2年生の授業がスタート。
2年生になると、上級生(3年生、4年生)と一緒の教室で作業をします。
2年生の1作目(通算4作目)は、ボルトオンネックのギターを作ります。
ボルトオンは、セットネックやスルーネックと比べて作業効率が良いと言われるため、作るのが簡単そうというイメージがありますが、ネックエンドとネックポケットの加工精度が求められるため難しいとのことです。
まずは製図からやっていきます。
今回はストラトタイプのボルトオンを作ります。
スペック
- ストラトタイプ(外周は約98%小さく)
- 3シングルピックアップ
- シンクロナイズドトレモロ(2スタッドトレモロ - 510T-FE1)
- 1ボリューム、1トーン
- 22フレット
- 指板はツバだし(ヒサシあり)
- ホイールナットを使用(ESP TRUSS ROD WHEEL NUT)
- 12フレットの厚みは25mm(1フレットで23mm)
- ゴールドパーツを使用(ペグ、ブリッジ、ジャックプレート)
- ボディはアルダー
- ネック材はメイプル
- 指板材はホンジュラスロース
ネックエンド周り。
ツバだし&ホイールナットを取り付けるので、細かく書き込んでいます。
ブリッジ周り。
2スタッドのシンクロトレモロは、6点支持タイプと寸法が異なります。
6点支持タイプと同じ寸法で設計するとザグリが見えてしまったりするので、2スタッド用に寸法を取ります。
2つのアンカーの位置が大事なので、内容は公開できませんが、学校で配布されたプリントを元に設計しました。
6点支持は最低でも3箇所は摩擦抵抗がかかりますが、2点支持は摩擦抵抗が1箇所(ボディトップに当たる箇所)のみなので、アーミング時のチューニングが安定しやすいというメリットがあります。
ネックエンド周りの側面図。
ツバだし(ヒサシ)があるので、ネックエンドから9mm飛び出していて、ボディトップ面との間に3mmの隙間があります。
ネックエンド周りの厚みは26mm(ネック材20mm+指板材6mm)取ります。
12フレットが25mmあるので、ヒール周りの傾斜はかなり緩めです。
コントロール部分の正面図。
ストラトは、コントロールとザグリが結構シビアです。
レバースイッチは配線材の幅も考慮し、ザグリ外周から2mm離した位置に設置します。
リアピックアップ用のトーンは内側に配線しますし、実寸はもう少し小さいので、ザグリ外周ギリギリの位置でも問題ないとのことです。
ピックガードの形状について。
正面から見て、フロントピックアップの左側の部分とピックガードの外周が結構密接しています。
実際にこれくらい密接しているので、これでOKとのことです。
(加工時に寸法を間違えなければ)
ギターヘッドの正面図と側面図。
ヘッドの形状は、2作目でオリジナルで設計したリバースヘッドをノンリバースにしました。
0フレットの厚みは、26mm(ネック材20mm+指板材6mm)取ります。
1フレットの厚みが指板込みで23mmなので、ネックエンド側にかけてわずかにカーブさせます。
ヘッド厚は14mmなので、0フレット周りからヘッド側にかけては、なだらかにカーブさせています。
難しかったのはペグポストの位置。
各弦がペグポストに向けて真っ直ぐ、かつ各ペグポスト間が均等になるように計算して製図しました。
弦の太さ(今回は10-46を使用)も考慮した設計になっています。
- 0フレットから6弦ペグポストの位置を決める
- ヘッド外周から6弦ペグポストの距離を決める
- 6弦ペグポストから1弦ペグポストまで120mmの間隔を取る
- 各弦の間隔を24mm取る
- ストリングポストの大きさΦ5を罫書き
- ペグポスト外周の大きさΦ8.7を罫書き
- センターラインから各ペグポストまでの距離、0フレットから各ペグポストまでの距離を記載
└ 今回は40mm
└ 今回は13mm(推奨は11.5mmだが、ヘッド外周に合わせて長めに設計)
ヘッド外周から1弦ペグポストの距離を割り出す
└ 6弦と同じく13mm
└ 合計すると120mmになる
今日はここまで。
製図ができたので、ネック材の加工をしていきます。