ギタークラフト

【5作目】ボディ材加工〜配線穴、コントロールザグリ粗加工、ボディラミネート:ギタークラフト学校日誌(235)

今回はボディ材の加工をします。

↓前回作業

ギターヘッドに埋め込んだガラスのインレイ
【5作目】ヘッドにインレイ埋め込み:ギタークラフト学校日誌(234)今回はヘッドにインレイを埋め込む作業をします。 ↓前回作業 https://guitar-concierge.jp/guit...

今回使うボディのバック材、マホガニー。
ギターのボディ材に使うマホガニー

トップ材のメイプル。ほんの少ーしだけフレイムが出てる。
ギターのボディ材に使うメイプル

製図からボディの形を罫書き。
トップ材をラミネートするのでピックアップやジョイント部分の罫書きはいらないのだけど一応。
ギターのボディ材に形を罫書き

トップ材にも罫書き。
ギターのボディトップ剤に形を罫書き

今回作るのはレスポールモデル。
トップ材をラミネートする前に配線穴を開けておく必要があります。
トグルスイッチからコントロールザグリまで通る配線穴を開けます。
ギターのボディ材に配線穴を開ける準備

配線穴の幅は12mm、深さは15mmで掘りました。
ギターのボディ材に配線穴を開け終えたところ

長さはトグルスイッチからコントロールザグリを少し超えるくらいまで。
ギターのボディ材に開けた配線穴

次はコントロールザグリを肉抜きします。
ここは貫通させるのでボール盤でくり抜いておきます。
最終的にルーターでザグリの外周を整えるので、ここではくり抜きさえできればOKです。
内側寄りで肉抜きの罫書きをしておきます。
ギターのボディ材の今回はザグリを肉抜きするための罫書き

Φ14のビットで肉抜きします。
ギターのボディ材のコントロール部分をボール盤で肉抜き

一周ぐるっと肉抜きすれば中心がごっそり抜けます。
ギターのボディ材のコントロール部分を肉抜き

スイッチ部分も肉抜きしておきます。
トップ材に開けるスイッチ穴がΦ12.8なので、Φ12.8のビットを使いますが、この後に穴を広げるのでΦ12.8じゃなくてもOKです。
ギターのボディ材のスイッチ部分をボール盤で肉抜き

ギターのボディ材のスイッチ部分をボール盤で肉抜き

バック材に開けるスイッチ穴はΦ39です。
今は肉抜きだけなので、さっき開けた穴を少し広げる程度にしておきます、
ギターのボディ材のスイッチ部分をボール盤で肉抜き

トップ材とのラミネート前にしておくべき加工はこれで終わりです。
コントロールとスイッチのザグリはラミネート後に加工します。
ギターのボディ材に配線穴を開けた状態

バック材の外周をバンドソーで粗加工します。
ウエスト部分は曲線がきつめでバンドソーが入りにくいので、横から3箇所ほど切れ込みを入れてから縦に切っていきます。
ギターのボディ材の外周をバンドソーで粗加工

ホーンの部分はジョイント加工などの際に必要なので切らなくてOKです。
ギターのボディ材の外周をバンドソーで粗加工し終えたところ

トップ材も同じ手順で外周の粗加工をします。
ギターのボディトップ材の外周をバンドソーで粗加工

トップ材の外周粗加工も完了。
ギターのボディトップ材の外周をバンドソーで粗加工し終えたところ

ではトップ材をバック材を接着します。
トップ材とバック材の位置をぴったり合わせるには、センターラインと横線を揃えます。
トップ材とバック材にあらかじめジョイント部分から横に線を引き、それをいて側面まで伸ばして引いておきます。
両方の材のセンターラインと横線の位置を合わせれば位置が揃う、というわけです。
ギターのトップ材とバック材を合わせているところ

ボディエンド側も側面までセンターラインを伸ばしておき、上下の材で位置を揃えます。
ギターのトップ材とバック材を合わせているところ

写真ではわかりにくいですが、ピックアップのザグリの深さを書いています。
ギターのトップ材とバック材を合わせたところ

途中の写真がないですが、ボール盤で2箇所にビス穴を開けました。
手順は以下です。
(ボール盤のビットの経は使うビスによります)
①トップ材とバック材を重ねた状態でΦ2.5で穴を開ける
ボディ右上は深さ25mm(フロントピックアップのザグリの深さと同じ)
ボディ中央は深さ17mm(リアピックアップのザグリの深さと同じ)
②トップ材のみΦ3.2で穴を拡張する
③トップ材のΦ3.2の穴の上面をΦ6.0で皿切りする
(ラミネート時にビス穴の皿が出っ張っていると密着できないので、ビスを埋め込むための皿切り)
ギターのトップ材とバック材を合わせてビス穴を開けたところ

トップ材とバック材でそれぞれ穴の経が異なっています。
ギターのトップ材とバック材を合わせてビス穴を開けたところ

接着前に、トップ材の縁のバリをサンドペーパーで取っておきます。
ギターのトップ材の縁のバリをサンドペーパーで取り除いているところ

一旦仮留をするので、ビスでトップ材とバック材を固定します。
ギターのトップ材とバック材を合わせてビスで固定したところ

トップ材とバック材の接着時は机のクランプとFクランプで固定します。
これは仮留め。
ギターのトップ材とバック材のラミネートの仮留め

では接着をします。
まずは接着面をぬれ雑巾で拭きます。
ギターのトップ材とバック材

バック材側に木工用ボンドを塗布。ぐるぐる。
ギターのバック材に接着用の木工用ボンドを塗布

ボンドを全体に引き伸ばし。
ギターのバック材に接着用の木工用ボンドを塗布

トップ材とバック材をこすり合わせてボンドが全体に行き渡ったら、ビスで固定。
ギターのトップ材とバック材を接着してビスで固定

はみ出たボンドをぬれ雑巾で拭き取り。
ギターのトップ材とバック材を接着してはみ出したボンドをぬれ雑巾で拭き取り

はい、固定完了。
ボディ材が見えない。
この状態で一日乾燥させます。
ギターのトップ材とバック材を接着してクランプで固定

横から見たらこんなん。
ギターのトップ材とバック材を接着してクランプで固定

裏から見たら蟹みたい。
ギターのトップ材とバック材を接着してクランプで固定

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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