今日はフレット打ちをします。
結果からいうとフレット打ちに失敗したのでリフレットしました…
↓前回作業
指板すり合わせしたので、フレット溝に指板の削りカスやゴミが挟まっているかもしれません。
なので、フレットを打つ前にストッパーを貼り付けたノコギリでフレット溝を掃除します。
ではフレットの準備をします。
今回使用するフレットは214H。
そのままでは長いので、喰切で長さを調整。
指板の両端から2mmほど出る長さにチョッキン。
フレットを喰切とニッパーで挟んで軽く曲げます。
フレットが真っ直ぐに近いと、打ち込むときに端っこが浮いてしまうので、準備段階で曲げておく必要があります。
曲げができたら、フレットのタングの左右を少し切ります。
フレット溝に対してタングが左右1mmくらい内側に来るくらいが目安です。
タングをフレットサイドピッタリにするやり方もありますが、学校ではフレットサイドをパテで埋めるので、フレット溝に対してタングを短めにします。
タングニッパーで切る際、一気に切ろうとするとグニャッと曲がってしまうので、短めに切っていきます。
今回はフレットプレスを3本だけ試します。
まずはフレットの端を軽く埋め込みます。
ボール盤のハンドルを回し、押し込むようにフレット溝に入れます。
フレット打ちでは端から埋めていきますが、フレットプレスではまず真ん中を押し込み、その後で左右にずらして押し込みます。
慣れてないのでフレットの真ん中が浮いちゃってますね。
今回は体験できればOKなので、あとで玄能で打ち込みます。
ここからは手打ちします。
まずはフレットの両端を溝にしっかり埋めます。
めり込まない程度に隙間なく打ち込むのが大事。
では間違い探しです。
次の写真は良くないフレットの打ち方をしていますが、なぜでしょう?
答えはすぐ言っちゃいますが、指板に対して横から打ち込もうとしているからです。
腕が完全に浮いた状態で打つことになるので、打ち込む角度が安定しないですし、力が伝わりにくいです。
このやり方で打っちゃったのでリフレットすることになるのですが…
正しい打ち方は後半の写真で解説します。
製図用紙の切れ端などをフレットと指板の間に差し込んで隙間がないかチェック。
グリップ部分は作業台との間に隙間があって力が逃げてしまうので、木材や紙などを敷きます。
このアイテムもRがついているので、フレットの形に沿って玄能で打ちます。
全フレット打ち終わったのですが、端が浮いていて叩いても入らなかったり、しっかり埋まってないフレットがほとんどなので、全部取り外してもう一回打ち直します…
喰切の刃の先端は斜めになっていますが、それだとしっかり埋まったフレットを抜くことができないので、刃の先端を平面に加工した喰切を使います。
フレットの端に喰切を差し込み、下側にグッと力を入れて喰切の柄を握り込みます。
上に引いて抜くのではなく、喰切が挟み込む力でフレットが持ち上がっていくイメージです。
無理に引き抜こうとするとフレットのスタッドで指板が剥がれてしまうので要注意。
部分的にフレットが持ち上がったら少し横にずらし、同じように喰切の柄を握り込んで持ち上げていきます。
フレットを抜くと、こんな感じで指板の一部が剥がれます。
これは注意して抜いてもなってしまうので、接着剤で補填します。
紙などで上から軽く押さえて指板の欠片を元の場所に押し込みます。
千枚通しに瞬間接着剤を少し付け、フレット溝に沿って塗っていきます。
接着剤の量が多いとフレット溝からはみ出してシミになってしまうので注意。
#320のペーパーで軽くすり合わせします。
接着剤のシミが取れればOKです。
フレットで隠れる部分の接着剤のシミは取らなくていいので、ごくごく軽くでOK。
フレット溝の周りに接着剤が残っていますが、フレットで隠れるので大丈夫。
フレットを打つ前の状態に戻ってきました。
外したフレットは使わず、新しいフレットを使います。
指板材が硬くてフレットが溝に入りにくい場合は、軽く逆反り方向にロッドを曲げるといいそうです。
逆反りにすることでフレット溝が少し広がり、フレットが溝に入りやすくなる、というわけです。
エボニー材など、などは硬くてフレットが入りにくいそうですし、今回の材も目が詰まっていて硬いのかもしれません。
手でフレットの端を押し込んでもなかなか入っていかないので、少し逆反りさせます。
8分の1回転くらい逆反り方向にロッドを回します。
回すとしてもほんの気持ち程度です。
ここでさっきのクイズの正解例を。
指板に対して腕を平行に構え、肘を指板の上か作業台の上にしっかり置き、肘を支点に振り下ろすのが正解。
フレットの打ち方は人によるので正しいやり方かはさておき、このやり方のほうが振り下ろす腕がブレないですし、しっかりと力が伝わります。
フレット打ちで避けたいのは、「端が浮いてしまう」状態です。
フレット真ん中も打ち込んだ状態で端が浮いていると、いくら強く叩いても端が浮いてしまいます。
1回目はそれで失敗しました…
両端が埋まったら真ん中から端に向かって打っていきますが、真ん中を打つとどうしても端が浮いてしまいます。
必ず意識すべきは、常に両端が指板にぴったりくっついている状態で打ち込んでいくことです。
真ん中は軽めに打ち、端にかけて徐々に力を強めて打ち込みます。
そうすると常に端っこが指板にくっついている状態を保てます。
短いですがフレット打ちをしている様子を動画に撮りました。
先生に仕上げをしてもらいましたが、1回目と比べると隙間がほとんどなくなりました。
今日はここまで。