学生時代にヤマハ音楽教室のドラムコースに5年に通った経験を持ち、現在は家に電子ドラムを置いて練習をしています。親戚がプロのジャズドラマーで、自宅でドラムレッスンをしており、ドラム教室と縁があります。
実際にドラム教室に通った経験と、親戚が自宅でドラムレッスンをしているという環境から、ドラム教室の選び方をまとめてお伝えしたいと思います。
ドラム教室を選ぶうえで必ず比較したい4つのポイント
ドラム教室を選ぶ際に、これから紹介するポイントは必ずチェックしてもらいたいです。細かいチェックポイントは他にもありますが、初めてドラム教室を選ぶうえで外せないポイントを4つにまとめました。
- ① 教室の練習環境は生ドラムなのか、電子ドラムなのか
- ② スクール内のスタジオでのレッスンか、外部スタジオでのレッスンか
- ③ マンツーマンレッスンかグループレッスンか
- ④ 講師の得意ジャンルはなにか
チェックポイント①:教室の練習環境は生ドラムなのか、電子ドラムなのか
1番目のチェックポイントは、教室に置いてあるドラムの種類です。ドラムは大きく分けて、「生ドラム(アコースティック・ドラム)」と「電子ドラム」があります。
生ドラムというのは、ライブなどでよく見るドラムセットのことです。みなさんが一般的にイメージするドラムのことで、「アコースティック・ドラム」とも呼びます。叩くと大きな音が鳴るので一般的な住宅で叩くのは難しく、スタジオなど防音が整っている環境が必要です。
↓こういったタイプが生ドラム(アコースティック・ドラム)です。ライブなどではマイキング(マイクで拾って音を出す)して音を大きくしますが、生の音でもすごく大きな音がします。
電子ドラムというのは、ヘッドフォンやスピーカーに接続しないとドラムの音が出ないタイプです。スティックで叩く打面がゴムやメッシュでできていて、生で叩いてもその素材の音しかしません。音源モジュールと呼ばれる音声を出す機械に接続し、スピーカーやヘッドフォンからドラムの音色を出します。生ドラムと比べて圧倒的に静音性が高いので、自宅での練習などに使われます。
↓こういったタイプが電子ドラムです。下記はシンバルがゴム製、スネアやタム類はメッシュ製で、モジュールにつながずに叩くとポコポコやパタパタといった音しかしません。音源モジュールには様々な音のドラムが収録されていて、簡単に音色を変えることができます。
ドラム教室の比較の話に戻します。ドラム教室には、生ドラムか電子ドラムのいずれかが置いてあります。たまに生ドラムと電子ドラムの両方を置いてある教室もありますが、たいていはどちらかです。
その教室では生ドラムで練習するのか、電子ドラムで練習するのか、どちらであるかでドラム技術の習得内容が大きく変わってきます。本格的にドラム技術を身に着けたいのであれば、生ドラムで練習できる教室を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、生ドラムと電子ドラムではそもそも素材が異なるので、スティックで叩いたときの打感や音の出方が違ってきます。ハイエンドの電子ドラムはできる限り生ドラムの打感に近づくように作られていますが、それでも生ドラムと電子ドラムでは打感が異なります。
電子ドラムしか叩いたことがない状態で生ドラムを叩いてみると、打感や音量の違いに驚くでしょう。ドラムはスネアやタムを叩いたときにスティックが跳ね返る力を利用して連打を速くしたりするのですが、生ドラムと電子ドラムではスティックの跳ね返りが違うので、叩くスピードや音量をコントロールできずに戸惑うかもしれません。
しかし、電子ドラムで練習するのにもメリットはあります。生ドラムはものすごく音量が大きく、130dB(ジェット機やエンジン音並みの音量)くらい出るので、長時間叩いているとへの少なからず耳にダメージが蓄積していきます。電子ドラムであればスピーカーやヘッドフォンから出る音量を自由に調整できるので、耳への負担が少なくて済みます。
バンドを組んでステージで演奏したい、リアルなドラムを叩きたいという方には、生ドラムがおすすめです。そうではなく、趣味として気軽にドラムを叩いてみたい方は電子ドラムでも良いと思います。
②スクール内のスタジオでのレッスンか、外部スタジオでのレッスンか

ドラム教室の練習場所は、大きく分けると「スクール内のスタジオ」か「外部スタジオ」の2パターンがあります。
