ギタークラフト

【8作目】ネックにカーボンロッドを埋め込み:ギタークラフト学校日誌(350)

ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める

前回はトラスロッド溝に埋め木を接着しました。
今回はカーボンロッドの埋め込みをします。

↓前回の作業

ギターのネック材とトラスロッドと埋め木
【8作目】トラスロッド溝に埋め木を接着、ヘッドの耳材の接着:ギタークラフト学校日誌(349)前回はトラスロッドの溝の加工とネジ切り加工をしました。 今回は埋め木の作成と接着です。 ↓前回作業 https://gui...

カーボンロッドは、カーボンファイバー(炭素繊維)で作られた棒で、ギターでは主にネックの補強材として使われます。
ロッド(rod)は「棒」という意味で、いわばカーボンロッドはただの棒です。
なので、トラスロッドと違って反りを調整する機能はありません。

カーボンは軽量なのに強度・剛性が高く、金属ではないため錆びないですし、熱にも強いという様々な特長があります。
ギターのネックにカーボンロッドを入れる目的は、ネック材の補強です。

補強といってもカーボンロッドも力を加えれば曲がるため、完全に反りを防ぐわけではありません。
ネックのねじれに対して強くしたり、ネックが反ったときにも素直に曲がるようにしたり、その効果はあくまでも補助的ものです。
木材はどうしても気候や気温などの環境の変化で狂いが生じてしまいます。
木材であるネックの狂いを最小限に押さえるのがカーボンロッドの役割です。

ギターでは角棒タイプのカーボンロッドがよく使われます。
今回使うのも角棒タイプのカーボンロッドです。

カーボンロッドは、トラスロッドの左右両側に埋め込みます。
埋め込む位置に決まりはないので、今回はネック外周とトラスロッドの中間くらいに埋め込むとします。
ネック外周から10mmの幅を取ります。
7弦ギターのネック

7弦ギターのネックとカーボンロッド

今回使うカーボンロッドの厚みは4mmです。
掘る幅はカーボンロッドの厚みに合わせて4mmにします。
側面が平行な板を2つ用意して掘るときの治具にします。
7弦ギターのネック材にカーボンロッド溝を掘る準備

カーボンロッドの溝はトリマーで掘ります。
7弦ギターのネック材にカーボンロッド溝をトリマーで掘る

溝は深さ8mmで掘りました。
カーボンロッドの高さが5mmで、埋め木で蓋をする深さが3mmで合計8mmです。
7弦ギターのネック材に掘ったカーボンロッド溝の深さをノギスで測定

左右のカーボンロッド溝が掘れました。
7弦ギターのネック材に掘ったカーボンロッド溝

ミシンノコで切って長さを調整します。
ギター用のカーボンロッドをミシンノコで切断

溝にぴったりはまりました。
7弦ギターのネック材にカーボンロッドを埋め込み

次はカーボンロッド溝用の埋め木を作ります。
いつもトラスロッド溝を埋めるために使っている埋め木を半分に切ります。
ギターのカーボンロッド溝用の埋め木をバンドソーで切断

エコノミーサンダーで切断面を整えます。
トラスロッド溝の埋め木と違ってアーチを作る必要がないので、平面に加工すればOKです。
ギターのカーボンロッド溝用の埋め木をエコノミーサンダーで成形

溝に合うように幅を豆平鉋やスクレイパーで削ります。
トラスロッド溝用の埋め木と違い、接着後に動かすわけではないので、埋め木は必ずしも溝ぴったりでなくても大丈夫です。
カーボンロッド用の埋め木はあくまでも蓋をするだけの役割なので。
ギターのカーボンロッド溝用の埋め木

接着の準備が整いました。
カーボンロッドは木工用瞬間接着剤で接着します。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める準備

溝の底面と側面に木工用瞬間接着剤を塗布。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める

カーボンロッドを溝にはめ込んだら、その上からさらに木工用瞬間接着剤を塗布します。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める

カーボンロッドの上から埋め木で蓋をします。
木工用瞬間接着剤を塗布しているので、カーボンロッドと埋め木がしっかり密着します。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める

上から当て木をしてクランプで圧着します。
木工用ボンドと違って乾燥が早いですが、念のための一日この状態で置いておきます。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋める

こちらが1日乾燥させた状態。
埋め木はしっかり密着しています。
ギターのカーボンロッドをネック材の溝に埋めた状態

飛び出ている埋め木はエコノミーサンダーで削ってしまいます。
7弦ギターのネック材に埋め込んだカーボンロッドの埋め木をエコノミーサンダーで削る前の状態

埋め木を削って指板接着面を平面にしました。
7弦ギターのネック材に埋め込んだカーボンロッドの埋め木をエコノミーサンダーで削った状態

ABOUT ME
監修・執筆:ケンタトニック(稲垣健太)
ギター辞典コード辞典ボイトレ・音楽用語辞典の運営者
株式会社ケタケタの代表取締役

音楽関係の仕事の経験、ギター製作の経験、音楽教室に通った実体験をもとに、音楽に役立つ情報を発信。

■音楽歴
中学2年生の時にギターを始める
高校1年生の時にドラムを始める
関西外国語大学外国語で軽音楽部に所属し、ボーカル、ギター、ベース、ドラムを演奏
39歳からボイトレに通い始める
42歳でギタークラフトを始める
└2023年4月にギタークラフトの専門学校・ESPギタークラフトアカデミー大阪校(GCA大阪)に入学し、ギター製作やリペアの専門技術・専門知識を学ぶ
2026年3月 ESP GCA大阪校 マスタークラス課程を修了・卒業
ギタークラフト製作日記
YouTubeでも投稿中

■音楽関連の仕事歴
[2006〜2009年]
大手CD・レコード販売店でロック、ジャズの仕入・販売を担当。
[2011年〜]
フリーランスのWebライター・Webディレクターとして開業。
大手音楽教室からの委託でボイトレサイトの運営、ボイトレ記事の執筆・編集に携わる。
[2026年4月〜]ESP GCA大阪校のアシスタント講師として勤務
ギター製作の基礎から高度なリペア技術までを直接指導
ギタークラフトの知見を活かし、単なるユーザー目線ではない、技術者目線での教室選びを提案しています。


■音楽教室の通い歴
[1995〜2000年まで]
某大手ギター教室に通う
[1997〜2002年まで]
某大手ドラム教室に通う
[2020年〜現在]
某大手音楽教室のボイトレ・話し方コースに通い中


■愛器
Stilblu #036 / #039 /#099
g'7 special(g7-TLT Type 2S)
J.W.BLACK Guitars JWB JP-T THINLINE
Tom Anderson(Drop Top Classic -Deep Tobacco Fade)
TMG Gatton Thinline
Fender Custom Shop 1956 Stratocaster NOS
Gibson USA Exclusive Model / Les Paul Standard 60s Honey Lemon Burst
Rittenhouse Guitars J-Master Sharwood Green Metallic
K.nyui Custom Guitar KNTE Mercedes Blue Metalic
Taylor 614ce-N(ナイロン弦バージョン)
CAT'S EYES CE-1200CF
所有ギター一覧

■製作したギター
ギタークラフトアカデミー第1作目:
ポリゴンライン
ギタークラフトアカデミー第2作目:
Stand-Alone
ギタークラフトアカデミー第3作目:
Thin-Marauder
ギタークラフトアカデミー第4作目:
Focus Point
ギタークラフトアカデミー第5作目:
Uroboros LP ギタークラフトアカデミー第6作目:
PB-5S

■好きなバンド
U2、Sigur Ros、THE 1975、Mr.Children、the band apart、くるり、SIAM SHADE、VAN HALEN

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