ギタークラフト

【リペア実習】スキャロップ加工:ギタークラフト学校日誌(223)

ギター指板を丸ノミで削ってスキャロップ加工しているところ

今回はリペア実習でやったスキャロップ加工のメモです。

↓フレット加工をした練習用のネックの一部をスキャロップにします。

フレット溝に埋める用のベニヤ板
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スキャロップは指板をえぐって軽いタッチで押弦できるようにする加工です。
↓スキャロップについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

YNGWIE-MALMSTEEN-STRATOCASTER
スキャロップ加工(スキャロップド) ‐ 軽いタッチで押弦できる、えぐれた指板スキャロップ加工とは 「スキャロップ加工」は、指板をえぐることで軽いタッチでの押弦を可能とする加工のこと。スキャロップ加工を施したギタ...

スキャロップにもいくつか種類がありますが、今回やるは以下の2種類。

  • イングウェイタイプ(インギータイプ)
    →1〜6弦側まで指板全体を削る
  • リッチー・ブラックモアタイプ(リッチータイプ)
    →1弦を中心に5弦あたりまで削る

実習では1〜6フレットをリッチータイプ、7〜12フレットをインギータイプで削ります。

まずはインギータイプのスキャロップからやってみます。
指板を削る前に、マスキングテープでフレットを保護しつつ、指板サイドにもマスキングを貼って深さの目印にします。
今回は、1弦側は深さ1mm、6弦側は深さ0.5mmにするので、その位置にマスキングを貼ります。
今回の実習ではフレットとスキャロップの間に1mm余白を取るので、フレットから1mmの位置に罫書きをしておきます。
(フレットギリギリまで加工するスキャロップもあります)
これは6弦側から見た指板。
ギター指板のスキャロップ加工の準備

まずは丸ノミで粗加工します。
ギター指板を丸ノミで削ってスキャロップ加工しているところ

ざっくり形ができたら半丸ヤスリで形を整えていきます。
ギター指板を半丸ヤスリで削ってスキャロップ加工しているところ

半円の形をしたスキャロップ加工用のパッドにペーパーを巻いてさらに形を整えます。
今回はパーフェロー指板なので、ペーパーは#150→#240→#320→#600→#800あたりまで使います。
ローズウッド指板やエボニー指板なら#600〜#800あたりまで。
メイプル指板は傷が細かすぎると塗料が密着しにくくなるので、#320まで。
スキャロップ用のパッド

削るときに忘れてはいけないが指板R。
スキャロップ加工する際、もともとの指板Rに合わせて削る必要があります。
この指板は305Rです。
R確認治具を使い、指板Rの形を確認。
R確認治具でギター指板のスキャロップのRを確認しているところ

形ができてきたら、蛍光灯などの光に当てて形を確認します。
左右均等に削れているか、粗い傷が残っていないかなどをチェック。
この段階ではまだまだですね。
スキャロップ加工をしたギター指板を光に当てて形を確認しているところ

スキャロップ加工用のパッドをうまく使って綺麗な形にしていきます。
ギター指板をペーパーで削ってスキャロップ加工しているところ

#150のペーパーで形を作った状態です。
フレットとの間の余白を少し削りすぎてしまいましたが、形はなんとかできました。
ギター指板を#150のパーパーでスキャロップ加工し終わったところ

これは#240か#320あたり?かな。
ギター指板を#320のパーパーでスキャロップ加工し終わったところ

インギータイプはこんな感じでできました。
インギータイプのスキャロップ指板

次はリッチータイプです。
1弦側はインギーと同じく1mmの深さまで削ります。
6弦側は削らず、5弦あたりまで削るのですが、フレット間の1/3に頂点がくるような形にします。
リッチー・ブラックモアタイプのスキャロップ指板の罫書き

まず丸ノミで粗加工するのですが、1弦側から6弦側にかけて坂を登るような形にするので、6弦側を削りすぎないように注意。
ギター指板を丸ノミで削ってスキャロップ加工しているところ

半丸ヤスリでコスコス。
ギター指板を半丸ヤスリで削ってスキャロップ加工しているところ

ほんでスキャロップ用のパッドにペーパー巻いて形を整える。
スキャロップ用のパッド

これは#240か#320?(パッと見では区別しにくい)
ギター指板をペーパーで削ってスキャロップ加工しているところ

先生に、家で作業するためのスキャロップ用パッドを作ってもらいました。
イナロップ。
リッチー・ブラックモアタイプのスキャロップ指板

リッチータイプも完成。
形は、まあ、うん、まあ、、、って感じかな。
リッチー・ブラックモアタイプのスキャロップ指板

横から見るとこんな感じ。
スキャロップ加工したギター指板を横から見ているところ

2タイプのスキャロップ加工とフレットレス加工を施したネック。
これはこれでサンプルとして家に置いておきたい。
スキャロップ加工とフレットレス加工をした練習用のギターネック

ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
大学で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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