ギターモデル

Fender Musicmaster(ミュージックマスター)

Fender Musicmasterとは

Musicmaster(ミュージックマスター)は、フェンダーが1952〜1982年に製造していたギターモデル(スチューデントモデル)。Duo-Sonic(デュオ・ソニック)と同時期に開発されたモデルで、Musicmasterのほうが2ヶ月早く発売された。再販されていないため、中古でしか手に入らない(2020年現在)。

※スチューデントモデル…学生でも購入しやすい価格帯のフェンダーのギターモデル。Musicmaster、Duo-Sonic、Mustang、Cycloneなど、小型ボディ、短めのスケールのモデルが多い。

Duo-Sonicはこちらの記事で解説

Fenderのギター・duo-sonic
Fender Duo-Sonic(デュオソニック)Fender Duo-Sonicとは Duo-Sonic(ディオソニック)は、フェンダーが1956年に発表したギターモデル。学生でも購...

Musicmasterの特徴

Musicmasterは、1956〜1963年と、1964〜1982年で仕様が異なる。

1956〜1963年の仕様

  • ピックアップ
    Musicmasterは、フロントにシングル1発の1ピックアップ仕様。兄弟機であるDuo-Sonicは当初から2ピックアップで、その点がMusicmasterとの大きな違い。
  • ボディ
    Duo-Sonicとの共通のボディを使っていたため、リアにもピックアップキャビティが空いていた。ピックガードを外すと、フロントとリアの2つキャビティがあることを確認できる。1ピックアップなのでスイッチはないが、スイッチキャビティも設けられていた。
  • ボディシェイプ
    ボディウエスト(くびれ)は、後にオフセットになるが、1956〜1963年は左右対称でオフセットではなかった。
  • ネック / 指板
    1956〜1959年頃までワンピースメイプルネック、1958〜59年頃からローズウッド指板に変更となった。

    1958年はフェンダーが指板をローズウッドに変更し始めた時期。主要モデルであったストラトやテレキャスだけでなく、MusicmasterやDuo-Sonicもローズウッド指板に変わっていった。

    ローズウッド指板に変更された当初はスラブボードであったが、1962年からはラウンドボードに変わった。

    スラブボードとラウンドボードの違いはこちらの記事で解説

    スラブボード
    スラブボード ‐ 分厚いローズウッド指板のことスラブボードとは 「スラブボード」「スラブ指板」あるいは「スラブ貼り」は、ローズウッド指板とネックとのラミネイト方式の一つ。指板とネッ...
  • スケール / フレット
    スケールは24インチ(610mm)のロングスケールと、22.5インチ (572mm)の2タイプで販売。フレット数は21。
  • ピックガード
    発売当初はアノダイズ仕上げのアルミニウム製ピックガードを採用。ヘアライン加工(細かい傷を付ける加工)したアルミ板材を電極処理して酸化皮膜で金色に着色していた。1959年の再設計の際に、プラスチックのピックガードに変更となった。

トモ藤田氏によるMusicmasterの解説&試奏動画。56年製のMusicmaster

1964〜1982年の仕様

1964年のMustangの発売と同時に、MusicmasterとDuo-Sonicの仕様も変更となった。リニューアル版は、Musicmaster Ⅱという名が付けられた。

  • ピックアップ
    ピックアップの仕様変更はなし。フロントにシングル1発のまま。
  • ボディシェイプ
    ボディはMustangと同じ仕様となり、ボディサイズは少し大きくなり、ウエストは左右非対称のオフセットになった。
  • ネック / 指板
    ローズウッド指板
  • ヘッドストック
    ラージヘッドに変更。
  • スケール / フレット数
    オプションで、「24インチスケールと22フレットネック」と「22.5インチスケールと21フレットネック」の2タイプから選択できた。24インチのほうが人気があったそうだ。
  • ピックガード
    初期仕様はプラスチックのピックガードにボリュームノブとトーンノブが取り付けられていたが、リニューアル後はノブを金属プレートに別で取り付ける構造に変わった。

リニューアル後の67年製Musicmaster。

Musicmaster Bass

ベース版のMusicmaster Bass(ミュージックマスター・ベース)は、1971〜1981年に製造されていた。Mustang Bass(ムスタング・ベース)をシンプルにした仕様で、30インチという短めのスケールが特徴。

Fender Broncoとの違い

Musicmasterと似たようなBroncoという機種があった。1967〜1981年に販売されていたモデルで、Musicmasterと見た目は非常に似ているが、ピックアップの位置が異なる。Musicmasterはフロントにシングル1基だが、Broncoはリアにシングル1基であった。

Broncoについて詳しくは以下の記事で。

Fender Bronco(フェンダー・ブロンコ)Fender Broncoとは Fender Bronco(フェンダー・ブロンコ)は、フェンダーが1967〜1981年まで販売していた...
ABOUT ME
稲垣 健太(ケンタトニック)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者。

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA)に入学
└ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を習得中
└ギター製作の経験をほぼ毎日日記で更新
ギタークラフト製作日記

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。

■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中
ESPギタークラフトアカデミーにて月3回プロギタリストによる演奏授業を受講

■愛機
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
Nashguitars S-57
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst

所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder


■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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