ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)とは
ブラジリアンローズウッド(通称:ハカランダ)は、エレキギターの指板材やアコースティックギターのサイド・バック材として用いられる木材。数あるギター用木材の中でも「王様」と称される存在だが、一方で非常に希少で高価な木材としても知られている。
ブラジリアンローズウッドの歴史
ブラジリアンローズウッドはその名の通りブラジルを原産とする木材。18世紀頃からアメリカや、ブラジルを植民地としていたポルトガルを含むヨーロッパに輸出され家具や楽器に使われていたという。
しかし、1960年代にブラジル政府が資源の保護のため丸太の状態での輸出を規制したことから入手が非常に難しくなる。それまでFenderやGibsonでもギター用の木材として用いられていたが、1966年頃にはほとんど使われなくなってしまう。自社に丸太の状態で多くのストックがあったMartinでは、1969年まで使われていたがその後はほとんど使われなくなっていく。
1980年代、ブラジルの経済成長に伴い原生林は宅地へと変わっていき、木材産業の衰退もあり、ブラジリアンローズウッドは絶滅危惧種となる。その後絶滅危惧種は解除されたものの、1992年のワシントン条約で附属書Iに掲載され、国際間取引は禁止に。日本国内では、限られた在庫でしか入手できないという状態になっている。
「ハカランダ」という呼び名について
ブラジリアンローズウッドは、ギター業界では「ハカランダ」という別名で呼ばれている。これはブラジルでの呼び方である「jacarandá(ジャカランダ)」をスペイン語風に読んだもの。
厳密に言うとブラジルでのブラジリアンローズウッドの呼び方は「jacarandá-da-bahía(ジャカランダ・ダ・バイーア)」というもので、他にも「ジャカランダ」と呼ばれる樹木はいくつか存在する。例えばホンジュラスローズウッドは「Jacaranda De Noglie(ジャカランダ・デ・ノガリエ)」、ココボロは「Jacarandaholz(ジャカランダオル)」など、他の樹木もブラジルの人に言わせれば「ハカランダ」の一種ということになるのだろう。ただ、日本のギター業界では「ハカランダ」と言えば「ブラジリアンローズウッド」を指すのが一般的となっている。
また、「Jacaranda(ジャカランダ)」と言うと、日本では街路樹に見られ「紫のさくら」として知られる同じ名前の樹木があるが、全く別の植物なので注意が必要。
ブラジリアンローズウッドの木はこちら。ブラジリアンローズウッドは、「マメ目マメ科」。
下の画像は、「シソ目ノウゼンカズラ科」のジャカランダ。日本でも見ることができる。
日本のギター業界では、枯渇したブラジリアンローズウッドに代わる木材を「ニューハカランダ」と呼ぶこともある。これについては別記事で解説している。
ブラジリアンローズウッドの特徴
- ギター材として最高の音響特性
- エキゾチックな黒い縞模様
- 甘い香りを放つ
ギター材として最高の音響特性
資源が枯渇した後、様々な木材が代用材として用いられている中で、それでもブラジリアンローズウッドがずっと高価なのは、希少であるのはもちろん、音響特性の面でギター材として最高級とされているからに他ならない。
ブラジリアンローズウッドは、非常に硬く密度が高い。抜けの良い高音、力強く張りのある低音。立ち上がりが良く、倍音成分も豊か。などと、ギター材に対する褒め言葉とされるようなフレーズがそのまま当てはまるような木材と言われている。
エキゾチックな黒い縞模様
ブラジリアンローズウッドは、褐色から赤褐色に濃く黒い縞模様が入る。この縞模様がエキゾチックな木目を形成し、サウンドのみならずルックス面でも他の木材を凌駕する存在となっている。特に蜘蛛の巣のような木目は「スパイダーウェブ」とも呼ばれる。
《ブラジリアンローズウッド④🌳》
画像全てハカランダです。どれも全く異なるユニークな木目を持っているので、指板材の状態ですでに感動を覚えます。ココボロのような蜘蛛の巣状の木目(通称スパイダーウェブ)を持ったものもあり、動物を感じさせるような個体はやはり魅力的です☺️#木材孝佳 pic.twitter.com/oo008wtqt5— 木材孝佳🌳(木材おじさんアカウント) (@TKYSmokuzai) September 29, 2018
【委託販売】見てこのハカランダ! なんてそそる木目してるんでしょう!?
