ファットフィンガー(Fatfinger)とは
ファットフィンガーは、ギターのヘッドストックに取り付ける重りで、サスティーンを伸ばすことができるアイテム。デッドポイントの解消にも用いることができる。
ファットフィンガー(Fatfinger)は、Fenderから発売されている商品。もともとはグルーブチューブという真空管メーカーから発売されていたが一度販売が終了、その後Fenderブランドで復活した。ギター用とベース用が発売されていたが、現在Fenderの公式サイトではベース用が無くなり、ギター用のみ販売されている。
ファットフィンガーの取り付け
取り付けは非常に簡単。ヘッドストックを挟むようにしてネジを締めるだけでOK。ギターに触れる部分はフェルトになっているので、傷が付く心配もない。取り付ける位置を変えることでその効果も変化するため、弾きながら最適な位置を探ると良い。
ファットフィンガーの効果と原理
一般的にギターやベースはボディよりもネックやヘッド側が軽く、弦を弾いた時の振動のエネルギーが、ネックやヘッドの振動に分散してしまいやすい。振動が分散してしまうということは、それだけ弦が振動するエネルギーが減ることになるので、サスティーンも短くなってしまう。
そこで、ヘッドストックに重りを加えることで振動を抑え、弦の振動エネルギーをなるべく弦に留めることで、サスティーンを伸ばそうというのがファットフィンガー。ギター用のファットフィンガーは約90gの重量があり、一般的なギターが3〜4kgであることを考えると100g近い変化は大きな影響があると考えられる。
ファットフィンガーは特別な機能があるわけではなく、単純にヘッドストックに質量を加える「重り」の役割。重りを取り付ければ他の物でも代替できることから、窓のサッシに取り付けるストッパーを使うという方法もある。
デッドポイントとは
ギターの「デッドポイント」は、特定の弦やフレットで音が伸びにくい状態を指す。原因は様々だが、多くの場合がボディーやネック、弾いている以外の弦やパーツの振動が、弾いている弦の振動を邪魔していることによって起こっている。
ファットフィンガーを装着することで、この原因となる振動を抑え、デッドポイントの解消につながる。
ファットフィンガーのデメリット
ヘッドストックに重さを加えるだけのファットフィンガーはメリットしかないように思えるが、デメリットもある。
- トーンの変化
- ヘッド落ち
- 見た目の変化
弦の振動に変化が起きるということは、トーンにも変化を与える。「引き締まった音になる」「暴れる感じが無くなる」といった使用者の声があり、これは好みによってメリットともデメリットともなり得る。
ヘッドに重りを付けることで、ボディが軽いギターの場合だとヘッド落ちの原因となってしまう可能性もある。