オープンDチューニングとは
オープンDチューニングは、1弦を1音下げ、2弦を1音下げ、3弦を半音下げ、4・5弦はレギュラーチューニングのまま、6弦を1音下げるというオープンチューニングの一つ。
開放弦を弾くと6弦からD・A・D・F♯・A・Dとなり、そのままDメジャーのコードとなるため、キーがDの曲で使われることが多い。
ジャンルとしてはカントリーやブルース、スライド・ギターなどでよく使用されているチューニング。

オープンDチューニングのやり方
オープンDチューニングにするには、チューナーを使って6弦からD・A・D・F♯・A・Dに合わせていくだけ。
6弦 | 5弦 | 4弦 | 3弦 | 2弦 | 1弦 | |
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レギュラーチューニング | E | A | D | G | B | E |
オープンDチューニング | D | A | D | F♯ | A | D |
どうしてもチューナーが手元に無いという場合、となりの弦に合わせてチューニングしていく方法でも可能です。
レギュラーチューニングの5弦の開放弦(A)と6弦の7フレットを合わせることで6弦をDにチューニングできます。同じ要領で、4弦の4フレットと3弦の開放を合わせてF♯に、その3弦3フレットと2弦の開放を合わせてAに、最後にその2弦5フレットと1弦開放を合わせてDにすればオープンDチューニングの完成です。
オープンDチューニングにする理由、メリット・デメリット
メリット
- 指一本やスライドバーで簡単にメジャーコードが弾ける
- レギュラーチューニングでは得られないコードの響き
オープンDチューニングに限らず、オープンチューニングにする最大の理由は、開放弦でそのままコードが奏でられ、そこから指一本でずらしていくだけで簡単な曲なら演奏できてしまうという手軽さ。
そしてその利点を活かしているのがスライドバーを使ったボトルネック奏法と呼ばれる奏法で、スムーズな音程の変化とバーの材質による音色が楽しめます。そのためスライドバーを使用するブルースやカントリーといったジャンルと相性が良いチューニングと言えます。
デメリット
- 普段の押さえ方は通用しない
- 弦がビビりやすくなる
オープンチューニングにした状態で、普段弾き慣れた曲やコードを弾いてと言われたら、多くの人は難しいと感じるのではないでしょうか。
変則チューニングの全てに言えることではありますが、レギュラーチューニングで慣れた押さえ方や手グセなどは通用しなくなるのが難点と言えるかと思います。ライブなどで複数の曲を演奏する際には、MCを挟むなどチューニングするための時間を取るか、専用のサブギターを用意する等の対応が必要かもしれません。
また、1・2・3・6弦を1音あるいは半音下げることになるため、ギターの状態によっては弦がビビる可能性もあります。その場合は通常よりも少し弦高を高くするなど、調整の必要があるかも。
オープンDチューニングが使われている楽曲
エルモア・ジェームスの『Dust My Broom』
ボブ・ディランの『Shelter from the Storm』
The Black Crowesの『She Talks To Angels』