少し値下げもしました。エヘ♪
http://t.co/1WZhZWZaOQ pic.twitter.com/DjjMbKv2SS— 島村楽器商品担当 (@shima_md) April 3, 2015
甘い香りを放つ
ギターの機能や性能とは直接関係はないが、木材から甘い香りが放たれるというのも、ブラジリアンローズウッドの特徴の一つ。もともと「ローズウッド」という種類は、その名の通り「バラの香り」を放つことから名付けられたもので、加工することで香り成分を放つようになる。中でもブラジリアンローズウッドは強い香りを持っており、バラの香りやバニラの香り、鉛筆の芯のような香り等と例える人もいる。
ブラジリアンローズウッドを使ったギター
指板材として
『#PRS / Hollowbody II Artist Package Piezo』
指板とヘッドトップにブラジリアンローズウッドを採用したHollowbody IIが入荷しました。ホロウボディにピエゾを組み合わせることによりアコースティックな鳴りを実現!幅広いサウンドメイクが行える優れものです。https://t.co/8aTFLoYcbc pic.twitter.com/1qLIhm4GB5— イシバシ楽器新宿店 (@1484_shinjuku) March 24, 2021
【本館3F】
Crewsはこれで最後!!
ST-60 Slab Custom Project/K&T LOM60 VBC Aged Olympic Whiteも入荷!!
こちらは、1本のみ製作されたレア仕様!!
ピックアップにはカスタムワウンドのK&T LOM 60 VBCを搭載しております。
勿論、ブラジリアンローズウッド指板を採用してます!!https://t.co/HDKEEsbtgZ pic.twitter.com/gfwU0k0JXT— クロサワ楽器 池袋店 エレキ本館@6/26 拡大移転オープン!国内最大級! (@kurosawa_ike) July 5, 2018
サイド/バック材として
最近渋谷店のアコースティックルームにお越しのお客様がよくチェックされる本機、#Crews EG-1500C Premium Limited。
スピード感と量感を両立させた鳴りは、スプルーストップとサイド&バックに使用されたハカランダが成せる業。美しいハカランダのサップをご覧ください😌 https://t.co/iKMQXUdZyn pic.twitter.com/7SGAIJsSI7— フーチーズ 渋谷 ギターショップ (@hoochies_tokyo) August 22, 2020
1967年製、サイド&バック:ハカランダのD-35入荷いたしました!数あるMartinのモデルの中で唯一、究極のバランス特性を持つ35にハカランダの硬く密度の高い質感とが見事に融合し、素晴らしい鳴りと表現力とを実現!税込¥598,000と大変お買い得な価格になっております!これはもう早い者勝ちです!! pic.twitter.com/muKmcMSZlU
— 沖田ギター工房 (千葉/渋谷) (@Okita_gs) April 28, 2019
ネック材として
【福岡サンパレス店】福岡店にこんな貴重なギターがある事…ご存知でしたか?「PRS Custom24 Japan Limited "Artist Special" BRW -Refinish-」"ハカランダネック&指板 × STPブリッジ"仕様の日本限定、かなりのレア度のカスタム24!詳細はデジマートリンクをチェック!
→ https://t.co/GGYudclU6y pic.twitter.com/LPEEkm2HTV— Bottom's Up Guitars 🎸 公式 ボトムズアップギターズ -東京本店- (@BuGtrs) November 16, 2018
【エレキフロア新着入荷】
Paul Reed Smith(PRS) Private Stock Brazilian #5151 Custom 24 ~Blue Green~が入荷致しました!
ハカランダネックの一本!
このスペックでこの金額は...↓詳しくは以下のURLから↓https://t.co/Urc2A8fvgo pic.twitter.com/4yQBuEAgV0
— クロサワ楽器町田店 @8月31日まで決算セール開催中! (@machidax) September 29, 2019
【本館3F】
本日最後のご紹介品は、超やばい仕様のギターです!
Bizen Custom Order Grain BRW Limited Arched 1P Quilt Top Brazilian Rosewood Neck Shadow Burstが入荷!"ハカランダネック!!!!"
さらにボディーにはホンマホ1P材を使用し、トップもキルト1P仕様なんです!https://t.co/1RQj4t9SMH pic.twitter.com/7M9Z9QIVdD
— クロサワ楽器 池袋店 エレキ本館@6/26 拡大移転オープン!国内最大級! (@kurosawa_ike) November 7, 2020
今日はハカランダネックの研磨仕上げ。ネックも指板も同じ角材から切り出してますので、貼り指板であることが全く分からない位馴染んでます。無塗装でもこの黒さ。そしてもちろん良い匂い。最高です。
昨日のパタゴニアンサイプレスボディと共に、いよいよ来週から塗装です。 pic.twitter.com/VVGSG6Id8D— Y.O.S.ギター工房 (@YOSguitars) January 9, 2021