ピッチシフターとは
ピッチシフター(pitch shifter)は、原音から自由にズラした音程を作り出すエフェクター。ピッチ(pitch)は「音程」なので、音程をシフト(変化)されるエフェクターであることを意味している。
ピッチシフターの種類
ピッチシフターは細かく分けると、「ハーモナイザー」や「インテリジェント・ピッチシフター」、「ワーミー・ペダル」といった種類がある。
ピッチシフター
入力された信号に対し、あらかじめ設定した音程差の音を原音に重ねる、あるいはエフェクト音だけを出力することもできる。ソロに使用して独特な響きを演出したり、ツインギター風の演奏をしたり、ズラした音だけを出力すればチューニングの変更やカポを使わずに転調することもできる。
Digitechの『DROP』は、ドロップチューンに特化したピッチシフター。ギター本体のチューニングはそのままに、半音下げから1オクターブ下までのダウン・チューニングを瞬時に行うことができる。
ハーモナイザー
「ハーモナイザー」はピッチシフターとほぼ同じ意味で使われることが多いが、ハーモナイザーの場合は原音にエフェクト音を重ねてハーモニーを作るためのエフェクターとなる。
BOSSのPS-6『ハーモニスト』は、ピッチシフターとしてはもちろん、最大3声まで対応のハーモナイザーとして、外部ペダルを接続してワーミー・ペダルとして、さらには「スーパー・ベンド・モード」でアーミングのようなベンディング可能と、幅広い使い方ができる一台。
インテリジェント・ピッチシフター
通常のピッチシフターが「+1」や「+2」など一定量のピッチを等しくズラすのに対し、あらかじめ設定されたスケールに合わせて変化量を変動させることができる高機能なピッチシフターを「インテリジェント・ピッチシフター」と呼ぶ。この機能によって和音を崩さず演奏できる。さらに高機能な機種だと自動的にスケールを解析してくれるものもある。
ハーモナイザーは和音を崩さないように音を重ねるエフェクターであることから、インテリジェント・ピッチシフターとほぼ同じ意味だと思って良い。
EVENTIDE(イーブンタイド)の『Pitch Factor』は、高機能なハーモナイザー。基本的なピッチシフターの機能はもちろん、スケールを自動で検出してくれるインテリジェント・ピッチシフターとして、他にもアルペジエイターのような機能など、多機能かつ高機能な一台。
ワーミー・ペダル
ワーミー・ペダルは、ペダルを用いて無段階にピッチを変動させるエフェクター。足元の操作で任意に音程を変化させるので、ピッチシフターの一種ではあるが、ハーモナイザー等と比べると使い勝手は大きく異る。踏み込んだ状態で操作を行わずに固定しておけば、通常のピッチシフターと同様の使い方も可能。
オクターバーとの違い
ピッチをズラすという意味では、ピッチシフターもオクターバーも同じ効果を持つが、オクターバーがズラすことができる音程がオクターブに限るのに対し、ピッチシフターは自由な変化を得ることができる。
ピッチシフターの方が高機能で、オクターバーと同じこともできるため上位互換と思いがちだが、オクターバーにも音質の良さ等のメリットがある。詳しくはオクターバーの記事で。