今日は2スタッドのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジのアンカー穴を開けます。
↓前回作業
生地調整が出来たので、次は塗装に入るのですが、その前に2スタッドのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジのアンカー穴を開けておく必要があります。
6点支持のシンクロトレモロのビス穴は塗装後に開けますが、2スタッドは塗装前に開けます。
注意したいのは、2スタッドのアンカー穴の位置はものすごくシビアという点です。
スタッド穴の位置がずれるとトレモロブロックの貫通ザグリが見えてしまったり、ブリッジの裏側のナットがトレモロブロックに当たってしまったりするので、細かく測定して位置を決めます。
トレモロブロックの貫通ザグリを広げたり、位置をズラしたりもできないので、開けた貫通ザグリの位置に合わせてセッティングしなければなりません。
下記のように貫通ザグリが見えてしまう位置はもちろんダメです。
仮に、スケールエンドからブリッジの位置をしっかり割り出したとしても、トレモロブロックの貫通ザグリが見える位置はNG。
下記の位置なら貫通ザグリが見えていないのでOKです。
ただし、これでも貫通ザグリがギリギリ見えない位置なので、かなりシビアに微調整しなければなりません。
というのも、トップ側だけでなく、貫通ザグリ内のブリッジの動きも想定して位置を決める必要があるからです。
下記は仮で置いた時の写真なので位置は微妙ですが、トレモロブロックがスプリングキャビティ側に干渉しない位置である必要があります。
スプリングキャビティからトレモロブロックの距離は1mmほどあればよいとのことなので、下記の写真だと、もう少しボディエンド側に寄せたほうがいいですね。
ということで、アンカー穴の位置を決めましょう。
アンカー穴の位置決めですが、ブリッジ本体やアンカーの現物で合わせます。
罫書きの段階ではスケールエンドからブリッジの位置を割り出しましたが、実際に2スタッドトレモロを設置する際は多少位置がズレます。
ただ、多少スケールエンドの位置とズレてもサドルで調整できるので、数mmのズレであれば問題ありません。
まずは現物のアンカーのクビレ部分の直径を測ってみます。
Φ4.8mmですね。
このアンカーのクビレが、ブリッジ本体のスタッドに接触する部分です。
実際のアンカーの向きは上下逆ですが、こんな感じでスタッドにアンカーをはめ込んだ状態でブリッジを固定&アーミングで上下することになります。
学校で配られた寸法図ではブリッジプレート前面からアンカー穴の中心は3mmとなっていますが、現物のアンカーのクビレはΦ4.8mmなので、その半分の2.4mmで位置決めをしたいと思います。
ボール盤でアンカー穴を開けます。
アンカーの直径がΦ10なので、Φ9.8のビットを使います。
アンカーの長さが22.5mmなのですが、アンカーが少し埋まるくらいの穴にするので、深さは23mmに設定します。
ストップテイルピースのアンカーと同じで、トップ面からわずかに沈み込む位置まで打ち込みます。
アンカーの長さ22.5mmに対して、アンカー穴は23mmの深さで掘っているので、底まで打ち込めばOKです。
コンコンという打音がカンカンに変わったら底まで打ち込めた合図です。