打痕がつくのを避けられます。
ネックの下に長いすり板などの平面の当て木をします。
真ん中がくぼんでいて指板がしっかりホールドされる当て木でもいいのですが、上からカウルで押さえたときに掛かる力が分散されやすいので、平面の当て木のほうが安定して埋められるそうです。
ボール盤にカウルをセットし、上からぎゅっと押さえ込んでフレットを埋めていきます。
フレットプレスは、フレットの両端と真ん中の3箇所をそれぞれ押さえ込んで埋めます。
先に真ん中を埋めて両端を埋めるやり方もありますが、今回は左端→真ん中→右端の順番で埋めます。
まずは左端から。
真ん中が浮いているときは追加で押さえます。
それでも埋まらないときは玄能で叩いて埋めます。
全フレットを埋められたら、600mmスケールをあてて埋まりきってないところがないかチェックします。
埋まりきっていないところがあったので、当て木の上から玄能で叩いてしっかり埋めます。
フレットを打ち終わりました。
フレットプレスをしたのでフレットに打痕がなくて綺麗ですね。