ギター用語

ワーミーペダル(Whammy)

ワーミーペダルとは

ワーミーペダルは、あらかじめ設定した音階に対して音程を変化させるエフェクターピッチシフターやハーモナイザーのような使い方ができる。

「ワーミー(Whammy)」はエフェクターの種類の名前ではなく、Digitech社が販売している商品の名称。他社製の同様の機能を持つエフェクターは、あくまで「ワーミータイプ」「ワーミー系」であり、厳密には「ワーミー」ではない。

ワーミーペダルの特徴

  • トレモロアームの俗称「whammy bar」が由来
  • トレモロ・ユニットが無くてもアーミングのような演奏が可能
  • 足元で操作するので、右手の動きが自由

ワーミーは、音程を変化させるピッチシフターの一種とも言えるエフェクターだが、ペダルを踏み込むことで無段階に音程を変化させることができるのが大きな特徴となる。

「ワーミー」という名前の由来も、海外でのアームの俗称である「whammy bar(ワーミー・バー)」から来ているように、アームを使ったようなプレイをペダル操作で可能にするエフェクターである。ちなみに英語では「ワミー」と発音するため、海外で「ワーミー」と言っても通じないかもしれない。

アームを使ったようなプレイをペダル操作で可能にするということは、トレモロ・ユニットのないギターでも、そのような演奏が可能ということ。また、足元でアーム操作の代わりをするので、右手でアームを持つ必要がなく、例えばタッピングのような奏法をする際にアーミングをプラスするといった、従来では物理的に難しい奏法も可能となった。

また、ワーミーは原音を変化させるだけでなく、原音に「2度上」や「5度上」「1オクターブ上」など設定した音をプラスするハーモナイザーオクターバーとしても使うことができる。

※whammy barの由来は記事の最後で解説する。
whammy barの由来

ワーミーペダルを使った演奏

ダイムバッグ・ダレルは速弾きだけでなく、ワーミーやワウを使ったトリッキーなプレイにも長けていた。

トム・モレロはワーミーを駆使した斬新なギターソロをいくつも生み出した。

デヴィッド・ギルモアの「Marooned」では、静かな雰囲気の中に不思議なサウンドを作り出ししている。

ワーミーペダルのラインナップ

ワーミーペダルは、もともとDegiTech社から発売されていたラック式ピッチシフター「IPS-33B」のエクスプレッション・ペダルを使用した無段階のピッチベンド機能を取り出して作られた。

1989年に初代が発売され、現在のところ第5世代までが発売されているが、それぞれに特徴があるため、古いタイプを好んで使う人も多い。

Whammy5

現在販売されているのが第5世代となる「Whammy5」。従来のワーミーペダルに、和音を保ったままベンドが可能な機能が追加されている。

Whammy DT

「DT」は「Drop Tunning」の略で、Whammy4が持っていた機能にドロップチューニング機能が加わったもの。ギターを持ち替えたりカポタストを装着することなく、スイッチの操作のみで上下それぞれ1オクターブのキーチェンジを行うことができる。

Whammy Ricochet(ワーミー・リコシェ)

従来のワーミーから大きなペダルを廃したのが「リコシェ」。フットスイッチを踏むだけで従来のペダル操作のようにスムーズなベンドアップ/ダウンが可能。BALLISTICSコントールであらかじめターゲットとなるピッチへの到達時間と復帰時間を設定しておくことができる。

大きなペダルが無くても、しっかりとWhammyのサウンドを再現し、かつ持ち運びも楽チン。ちなみに「ricochet(リコシェ)」には、「跳飛」「跳弾」「乱高下する」といった意味がある。

Bass Whammy

以前はベース専用のワーミーが無く、ベーシストもギターと同じワーミーペダルを使っていたが、2014年に発売された「Bass Whammy」はベース専用に最適化されている。

他社製ワーミータイプペダル

Morpheus Bomber

Morpheusから発売されている「Bomber」は、3オクターブ下への急降下が可能で、その名の通りの「爆撃機サウンド」が特徴。Whammyのような和音のピッチシフトも可能となっている。

whammy barの由来

アームの俗称「whammy bar(ワーミー・バー)」は、アメリカのギタリスト・Lonnie Mack(ロニー・マック)のとある楽曲が由来とされている。ロニーは『Wham!』(1963年)という曲で、ビグスビートレモロバーを使って音程を激しく上下させて演奏しており、当時は画期的な演奏法であった。そこから、当時のギタリストの間で非公式で「whammy bar」と呼ばれるようになったそうだ。

「Wham」は「ドンという衝撃音」、「whammy」は「魔法」「(不運をもたらす)まじない」という意味で、それぞれ全く意味の異なる単語である。上述したように「whammy bar」はロニーの『Wham!』が由来であり、後者の「魔法」という意味を持たせて名付けられたかは不明。

ロニー・マックのアーム(whammy bar)を使ったプレイ

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ギター歴23年。

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