スクール内にスタジオがある場合は、そこに置いてあるドラムセットで練習をします。ドラムセットが生ドラムであるか電子ドラムであるかは教室によって異なります。自宅でレッスンを開講している場合もこのパターンです。親戚のドラム講師は、自宅に生ドラムと電子ドラムの両方を置いてあり、どちらでも練習できるようになっています。
もうひとつは外部スタジオを借りて練習するパターンです。教室が提携しているスタジオで練習する、または生徒側が指定したスタジオに講師に来てもらって練習します。外部スタジオは基本的に生ドラムが置いてあるので、電子ドラムはほとんどありません。
ヤマハや島村楽器は店舗内にスタジオが併設されていることが多いので、前者のパターンです。スタジオには生ドラムが置いてあることが多いですね。シアーミュージックも教室内にスタジオがありますが、生ドラムではなく電子ドラムで練習します。シアーの場合は、追加料金を払えばスタジオを借りてレッスンを受けられるので、生ドラムでレッスンを受けたいときは外部スタジオでの練習がおすすめです。
椿音楽教室は提携している全国200ヶ所以上の音楽スタジオでレッスンを受ける形態なので、後者のパターンです。スタジオには生ドラムが置いてありますし、前者のパターンと違ってスタジオの場所を選択できるというメリットがあります。
どちらのパターンがよいかは状況によりますが、後者のパターンではレッスン代の他にスタジオ代がかかるため、前者のパターンよりも料金が多くなる可能性がある点に注意してください。スタジオの個人練習であれば2人までなら安くで借りられます(スタジオによりますが、1時間500円~1,200円程度)。
③マンツーマンレッスンかグループレッスンか
音楽教室のレッスン形態は、「マンツーマンレッスン」と「グループレッスン」があります。ドラム教室によりますが、選べる場合はどちらが自分に合っているかよく検討して選んでください。
私はマンツーマンレッスンとグループレッスンのどちらの経験しました。それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。
- レッスン時間をフルで自分の練習に使える
- 苦手なフレーズなどを繰り返し練習できる
- 自分のペースに合わせてレッスンを進めてくれる
マンツーマンレッスンは講師が自分だけに時間を使ってくれるのが大きなメリットです。苦手なフレーズがあれば遠慮せずに繰り返し練習できますし、質問もしやすいです。自分のペースに合わせてレッスンを進めてくれるので、周りを気にせず練習したい方はマンツーマンが向いているでしょう。
- 他の生徒の練習を参考にできる
- 生徒間での競争意識が生まれる
- 料金がマンツーマンより低く設定されていることが多い
グループレッスンを経験して感じたのは、他の生徒がいることのメリットです。マンツーマンだと他の人がどのくらいのペースで上達しているかわかりませんが、グループレッスンなら他の生徒の上達スピードや練習量がわかります。
私の場合は3人でのグループレッスンで、同学年の子がものすごく練習をしてくるタイプだったので、どんどん差を開けられてしまいました、、、。自分ももっと練習しなければと思い、基礎練をしっかりやってくるようになったので、練習への意識が変わりました。そこはすごく良い影響を受けました。
ただ、スタジオには基本的にドラムは1セットしかないことが多いですし、複数のドラムセットがあっても音量の問題で同時に練習できないので、グループレッスンだとどうしても一人あたりの叩ける時間が短くなります。そのぶん集中して叩けると考えることもできますが、生ドラムに触れる時間が少ないのはデメリットだと感じました。
④ 講師の得意ジャンルは何か
ドラム講師によって、得意な音楽ジャンルが異なります。オールマイティに叩ける方も多いですが、それでも特定のジャンルに対する知識量や理解度が異なるため、講師の得意ジャンルもチェックしておきたいポイントです。
プロフィールに得意ジャンルや経歴を書いてある場合が多いですし、YouTubeやInstagramなどで演奏している動画があれば見ておきましょう。演奏動画ない場合は、体験レッスンで講師の得意ジャンルを聞いてみたり、可能であれば実際に叩いてもらうといいでしょう。
私が通っていたヤマハ音楽教室では教科書に沿ってレッスンをする形態でしたが、教科書はなく、講師の裁量や生徒の希望に応じてレッスンをする場合も多いです。いずれにしても自分がどんなジャンルのドラムを叩きたいかを明確にしておくといいでしょう。演奏を見て、この人みたいに叩けるようになりたいと思える講師に出会えれば最高ですね。